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【J1:第16節 仙台 vs 広島】レポート:君は地方クラブの誇りを感じたか。勝点差2の首位攻防戦は、2-2の引き分けに終わる(12.07.01)

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関口訓充は、負傷離脱から約1ヶ月ぶりの復帰が見込まれたこの広島戦の2日前の時点で、こんなことを言っていた。
「もうアドレナリンが出ています」
広島戦は彼が尊敬する佐藤寿人との対戦ということが楽しみの1つでもあるのだが、今回は勝点差2という状況で仙台と広島が激突する。サポーターにも試合前からアドレナリンを出していた者は少なくなかっただろう。
そしてこの2チームは、皆さんの出したアドレナリンが無駄ではなかったことをピッチ上で証明した。乃木坂46のライブやスタンドを埋めた両サポーターの大音量の応援によって、試合前からスタジアムはじゅうぶん温まっていた。そして2−2というスコアの動き以上に、スタジアムの温度を上げる様々な動きがピッチ上で見られる好ゲームが展開された。

「先制点を取って、追加点まで…という(攻撃の)作りがあった」と手倉森誠監督が試合後に振り返ったように、赤嶺真吾のスルーパスから抜け出したウイルソンが先制点を決めてからの時間帯は仙台ペースだった。
しかし森保一監督が「これまでのシーズンでサンフレッチェの選手達が見せた、先制されても必ず戦い続けて諦めないプレーを見せてくれた」と評価したように、青山敏弘を中心にサイドに展開する攻撃で広島が反撃。前半も終わろうとしていた頃に、ミキッチのクロスに佐藤寿人が左足で巧みに合わせ、同点の状態で後半戦に突入した。

後半は互いのボランチ同士が激しくぶつかり合う様に象徴されるように、互いの中盤でパスの出どころとなる部分へのプレッシャーが強まっていく。その競り合いの中で広島は佐藤を打撲による負傷退場で欠くことになったが、代わって入った森崎浩司が大きな仕事した。65分、高萩洋次郎からのラストパスを、鮮やかなボレーで決めたのだ。

広島に勢いを持っていかれた中で逆転を許したが、仙台もここで引き下がることはなかった。渡辺広大の「後半には前からのプレッシャーもうまく修正して効くようになっていたので、点につながった」という言葉にあるとおり、仙台はカウンターを狙うようになった広島に対しても、裏を取られるリスクを承知で前に出た。その結果、79分に仙台のプレッシャーを受けた広島守備陣がバックパスでミスをしたところで「チャンスと見て突っこんだ」と言うウイルソンが、カットからGKもかわしてシュート。再び同点となった。

以後4分間のアディショナルタイムも含めて、仙台と広島の両チームはサイド突破あり、カウンターありの攻防を最後まで全力で続けていった。終盤にも広島側は石川大徳がカウンターから独走したもののシュートはクロスバーを叩き、仙台側は相手のミスを突いた中原貴之のパスを受けたウイルソンがチャンスを迎えたもののオフサイド。スコアは2−2から動かなかったものの、両チームが持ち味を出し続けたなかで試合は終了した。

「3連戦の最後にこんな素晴らしいゲームができた」(手倉森監督)、「見に来てくれたサポーターの方々に満足していただけるサッカーをできたのでは」(森保監督)。どちらのチームにとっても勝点3を取りにいっての勝点1は悔しい結果だったと思われるが、両監督のコメントにはこの試合に対する充実感もこもっていた。水曜日のJリーグヤマザキナビスコカップから中2日という厳しい日程の中でも双方がベストを尽くした結果だった。
この日のユアテックスタジアム仙台を訪れた18,722人の両チームサポーターは、自らの応援するチームをますます誇りに思うようになっただろう。それぞれ地方都市のクラブが、自らの追い求めるサッカーを実現するために努力している。その途上にある仙台と広島が2012年6月30日時点までに積み上げてきたものが披露されたこの一戦は、首位攻防戦の名に恥じない好ゲームだった。

以上

2012.07.01 Reported by 板垣晴朗
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