夏をまえに8試合勝利から遠ざかっていた湘南だが、現在は引き分けを含めて8試合負けがない。対照的にも見える星取りの、支点となっているのが第17節北九州戦である。雨降って地固まるという形容のごとく、敵地に乗り込み2−3で敗れたこの試合を機に、湘南は次なる進化を結果に表わしつつある。
たとえば、キャプテンの坂本紘司はこんなふうに語っている。「勝てない時期は言われたことをやらなければという思いが強かったかもしれない。いまは第2ステップとして自分たちで判断するプレーが少しずつできているかなと感じる」。とはいえ、「もともと過度に詰め込まれているわけではない」という。「ゲームが終わって振り返ったときに、曹さんは緻密にプランを立てていたんだなと感じることが多い」。
一方、今節BMWスタジアム平塚に乗り込む北九州は、くだんの湘南戦以降、2勝3敗3分と勝ち負けを繰り返している。目下13位となかなか中位を抜け出せない状況にはあるものの、しかし内容的には相手をリードしているゲームも少なくない。90分を通して主導しながらアディショナルタイムの失点によって敗れたホーム草津戦、先制しながら終盤に追いつかれたアウェイ徳島戦と、とくにここ2試合は悔しい展開が続いている。裏返せば、特長のポゼッションを淀みなくゴールに結び、つねに先手を取れれば自分たちのゲームとなろう。なおアウェイ連戦の彼らは今節、宮本亨が出場停止となる。
「中盤でボールを巧く動かせる選手が多い」前回の対戦を踏まえ、馬場賢治は北九州の印象を語る。
「相手はしっかり回せるので、パスを出させないようにする、ボールをしっかり取りきるといった守備のイメージは大事だと思う。僕らはアウェイで負けている。戦術うんぬんよりもメンタルが大事だと思う。前節の山形戦以上の気持ちで臨みたい」
前節の山形戦では前半、アンカーをケアしながらトップ下にもつねに目を光らせ、ゲームを主導した。決着こそつかなかったものの、チームとして遂行したゲーム戦術がスコアレスゲームの一端となったことは間違いない。今節、北九州が同様のフォーメーションを敷くのであれば、守備のイメージは山形戦からそう遠くかけ離れたものではなかろう。無論、コンパクトかつ積極的な自分たちのスタイルが根幹にあることは言うまでもない。
北九州との前回対戦を振り返り、馬場と同じくディフェンス面に触れたのはGK阿部伸行である。「ラインの上げ下げは問題なかったと思いますが、ボールを奪いきれなかった。相手の攻撃の工夫もあったと思います。前からしっかりプレスをかけて、気持ちよくパス回しをさせないようにしたい」。くだんの試合では失点に繋がるミスもあった。とりわけフォーカスしたのは、ミスが生まれたあとの自らの精神状態だったという。かの試合以降続けている鬼神のごときセーブは、自身と向き合ったフォーカスの実りだろう。第1クールの北九州戦はやはり単なる雨模様ではない。
攻撃力に長ける両者の対決である。あえて言えば、0−0からの先制点のみならず、スコアが動いたあとも含めてつねに勝負は次の1点にあるかもしれない。布陣とあわせて、最後まで息のつけない真夏の夜になりそうだ。
以上
2012.07.28 Reported by 隈元大吾
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