前節東京V戦、アウェイまで駆け付けた水戸サポーターの歌声はホームチームのサポーターに負けないほどの音量でスタジアムに響き渡っていた。しかしながら、雨が降りつける中、屋根の下に入ることなく、びしょ濡れになりながら声を出し続けた彼らの熱い思いに対して、選手たちはプレーで応えることはできなかった。序盤から相手の勢いに押されて、ミスから2失点を喫すことに。後半、システムを変更してから主導権を握ることができたが、なかなかゴールを割れずにいると、試合終盤には集中力を切らしたイージーミスを連発。戦う姿勢を最後まで貫くことができなかった。昨季から水戸のベースにあった「やり切る」「走り切る」という姿勢が失われてしまったのだ。負けたことよりも、それが問題であった。雨の中、最後まで応援を続けたサポーターはむなしさが募ったことだろう。
失った信頼を取り戻すことは難しい。プレーで少しずつ返していくしかない。まずはホームでの今節、「やり切る」「走り切る」姿勢を貫くことは当然として、水戸の戦いの根幹にある「攻守においてアグレッシブに戦う」姿を見せることが義務となる。自分たちのスタンスを貫いて勝利を手にすることが唯一の信頼回復の方法である。1試合で信頼を取り戻すことはできないかもしれないが、まずは姿勢を示してサポーターに希望を抱かせることが今節の使命と言えよう。
相手は現在2位の湘南。若い選手の勢いを生かしながら開幕から快進撃を続けてきたチームである。ただ、シーズンを折り返して2位につけているのだから、もはや「勢い」とも、「快進撃」とも言えないだろう。まぎれもない実力であるということを結果で示している。一時は8試合勝利なしという状況に陥ったが、その苦境を乗り越えて、現在は5試合負けなしと再び調子を取り戻している。前線から連動したプレスをかけ、ボールを奪ってからスピーディーにボールを動かして攻めるというチームの戦いに揺るぎはない。ただ、試合を重ねるごとに戦い方に柔軟性が出てきているのが今の湘南の強みだ。前からプレスに行くところと、しっかりブロックを作って守備を構える判断力が上がっており、状況に応じた戦いができている。「勝つための厳しさを身につけているチーム」と水戸の柱谷哲二監督が評すように、「勢い」を前面に出していたリーグ序盤戦とは異なり、「勝負強い」チームへと変わろうとしている。前節東京V同様強敵である。
今節に向けて湘南は相当な意気込みで臨んで来ることだろう。前回の対戦で水戸に今季初の黒星をつけられ、そこから8試合勝利なしという苦しみを味わった。“リベンジ”への強い気持ちを持って、Ksスタに乗り込んで来るに違いない。
それを跳ね返す力強さが水戸には求められる。前節は東京Vの勢いに飲まれてしまっただけに、同じ過ちを犯してはいけない。しかも、今節はホームである。相手以上の積極性を前面に出して立ち向かわなければならないのだ。思い出したいのは前回の対戦。当時首位を走っていた湘南に対して、水戸は一歩も引かずに挑んだ。その結果、終了間際に勝ち越しゴールを決めて勝利をつかんだのだ。あのメンタリティーを取り戻す最高の機会となるに違いない。「水戸らしさ」とは何かをもう一度示すチャンスである。
そして、もう一つ水戸が示さなければならないものがある。それは「J1昇格」へ挑む姿勢だ。現在12位ながらも、プレーオフ圏内の6位とは勝点7差。十分射程圏内にある。「全然諦めていない。チームの誰ひとり諦めている選手はいない」と柱谷監督は言い切り、「今節は(上位争いに)再チャレンジするためのゲームだと思っています」と力を込めて口にした。勝点3を積み上げることはもちろん、2位の湘南から勝利を挙げることで大きな可能性を手にすることができるはずだ。前節雨に打たれながらも最後まで歌い続けたサポーターと一緒に笑うことが水戸にとっての再スタートとなる。
以上
2012.07.07 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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