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【J1:第19節 札幌 vs 名古屋】レポート:札幌が5/3以来の2勝目!新戦力のフィットで今後の躍進に期待も。主軸を複数欠いた名古屋は好機を作り切れず(12.07.29)

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6分という長いアディショナルタイムが過ぎ主審の笛が鳴り響くと、札幌厚別競技場のスタンドは大きく沸いた。札幌は5月3日(9節 C大阪戦)以来の勝利を挙げ、連敗を9でストップ。チームにもその周囲にも、笑顔の輪が広がっていた。気温27.4度という暑さで、前半途中の時点でベンチ前にあるドリンクボトルのほとんどが空になってしまうほどの難しい条件だったが、ホームの札幌が地元ファンの前で粘り強い戦いを演じてみせた。

この試合での札幌は思い切った策を敢行した。夏のウインドー(移籍期間)で獲得したハモン、テレ(ともにブラジル)、金載桓(キム・ジェファン/韓国)という3人の新外国籍選手を一気に先発起用。どの選手も合流間もないことを考えると、負けが込んでいるチームにメンタル的にフレッシュな選手を加えることで、チーム内のムードを変える狙いもあったはずだ。
対する名古屋のほうは永井謙佑をロンドン五輪で欠いているのに加え、ケネディ、玉田圭司、ダニルソンなど複数の主力選手が負傷で離脱している。特に攻撃的なポジションが薄くなっていることもあって、25日のヤマザキナビスコカップ(清水戦)に続き本来はセンターバックの田中マルクス闘莉王を3トップの中央に置く布陣を採用した。

そうして始まった試合は、まずは名古屋がボールをコントロールする展開に。中盤の底でプレーする田口泰士がシンプルに左右へ展開し、そこからのクロスを闘莉王へと合わせるシンプルなやり方で札幌を押し込んでいく。
しかし、この攻撃に対して札幌は最終ラインが体を張った守備で対応。「特にジェイド(・ノース)は集中していた」(石崎監督)が振り返ったように、センターバックがしっかりと跳ね返し、逆サイドからのクロスで闘莉王がサイドバックと競り合うミスマッチになった場面でも粘り強く体を当てて自由な折り返しを許さない。その上で札幌は金載桓が積極的にラインをプッシュアップし、名古屋のパワフルな攻撃に対しても臆することなく対応ができていた。

名古屋はサイドからのクロスによる攻撃はテンポよく繰り返していくが、バイタルエリアで足下にボールを収めるプレーができず、次第に攻撃が淡泊なものになっていく。中央での縦パスなどを織り交ぜていけば攻撃の緩急も生まれただろうが、それができず、試合のリズムは徐々に移り変わっていく。札幌がカウンターでチャンスを作り出すようになっていった。
その立役者はトップ下に入ったハモンだ。試合の立ち上がりは細かなミスや、周囲との連係不足が露見していたが、20分ほどが過ぎると次第にいい形でハモンがボールを持てるようになり、この選手の高いパス能力で攻撃にアクセントがつくようになっていったのだ。そうすることでハモンへの警戒が強まり、その周辺でプレーする古田寛幸、岡本賢明がフリーになれる。1、2人程度のマークならばハモンは苦にせず打開できるため、札幌には勢いが生まれてきた。そして55分。岩沼俊介が自陣での素早いリスタートからハモンにパスを渡すと、そのまま縦に持ち込んでカウンターに。そこからの絶妙なスルーパスを受けた山本真希が持ち込んでゲットして札幌が先制点を奪う。

名古屋はその3分後にセットプレーからすぐに同点とするものの、流れのなかからの攻撃についていえば、どこかアイデアを欠いていた感は否めない。闘莉王のエアバトルは精度も迫力もあるし、バイタルエリア付近で左右に広くボールを展開できるクオリティは見事と言うしかない。ただし、そこから縦へ勝負するプレーにパワーが足りず、札幌の守備を崩しきれない。水曜日にヤマザキナビスコカップを戦ったこともあり、ここの疲労も残っているのだろう。そういうときこそベンチワークでリズムに変化をつけたいところだったが、途中出場に選手も違いを作り出すことができず、いまいちしっくりしないまま時計の針を進めてしまった。
それに対し札幌は榊翔太、上原慎也、内村圭宏という縦へのスピードを持った選手を立て続けに投入し、石崎信弘監督は攻撃の狙いを明確にしていった。そして92分に、上原が得意のヘディングで決勝点を挙げるという劇的な展開で試合の幕を閉じることに成功している。

札幌にとっては、この勝利が持つ意味は大きいというしかない。新加入選手を思い切って起用し、それでも結果が出なければ「また負けてしまったか…」というメンタルをより強く引きずってしまった可能性もある。そうしたなかで結果を出したことは非常に意義があるし、内容に目を向けても、多少のマークならばビクともしないハモンを中心に攻撃を作り出すという明確な形を身につけることができた。ここからどのように巻き返すのか、注目が集まるところだ。
一方の名古屋は、やはり主軸を複数欠いたことが響いたことは間違いないだろう。その状況下でも質の高さは随所に出していたわけで、そこに変化をつけられる主軸がひとりでも起用できていれば状況は違ったかもしれない。次節までにどれだけの選手が復帰できるか、ひとまずはそこがポイントになりそうだ。
次節、札幌は敵地でC大阪と、名古屋はホームで神戸と対戦する。

以上

2012.07.29 Reported by 斉藤宏則
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