結果は快勝。大学生に2年続けて敗れた過去(2008年は国士舘大学に、2009年は鹿屋体育大学に)もあってあまりいいイメージのなかったこの天皇杯だが、徳島は5ゴールという大量得点でファジアーノ岡山ネクスト(以下岡山NE)の挑戦をきっちりと退けた。「全体的にはカテゴリーの違う相手とやる怖さを上手く受けることなく戦えたなと思います」と小林伸二監督も語ったが、その言葉通り選手たちは立ち上がりから積極性を持ってプレーし、それによって3回戦へ駒を進める勝利を得たと言えるだろう。
しかし、細かな内容に目をやると、決して最初から全てが良かったというわけではない。
徳島は予想通り立ち上がりすぐから高いボール支配を見せるが、繋ぎの中で時折イージーなパスミスを発生させてしまう。11分にはそれによって岡山NEの山本拓矢にドリブルで進まれミドルを許したり、続く15分にもそれでボールを失うと深い位置まで侵入され、そこでのロングスローからシュートを浴びたのである。いずれの時も放たれたフィニッシュが枠を捉えなかったためチームは事なきを得たが、それでも序盤のそうしたプレーは見過ごすことの出来ない反省部分。選手たちはマズかった点として認めざるを得ないはずだ。
さらに攻撃の仕上げどころにおいても徳島は少々ピリッとしない顔を見せてしまっていた。中盤で幅広く展開して岡山NEの守備を揺さぶり、たびたびペナルティボックス内へ侵入するも、チームはそこでさらに細かいことをやろうとして何度か自らチャンスを潰したのである。33分にセットプレーを活かし先制点を奪えたためそうした失敗の印象も薄れたが、もしそれが無く前半をスコアレスで折り返して岡山NEにやれるという意識を持たれていたなら、徳島はその後それらの場面を大いに悔やむことになっていたかも知れない。
とは言え、後半それらを改善し攻勢をさらに強めたことは高く評価出来よう。もちろん前半からの圧倒的なポゼッションがボディブローのように効いて岡山NEの選手たちの足が動かなくなったこともあるが、それでも徳島は間違いなくパスワークに精度を増し、何よりフィニッシュのタイミングを逃さないようになっていた。事実、左45度から決めた津田知宏の2点目も、中距離から突き刺した濱田武の勝負を決定付ける3点目も、コースを見付けた瞬間に迷わず射抜いたもの。「このレベルだとやはりそういうところ(コミュニケーションのズレでボールに行けなかったところ)を許してくれない」と岡山NEの眞中幹夫監督も悔やんでいたが、前半ならもうひと手間掛けていたところを個々がしっかりシュート最優先の意識へ切り替えたことでそれらのゴールが生まれたのは間違いない。
いずれにしてもこうして徳島はJ1・川崎への挑戦権(3回戦)を手にした。ただこの一戦は次へ駒を進める結果を出すこととともに、残りのリーグへ繋げる内容も求められた非常に重要な戦い。そこでその視点からもチームを追うと、最も注目であったサイドでのグループ連携がその質の高まりを感じさせたことは大きな収穫と言っていいのではないか。特に右サイドは、流れる津田やドウグラスに太田圭輔、平島崇が高い位置で絡む形を継続して披露。またボランチの青山隼もがタイミングよく飛び出し太田を追い越すなど変化も付けて、今後の武器となり得る姿をハッキリと示していた。
また付け加えれば、那須川将大が得意とするブレ球FKで移籍後初ゴールを記録したこと、これまで何度かの決定機がありながら徳島での初ゴールがお預けとなっていた太田もがネットを揺らしたことは、チームにとって小さくないプラス要素だ。今日の一発によってこれまで以上の精神的ノリを出すに違いない彼らはきっと迎えるリーグ大詰めでチームに前進するパワーをもたらすであろう。
最後に、敗れた岡山NEについても触れると、立ち上がりすぐから押し込まれたことで全員が思い切り良い姿勢を出せなかったように思われてならない。本来ならチャレンジ精神を全面に出し、90分にわたってそれをぶつけ続けなくてはならなかったのだが…。そしてもし序盤からそれを実践していたら勝負をもっと際どいものに出来ていたように思われる。実際、もう後がなくなった終了間際、前への意識を強めてプレーしたことで徳島のゴールを見事破ったのだから。それだけに今後成長を目指すにおいての一番の課題はおそらくメンタル面。そこを磨き上げた時には十分Jクラブとわたり合える組織になれるだろうし、選手個々としても飛躍を手に入れられるはず。ぜひこの敗戦を貴重な糧として進化を遂げてもらいたい。
以上
2012.09.09 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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