3月4日、愛媛はホームに町田を迎えて2012シーズンのスタートを切った。その開幕戦勝利から4ヶ月が過ぎ、20試合を終えた戦績は7勝7分6敗。今節はシーズン前半戦を締めくくるゲームだが、愛媛はホームに首位の東京Vを迎えて前半戦の勝ち越しを目指す。さらに今シーズン、J1昇格プレーオフ進出を目標に掲げる愛媛にとっては、6位甲府との勝点差8を少しでも詰めていきたい状況。ここまで、5勝3分1敗と好成績を残しているホームで勝点3をつかみたいところだ。
とはいえ、今の愛媛に問われているのはこれまでの成績や他チームの動向よりも、次の試合でどれだけ目指すサッカーを体現できるかということ。というのも、前回のホーム京都戦では今季の『愛媛らしさ』を発揮して完勝。前線からプレスをかけてラインを高く保つ守備、そしてポゼッションからゴールに迫る攻撃と、攻守両面において狙い通りのサッカーを見せた。かと思えば、前節の徳島戦は『愛媛らしさ』を出せずに完敗。四国ダービーという大一番でビハインドの状況に追い込まれると、チームは空回りを始めてしまった。「上手くいかない状況でも盛り返すことができるように、ゲームをコントロールできる選手にならないと」と大山俊輔は課題を掲げたが、それは全員に問いかけられた宿題。毎試合、チームのパフォーマンスに大きな波がやってくるのは前半戦最大の課題だ。
「試合毎の波が大きいのは、自分たちの力が足りないと感じるところ。試合までのモチベーションのもっていき方にも気をつけたい」とキャプテンの前野貴徳も責任を感じているが、単純にメンタルだけの問題でこの波を片付けることもできない。「状況に応じて前からプレッシャーをかけるのか、それともリトリートをしてブロックを作るのか、その判断も高めないと」とも前野は指摘しているが、やはりゲームの流れを読む力や劣勢を乗り切る力も前半戦の愛媛に欠けていた部分。このメンタルの部分、そして戦術の部分においても、ピッチに立つ選手たちの意識がひとつになれば湘南戦や京都戦のように、誰が出ても結果を出せる力は示している。それだけに、波が訪れてしまうのはもどかしいところでもある。ただ、シーズンも折り返し地点を迎えた今は、前半戦の経験をピッチで表現すべきとき。それができなければ、この先上位に食い込むことは難しい。
その愛媛とは対照的に、東京Vはここにきて安定感を増している。前節は千葉との決戦を制し、ついに首位浮上も果たした。6月2日に大分を3−1で破ると、前節の千葉戦を含めて4連勝。ここにきて勢いも増している。試合の内容を見ても、連勝の出発点となった大分戦は持ち味の攻撃力を生かした快勝といえる展開だったが、一方で前節の千葉戦は2−0とリードをした点差ほど内容に優位性のない接戦だった。それでもセットプレーとPKを生かし、千葉の反撃も終了間際の1失点に抑えて勝ち切った。そうした勝負強さが出ている状況で、選手たちは自信を深めているはず。今節の不安材料をあえて挙げるなら土屋征夫の出場停止だが、今の安定感を見れば大きな問題にはならないだろう。今節も先制をして、愛媛の波を呼び出す展開になれば勝利に近づくはずだ。
ただ、東京Vも首位に浮上したとはいえ、5位大分までの勝点差はわずかに3。得失点差では優位に立っているものの、勝点差を広げたい状況だ。東京Vとしてはリーグ戦後半の戦いに少しでも余裕を生むために、そして愛媛はこれまでの失敗を糧に上位進出への足がかりをつかむために、勝点3を目指して前半戦最後のゲームに挑むことになる。
以上
2012.06.23 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
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