J2は今節から二巡目に入る。前回の対戦は4月30日の第11節で、FC町田ゼルビアが4−2と快勝している。しかしその後10試合で浮上したのは横浜FCだ。
「前回と今のチームは全然違う」(シュナイダー潤之介選手)と選手たちは胸を張る。今季の横浜FCは序盤に低迷と監督の交代があり、第5節を前にした3月21日に山口素弘氏が就任。チームはすぐに浮上したわけでなく、町田戦を終えた時点で19位だった。しかしそこから7勝1分け2敗と勝点を積み、順位を10位まで上げている。
「パスにこだわり、効率よく動く」(佐藤謙介選手)スタイルが根付き、首位との勝点差は10に詰まった。山口素弘監督も「プレースピードが上がったし、連続性が出てきた」とチームの前進を口にする。「就任会見からずっと、明確な目標は立てていなかった」という山口監督だが、26日のミーティングでついに“昇格”を口にした。「今の位置もそうだし、選手が狙える目つきをしている。そういう状況なのに、責任者が一番のところを狙わなかったらダメ」という理由だ。
新生・横浜FCは選手起用が活発だ。三浦知良も「出ていなくても、急にチャンスが来たりする。1試合、2試合とよくても、3試合目でダメなら代えられる」と山口監督の“信賞必罰”を受け入れ、出場機会に備えている。町田ではもちろん初のプレーだが「新しく入ってきたチームのアウェイへ行くのは、いつも楽しみ」だと前向きだ。
どの選手も町田戦の惨敗に“悔い”を残し、リベンジにかける思いは強い。正GKのシュナイダー潤之介は「きっちりリベンジさせてもらいます。選手にはちょっと苦手意識があるかもしれないけど、実際に試合をやってみれば、今の自分たちは違うとすぐに実感できるはず」と自信を見せる。
町田は苦しんでいる。横浜FC戦を最後に勝点3から遠ざかり、その後の10試合は3分け7敗。前節・岐阜戦後に、アルディレス監督が「大至急、何かを変えないといけない」と口にするほどの状態だ。ただ町田が持ち前のパスサッカーを放棄するということではない。監督は「これはサッカー的というより、パーソナリティの試練」と述べる。週明けにはベテラン選手と1対1で話し合い、それぞれに自分の思いを伝えていた。
前節は立ち上がりが悪く、相手に主導権を与えてしまった。横浜FC戦はより高い位置でプレスを掛け、攻守ともに自分たちから仕掛けるサッカーを貫きたい。夏場は体力的に苦しい部分もあろうが、素早いファーストディフェンスが機能すればチームはむしろ楽になる。「切り替えの瞬間だけはみんなで行く。取れなくて初めて後ろに引く守りが出る」(柳崎祥兵選手)という発想を、選手も口にする。町田は前回の横浜FC戦で高い位置のボール奪取、ショートカウンターから得点を重ねた。今回もその再現を狙いたい。
「ポゼション率は高いけれど、怖さがないと思われているのが不甲斐ない」と語るのはベテランSB藤田泰成。町田は“ボールを持つ”部分に強みを持ちつつ、相手の守備を崩し切る怖さを出せていない。藤田をはじめ、多くの選手が口にするのは“フリーランニング”の必要性だ。次戦は運動量、積極的な飛び出しを持ち味とする柳崎祥兵のスタメン起用が濃厚。「前への推進力を出したい」(柳崎)という彼の積極性がフィットすれば、1トップに入る平本一樹も生きる。周りの選手と距離が近ければ、平本はアイディアが出しやすい。2列目が裏へ抜ければ、引いてドリブルを仕掛ける彼の持ち味も出る。そうなれば攻撃の好循環は取り戻されるだろう。
町田にとって明るいニュースは、負傷者の復帰だ。町田は主力5名の不在が続き、アルディレス監督が往年のアルゼンチン代表を例に挙げ「マラドーナ、ケンペス、パサレラ、アルディレスが抜けたらもう別のチームだよ」と冗談まじりに嘆かせる状態だった。今週は勝又慶典、薗田淳が全体練習へ合流し、金曜の紅白戦は1時間のフルタイム出場。スタメン入りはなさそうだがベンチ入り、短時間の起用があり得る。
町田市立陸上競技場には、鶴川駅から直行バスが便利だ。加えて横浜FC戦からは、新たに多摩センター駅からの直行バスが運行される( http://www.zelvia.co.jp/news/news-15984/ )。これで小田急多摩線、京王相模原線、多摩都市モノレールからの便が格段に良くなった。“町田市陸は不便らしい”と不安な方も、直行バスに乗れば、便利さに気づいて頂けるだろう。
町田は今季からJ2に入ったクラブだが、実は横浜FCにとって“四度目の町田戦”だ。横浜FCは2001年、02年の冬に町田市サッカー協会が主催する“ふれあいサッカーフェスティバル”へ参加。町田市出身のJリーガーを集めた“町田スターズ”と対戦している。町田にとって、10年前はJクラブとの対戦が“年に一度のお祭り”だった。J2は不安や悔しさもあるけれど、それを地元で年に20回も楽しめる舞台だ。このよろこびを守り、クラブの未来へつなげるためにも、町田はいい後半戦のスタートを切りたい。
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J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第22節 町田 vs 横浜FC】プレビュー:明暗が分かれた“その後”の10試合。町田が怖さを取り戻すために必要なことは?(12.07.01)















