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【J2:第26節 甲府 vs 東京V】プレビュー:ジンクスは生きているか。今度の首位攻防戦は泥臭い…かもしれない(12.07.29)

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ロンドン五輪の開会式前から始まっている「なでしこ」と関塚ジャパンの戦いを生で見るだけでも睡眠のゴールデンタイムを犠牲にせざるを得ないが、両代表とも勝利でスタートしただけに今週末も生で観る気満々だがTV観戦も体力勝負。土曜日からは女子バレーや柔道なども始まるから更に大変。実はプロ野球もやっていた…。でも、みなさん、一番大事なものを忘れてはいませんか。山梨県にヴァンフォーレ甲府あっての「なでしこジャパン」であり、関塚ジャパンでもあるし、ザックジャパンも同じ。山梨的には。7月29日(日曜日)は今季3度目の首位に立った東京Vを2位の甲府がホーム・山梨中銀スタジアムに迎えるJ2リーグ第26節。甲府は2節連続で首位チームと対戦する。期待も大きいし、関心も高いはずだが、前節、千葉に勝ったからこその首位・東京V戦。城福浩監督は「自分たちで勝ち取ったステージ。勝てばもっと重要なステージに進める。自信を持って選手を送り出したい」と言う。迷いはない。

そして、今節勝てば誰が見て明らかに首位になるのは甲府。実は、J2で瞬間的に首位に立ったことはあっても節ごとの首位に立ったことがないのが甲府の歴史。「JFK甲府Z」は、開幕戦に勝てないというジンクスを壊してスタートし、引き分けが増えた時期もあったがここに来てクラブ初の首位――節単位ではあるが――を狙える位置に来た。もちろん現場は一時的なことに左右されないが、クラブとして過去に一度もできなかったことに挑戦できることは素晴らしい。おまけに、第16節以降に首位に立ったチームは2分8敗と一度も勝っていないのが今年のJ2リーグ。試合数の少ない第10節までは無視し、第11節以降の首位チームの名前を節ごとに見ると、山形が6回、東京Vが3回、千葉と湘南が2回、大分と京都が1回と、山形を軸にコロコロ。甲府も仲間入りをしたいが、ここで勝って首位に立ってしまうと「次節のアウェイ草津戦は引き分け以下か…」と捕らぬ狸の皮算用をしてしまう。つまり、今節(第26節)はジンクスを信じて戦い、次節(第27節)はジンクスを壊す戦いになるのだ。

もちろん、東京Vに勝った気になっているわけではなく希望、願望、切望。韻を踏んでラッパー気取りではないけれど、甘く見ていないことは強調しておきたい。東京Vは2010年に川勝良一監督が就任して3年目。最初の2年間は5位だったが、独走する体力、腕力のあるクラブがいない今年は大混戦で、東京VにとってJ1復帰のチャンス。現場は一喜一憂していないと思うが、昇格争いの主役のひとりであるのに杉本健勇がC大阪に戻り、背番号10番の小林祐希が磐田に移籍となかなか難しい状況。その一方で柴崎晃誠を川崎Fから獲得した。大変なのは中後雅喜と梶川諒太が出場停止でボランチの人材が不足していること。城福監督は「東京Vは最多得点のチーム。クロスやスルーパスやシュートの精度が高い。リーグでトップクラスのテクニックを持つ選手がいる。出場停止や移籍で選手が替わることがあっても違うパワーを出せるチームだと思う。『相手がベストメンバーじゃないから』という空気を周囲が作ることが一番嫌ですね。それに左右はされないけれど、今節出てくる東京Vの選手もそう言われたくないはずだから難しい」と警戒する。スペインに関塚ジャパンが勝った試合を見てもわかるが、「人のパフォーマンスは心に動かされるかということは過去の経験で思い知らされている。相手に出場停止があろうが、それを『ベストメンバーではない』とは思わない」(城福監督)と、甲府は平常心で臨む。

甲府は開幕戦からの3連勝以来、今期2度目の3連勝を前節の勝利で果たした。しかし、相手よりシュート数が大幅に少ない内容で手にした3連勝だった。以前は相手の2倍のシュートを打ちながら勝てない試合が少なくなかったが、今はその逆。甲府に何が起こっているのか。守備的に戦うことに舵を切ったのではなく、甲府の戦い方の針が攻撃的な方向に振れた後、そこで足りなかったものを習得するために逆に振れただけ。基本的なものは何も変わっていない。今は先発の座を失っている攻撃的MF・堀米勇輝は「(千葉戦で見せた)守備のベースがあった上での攻撃でないと首位には立てない。(石原克哉が見せた)あの守備ができないと僕は試合に使ってもらえないと思う。それを身につけた上で、攻撃面の特徴を発揮してチームの勝利に貢献したい」という。同じく出場のチャンスが遠ざかっているトップ下のテクニシャン・三幸秀稔は、「(石原)克哉さんが千葉戦でやった守備が目標。あれだけ積極的にボールを奪いに行き、連続してプレーすることはお手本。あのプレーを目標にするが、最終的にはそれを僕のスタンダードにして、攻撃面の特徴を活かしていきたい。自分で得点できるようにもなりたい」と、自分たちが起用されない理由を理解して成長に繋げようとしている。今の甲府は大きく振れた針が逆に振れ、もう一度真ん中あたりに戻ろうとしている状況。だから今節は相手の2倍のシュートを打つ戦いになるかもしれないし、相手の半分以下のシュート数の戦いになるかもしれない。ただ、どちらになってもクオリティは高くなっているはず。

理想は、守備のベースを上げたまま相手の2倍以上のシュートを打って勝つことだが後者に関してはやってみないと分からない部分がある。フェルナンジーニョと重松健太郎の加入は相手の倍のシュートを打っても勝てなかったときの攻撃の課題を解決するためのアプローチの一つではあるが、2人とも合流して間もない。シーズン最初からいる選手が「もうちょっと」の足りないをどう埋めるのか。攻撃的なポジションの選手が多いだけに競争が激しくなっているが、彼らの進化がダヴィの成長とフィットすればチームは更に一歩進める。終盤戦に向けて、ここ3節の守備のベースを最低限保ちながら攻撃のクオリティを上げて行くことが出来るかどうかに甲府の昇格が懸かっている。
「『これが首位争いをしているチームの試合か』って思われる内容になるかもしれない」と城福監督は言ったが、お互いにここ数試合はいい内容でなかっただけに読めない部分が多い。それでも、甲府は勝って自信という果実を手に入れる。そのためにも松本戦同様に大勢のファン・サポーターの支援が必要。チームがもう一段の成長を果たすために背中を押してほしい。

以上

2012.07.28 Reported by 松尾潤
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