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【第92回天皇杯 2回戦 東京V vs HOYO】レポート:J1昇格へつなげ!高橋監督代行初陣飾った東京Vは公式戦6試合ぶりの勝利。スタイル貫きつつもHOYO大分は初のJクラブ撃破叶わず。(12.09.09)

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口にはせずとも、スタンドのサポーターへの挨拶で見せた東京Vメンバーの笑顔は、誰もがどこかしらに安堵感を抱いているように映った。電撃の監督交代発表からわずか中1日で迎えた高橋真一郎監督代行の初めての試合を勝利で飾った東京V。「きっとこれで、チームの雰囲気も少しは明るくなると思います」小池純輝の言葉が示すように、Jリーグと天皇杯、大会は別としても、ここ5試合勝利から遠ざかっていたチームにとってこの“一勝”がもたらしたものは非常に大きいといえよう。

試合後の会見でも語った通り、高橋監督代行がチームを率いてまず取り組んでいるのが、「今季途中まで良かった時期のサッカーを取り戻すこと」である。実は、これは先週のリーグ戦で敗戦をうけたことによって、辞任する前の川勝氏と共に今後修正していこうと着手し始めていたことでもあるのだ。
そして、その意図は、今季これまでずっと東京Vを観ている者には明らかに伝わってきたのではないだろうか。

注目されたメンバー構成。ボランチに梶川諒太、左サイドバックに和田拓也、そしてFWには「(先発でのFW出場は)レッズのとき以来」の小池純輝を先発起用し、最初の“高橋色”を出した。
「前半はやろうとしたサッカーはできなかった」と、新指揮官は口にしたが、それでも変化ははっきりと見えた。明らかに、右サイドバック・森勇介の位置が高くなったのだ。もちろん、それが全てでは決してないとはいえ、東京Vが自分たちのサッカーを楽しめるときは必ず森が前線でのボール回しに絡んでいるのである。ところが、ここ最近は攻撃に転じたところでの中盤でのボールロストが多かったため、カウンターを恐れてどうしても思い切った攻撃参加を控えざるを得なかった節がある。
だが、この試合は久しぶりに森が前線で躍動した。チームの攻撃の際には、相手陣内の高い位置に一人張り出し、左サイドや中央で作ったところからの大きなサイドチェンジをフリーで待っている姿が何度も見られた。また、ボールを持てば迷わずドリブルで上がり、状況によっては鮮やかなダイレクトパス交換であっさりと相手を抜き去る、西との絶妙なコンビネーションで会場を沸かせた。一言で言えば「遊び心がある」、いかにも“ヴェルディらしいサッカー”を感じることができた場面でもあったと言えるのではないだろうか。
その森、そして逆サイド和田の両サイドバックのオーバーラップを生かすためには、飯尾、西の中央に入る動きも欠かせなかったが、どちらもしっかりと中に入り、中央での細かい縦パスを通してエリア付近でシュートを狙うという、好調時に得意としていた形がようやく見られるようになった。
こうした“改善”のすべてが凝縮されていたのが、2点目の飯尾のゴールだった。中後、西、阿部拓馬、西と中央で縦に細かくつなぎ、右の森へ振る。受けた森がドリブルで中に切り込み、ペナルティアーク内でフリーとなっていた飯尾へ。迷わず狙ったミドルシュートがHOYO大分ゴールに吸い込まれていった。「流れから奪えた2点目は、これからにつながる理想的なゴールだったと思います」中後は、自らがアシストした1点目、3点目のセットプレーからの得点以上に、パスをつないで崩し、チームとして流れから決めた2点目のゴールを高く評価した。

ショートコーナーからの先制点もまた、勝利のポイントとなったに違いない。決めた梶川が語った。「ボールが持てる試合は少なくない。でも、長く持っていてもそこでなかなかゴールが入らないで焦ってしまうのがヴェルディの良くない時」。この試合でも、ボール保持は前半から東京Vに分があった。だが、「ミスが多かった」と、高橋監督代行も語ったように、ラストパスでの連携ミス、個人レベルでのトラップミス、判断ミスなども重なったこともあり、なかなかシュートに結びつけることができないでいた。「またいつものパターンになりそうだったところを、カジがよく点を取ってくれた。あれが大きかった」先発としてアピールチャンスを与えられている小池も、勝利への道標を作った親友の先制ゴールに賛辞を惜しまなかった。

この試合、もう1つ“高橋イズム”が見られた。
後半のピッチへ向かう出場選手たちに、スタンドからいつも以上に大きな拍手と、そして歓声があがった。「しょ〜や〜、頑張れ〜!!」。東京Vユース所属の第二種登録選手・中島翔哉が待望のトップデビューを果たした。今季トップチームのキャンプも帯同し、リーグ戦でも2試合ベンチメンバー入りさせるなど、川勝前監督もその実力を非常に高く認めていた逸材である。
「人一倍努力をする奴で、メンタル的にも非常に強い。こういう試合に途中から入れても必ずいつものプレーをしてくれるだろう」と期待すると同時に、恐らく今後の成長を促そうとの未来へ向けた起用でもあったはずである。それでも、左サイドに入った前線の選手として決して後ろ向きな球出しをしない中島らしさは大いなる効果を発揮した。また、周りに物怖じせずチャンスと見れば積極的に放つ精度高いシュートも、今後に大きな期待を抱かせるものだった。「まだまだだけど、ボールを取られる回数も少なかったし、彼のところがスイッチになってみんなが動き始めたところもありました」と、高橋監督代行も及第点を与えた。

とはいえ、中島の効果もあって後半は圧倒的に主導権を握りながらも、アディショナルタイムにセットプレーでようやく1点を加えただけに終わってしまったことは、相手のレベルを考えると決して楽観視はできない。まして、「ケツさん(川勝前監督)がこの2年半をかけて土台を作ったチームをさらに進化させたい。もっと点が取れるチームにしたい」と、会見でも今後の豊富を明言している以上、特に得点に関しては、さらに追求していく必要がありそうだ。

初の2回戦突破を果たしたHOYO大分だったが、Jの壁を打ち破ることはできなかった。ただ、「相手が東京Vということではなく、我々が普段からやっていることをしっかり出していこう」と、真っ向勝負を挑み、特に前半は何度か決定的なチャンスも作り出せていた。福満隆貴、堀健人のダイレクトパスをつないでのシュートなど、鮮やかともいえるプレーに東京Vサポーターも湧いた。好調・中嶋雄大のシュートなど東京Vゴールを脅かす惜しい攻撃も見られたが、後半は明らかにプレスがかからなくなり、力の差がくっきりと現れるようになった。特に攻守の切り替えの部分、「ボールを奪った瞬間のサポートとか細かなポジションのところ」(結城治男監督)の差が大きく、後半は結局チャンスらしいチャンスは作れないまま終わった。「そういうところを修正して、JFLのリーグに向かいたいと思います」1つレベルが上の相手から得た教訓を、これからのチームの強化へとつなげていく。そして、来年またこの舞台でリベンジを果たしたいところだ。

東京Vにとっても、来週からまた過酷なJ1昇格争いが待っている。この試合で価値ある2点目を決めた飯尾は、試合後たった一言「先週決められれば良かったです。本当に・・・」とだけ言い残している。もう二度と、誰一人として同じ言葉を繰り返さないようにするためにも、もっと勝って、もっともっと強いチームに成長していくしかない。元指揮官を思うならば、立ち止まっている時間は、今はもうない。『J1昇格』を成し遂げることだけが、苦渋の決断を下した恩師への唯一無二の感謝の証なのだから。

以上

2012.09.09 Reported by 上岡真里江
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