気温28.8度、湿度72%の中でのナイトゲームは、数字以上に「ヤバイ暑さ」(横浜F・マリノス/富澤清太郎)だった。体力の消耗は至極激しく、この日のサブも含めた平均年齢が、相手より3.82歳も高い横浜FMの方が不利かと思われた。だが、先に足が止まってきたのは清水エスパルスの方。横浜FMの選手たちは、それをズバリ、予想していた。
「相手は後半に運動量が落ちると思っていた。だから、後半に行くぞという雰囲気がチーム内から出ていた」(兵藤慎剛)
同様の趣旨のコメントを試合後、多く拾った。なぜ、そう予想できたのかと言えば、清水は中2日のゲームだったから。ヤマザキナビスコカップ準々決勝・名古屋グランパス戦から、4人のメンバーを入れ替えて当ゲームに臨んだが、後半に入ると息切れしてしまったようだ。
しかし、前半の清水の勢いは、横浜FMの予想を上回るものであったのも事実。「試合前、勢いある攻撃に対して受けに回らないように言われていが、受けに回ってしまった」(小林祐三)。
清水は、両ウイングと両サイドバックが流動的なポジションチェンジを繰り返し起点をつくるサイドアタックに、2列目から飛び出すアレックスが効果的に絡み、何度もチャンスを生む。中でも、右サイドバック吉田豊のオーバーラップは出色。緩急ある動きと縦、中の突破を使い分け、対面の横浜FMの38歳・超ベテラン左サイドバック、ドゥトラとの攻防を制していた。
とはいえ、スタンドが沸くような決定機があったかと言えば、なかったように思う。どこかもう一歩、ゴール前での迫力に欠ける印象を受けたのが、その要因かもしれない。
横浜FMの勝利の立役者を一人挙げるとするならば、奇しくも5月26日の清水戦以来のリーグ戦先発出場となった大黒将志だろう。試合開始1分に見せた、大黒らしからぬ“守備”でのプレーが印象深い。清水のワンボランチ杉山浩太にボールが入ると、猛然と追って激しいチャージで、ボール奪取。これ以外にも大黒が杉山など、清水の配球源にプレスを掛けたことで「サイドハーフは連動できた」(兵藤慎剛)ため、高い位置からの守備が実践できた。
66分の先制点の場面も、この日MFの位置に入った小野裕二が、高い位置で相手のミスパスを狙って奪い、そこからマルキーニョスのゴールが生まれたと言える。
大黒は“本職”でも力を発揮。「あれは大黒にしかできないワザ」(中澤佑二)という、元イタリア代表インザーギばりの裏への飛び出しから、75分にゴール。富澤のスルーパスを受けてGKをかわし、無人のゴールに流し込んだ。85分には兵藤慎剛がPKで加点し、終わってみれば3−0。横浜FMが中村俊輔、齋藤学の不在を感じさせない快勝を収めた。
なお、これで両チームのリーグ戦での通算対戦成績は、18勝10分18敗のイーブンとなった。
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2012.07.29 Reported by 小林智明(インサイド)















