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【J1:第19節 川崎F vs 大宮】レポート:劣勢のチームを救った中村憲剛の活躍で、川崎Fが逆転勝利。大敗の大宮は守備的な戦いへと転換か?(12.07.29)

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チームを救ったのは、やっぱり中村憲剛だった。0−1で進行した試合が前半のアディショナルタイムに突入した45+4分のこと。左サイドの山越享太郎からのクロスは一旦DFに跳ね返される。しかしこのこぼれ球に反応した中村のシュートが大宮のゴールネットに突き刺さった。試合を振り出しに戻すゴールとなった。

試合は、大宮がリードを奪う展開だった。前半19分。左に流れたカルリーニョスからのクロスをペナルティエリア内の長谷川悠が合わせた。誰もが息をのんでボールの行方を見送り、そして一拍おいてゴールネットが揺れた。

4試合連続無得点という不名誉な記録を作ってきていた川崎Fに、この1点は重しになるのだろうと思われた。というのも、この大宮戦はそれまでの時間帯で内容がよくなかったからだ。川崎Fがボールを保持する時間は長かったが、相手ゴール前には容易には入れなかったのである。14節の鳥栖戦の頃から表出してきていたように見えるその現象について、試合後の風間八宏監督は「“いつ”というのがものすごくルーズだった」と説明する。ここで言うところの“いつ”というのは、動き出すタイミングのことを指す(ものと思われる)。すなわち、チームとしてボールはキープできる。そうした前提に立った上で、本当にもらうべきタイミングよりも早めに動き出してしまっていたと説明するのである。そしてそのタイミングのズレを修正すべく川崎Fはこの2週間を費やしてきた。その結果として、受ける位置やタイミングに関しては改善が見られたと風間監督は口にする一方、それでも前半は相手を攻め崩す場面は少なかった。
だからこそ、中村が唐突に決めた同点ゴールの意味は大きかった。点が取れていなかったことに対するストレスがあったという中村が吠えて喜びを表現し、そして大宮が試合を再開させた直後に前半終了の笛が吹かれた。川崎Fにしてみれば願ってもないタイミングでの同点ゴールとなった。

このゴールによって無得点の呪縛を解いた川崎Fは、後半開始直後のファーストプレーでチャンスを掴む。自陣の深いポジションから山越がボールを持ち出すと、風間宏矢へとパスがつながり、最後は小林悠がエリア内で倒されてPKを手にする。このPKを小林が自ら決めて逆転に成功。後半開始早々の47分のことだった。楠神順平はこの連続ゴールについて「前半のあのタイミングで(中村が)取ってくれて、いい流れで行けましたし、(小林)悠が後半すぐに取ってくれて流れが良くなった」と振り返る。

1点を追いかける展開となった大宮に対し、川崎Fは攻撃が機能し始める。トップ下のポジションで先発していた風間宏希と、ボランチの中村が前半30分頃からポジションを代えるようになっており、これが効果を見せはじめたからだ。また下平匠が説明する「後半は点を取りに行こうとして前がかりになって、バランスをくずしてやられてしまった」という側面もあった。
大宮が攻守のバランスを崩していた、というと言い過ぎではあるが後半69分の川崎Fの3点目は、縦パス1本で局面が変わっている。川崎F陣内でプレスを受けた田中裕介が縦パスを風間宏矢に入れると、これがそのまま決定機となる。
田中裕介からのパスを受けた風間宏矢がGK江角浩司をかわしてマイナスのクロス。フォローしていた中村のシュートはミートしなかったが、結果的に楠神へのラストパスとなりゴールに。この2分後の71分には途中交代出場のレナトが前に掛かろうとした大宮からボールを奪い、ドリブルシュートを叩きこんで4点目を奪った。

1点ずつ返したかった大宮は、73分にCKから菊地光将がヘディングシュートを放つが、ポストに阻まれるなどしてゴールには繋がらず。ベルデニック監督はその73分に新加入のズラタンを投入して反撃を試みるが、何度かあった左サイドからのクロスは決定機を作るまでには至らなかった。試合はそのまま4−1で終了した。

6月30日の神戸戦以来、約1ヶ月ぶりの等々力での試合に臨んだ川崎Fは、連続無得点記録を4で止めるとともに、5月26日以来の等々力での勝利をサポーターにプレゼントした。大量4得点を上げるという試合展開と共に、風間宏希、宏矢の風間兄弟がJリーグのデビュー戦をそつなくこなし、山越が初先発フル出場の試合で2点に絡むなど幸先の良い働きを見せている。ただし、この結果に対し両手を上げるのは控えたい。大勝では糊塗できない前半の悪さは見直しが必要である。
一方、大宮のベルデニック監督は試合後の会見の冒頭「攻撃的な戦い方、より我々のプレーする時間を(長く)ということで、組織的に守備をしながらということを考えていました。相手よりも1点でも多く取るのが目的でした」と述べる一方、結果的に大敗を喫した事実を受け「こういう戦いを改善するにはよりディフェンシブな戦い方を考えなければならないかもしれません」と述べている。場合によってはこの試合が、大宮の戦い方を変革する契機となる可能性がある。そういう意味で、今後の戦い方に注目したい。

以上

2012.07.29 Reported by 江藤高志
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