岡山にとって「難敵」というひと言では、表現し尽くせない対戦相手が続く。ひと月前から振り返れば、町田。様々なアイデアでバイタルエリアに侵入してきた。湘南。スピードと決定力があった。甲府。強烈な攻撃陣がいた。京都。主導権を握り、長短のシュート計19本を打ち込んできた。岡山の過去1カ月間の勝敗は1勝2分1敗。この結果に満足はしていないが、いつでもファイトしている。
横浜FCとの前回の対戦は5月3日。岡山は、横浜FCの高さのある2トップ、大久保哲哉、田原豊にボールを収めさせない守備網を敷き、またGK中林洋次が高いポジションでクロスと背後へのボールに対応。守備的踏ん張りがあり、結果、後半22分の岡山・川又堅碁のヘディングゴールが決勝点となり、岡山が1-0で勝利した。
現在の横浜FCは、躍進中という点でJ2の中でも特筆すべきチームである。5月の岡山との対戦後から現在までの10試合で、負けは第19節(6月13日)の大分戦のみ。岡山・影山雅永監督はこう話す。「やってきたことが集団として出来るようになっているんだと思います。元々選手の層は厚く、それがまとまって、攻守で目指すことが高いレベルで出来るようになっている状態でしょう」。
過去数戦で横浜FCの2トップは大久保、カイオが組んでいる。大久保・田原のツインタワーの形とは多少異なり、カイオは下りてきて受ける形だ。大久保は、「素さん(山口監督)が求めるのは、相手に触らせないでゴールまで行く攻撃」と栃木戦後に話している。「ボールを保持しながら前進し、ゴールへと結びつける」という監督の狙い、昨年からの「日本一走り勝てるチーム」という宣言どおりの戦い方をする。その象徴的な選手が左SBの阿部巧で、前回の対戦でマッチアップした岡山のMF石原崇兆は、「これまででもっとも印象に残っている選手です。何度か止められ、何度か抜け出すことも出来た。出場できたら、ドリブルだけじゃなくクロスも使い分けて勝負したい」と話す。
前節、出場停止だったDF後藤圭太は、外から試合を観てこう思ったと言う。「うちは、あと1本、そこが通れば、っていうシーンがすごく多いなって思いました。それで実は安心したんです、可能性を感じたので。今でも必ず1点は取ってくれるし、失点しても追いついてくれる。だから守備は本当に頑張ろうと思いました」。今回は最終ラインに一柳夢吾、後藤、植田龍仁朗と高さのある3人が揃い、はじき返し、カバーし、拾う。同時に、「後ろが攻撃に絡む場面をもっと増やしてもいいと思った」という一柳の動きにも期待したい。
GKのシュナイダー潤之介は、4-0で勝利した前節・町田戦後に、こう話している。「相手がガムシャラに攻めてきたので、仕方ない部分もあるんですけれど、結果としてシュートを打たれた事に関して、もうちょっと締められるところがあるかな?と思う。そこはしっかり修正して行きたい。次節の岡山は、そういう隙を突いて1−0で勝つチームだから、絶対に隙を見せない試合をしたいと思います」。相手チームに照準を合わせ、集中する横浜FCとの戦いは厳しく、面白いものになる。
前からのプレスや球際での戦いなど、ファイトし続ける両チーム。ポゼッションしながら前進し、ゴールを狙う形をどこまで遂行するか、もしくは、どこまでスタイルを崩し、臨機応変なアイデアで挑めるか。一度対戦した相手と再び戦う後半戦だからこそ、相手を先んじて、裏をかいて、勝利を確実に手にしたい。この日のカンスタは「トマト銀行デー」。ファジレッドのフラッグを手にした約1万人の観客が、声援を送ることになる。
以上
2012.07.07 Reported by 尾原千明
J’s GOALニュース
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