今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【第92回天皇杯 2回戦 柏 vs 柏U18】レポート:柏の未来を感じさせた至福の90分。史上初の“兄弟対決”はトップチームが順当勝ち(12.09.09)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
つい先ほどまで真剣勝負を繰り広げた両チームが、ともにスタジアムを一周しながら、黄色一色のスタンドに挨拶をして回る。親善試合ならいざ知らず、公式戦の場では滅多に目にすることはできない不思議な光景だった。

そんな不思議な雰囲気は、すでに試合前からスタジアムに充満していた。アウェイ側の柏U-18がピッチに現れると、彼らはホーム側ゴール裏へ挨拶に行き、サポーターは拍手で出迎えるとともに、U-18の選手1人1人の名をコールする。92回という長き歴史を誇る天皇杯でも史上初となる“兄弟対決”。柏のサポーターからは、ここまで勝ち上がってきた“弟分”、柏U-18へのリスペクトの念が強く感じられた。

だが試合が始まれば、「レイソルはこの大会でも勝たなければいけない。今まで通りの準備を進めてきた」(ネルシーニョ監督)というように、そこはやはり真剣勝負に違いはない。U-18のボールポゼッションを無効化させるべく、大谷秀和は中川寛斗、栗澤僚一は小林祐介に対し球際では激しくぶつかり、潰しにかかる。しかも「彼らはものすごく緊張していた。足がガチガチだった」と話す下平隆宏監督の言葉通り、極度の緊張感に捉われたU-18は動きが鈍く、明らかに本来の切れを欠いていた。そして14分、ネット バイアーノとのダイレクトヒールのパス交換から、レアンドロ ドミンゲスの丁寧な左足インサイドキックが決まり、トップチームが先制した。

次第に緊張の解れたU-18は、ようやくらしさを発揮する。トップチームがU-18のパサー秋野央樹へのマークをルーズにしていたため、前線の木村裕、吉川修平がゾーンの間の顔を出して秋野からのパスを引き出し、さらにそこから瞬間的に大谷と栗澤のマークを外した中川や小林とのダイレクトパスの交換で、テンポの良い攻撃を奏でていく。19分の中川から吉川、25分の木村から吉川と、マーカーを引き剥がしながら縦パスを入れて右サイドを崩した展開は、U-18の得意とするポゼッションを垣間見せた象徴的なシーンである。29分には、木村の蹴ったゴール正面右のフリーキックがバーを直撃するなど、ゴールまであと一歩のところまで迫った。

ところがペースを握りかけたのも束の間、「レアンドロは少ないチャンスでも確実にモノにする」と下平監督が舌を巻いたトップチームの“キング”の決定力が再び炸裂する。ジョルジ ワグネルからのパスを、右足ダイレクトで綺麗に合わせネットを揺らす。レアンドロの2ゴールで、トップチームがリードを広げた。

後半、U-18が相手とはいえ、全く手を抜く様子を見せないネルシーニョ監督は「もっと大胆に攻撃を仕掛けたい」という意図から藤田優人と澤昌克を投入。2トップの並びも縦関係に変え、トップ下の澤には前半に自由を与え過ぎていた秋野をマークするタスクを与えた。そして、やはりこの交代が的中する。藤田のフィードに対し、巧みにディフェンスラインの裏を抜け出した澤が、GKとの1対1から冷静にニアサイド頭上に叩き込み、3−0とした。

起点の秋野を消されたことに対して、下平監督は「想定内だった」と振り返っている。そこで中盤の伊藤光輝を投入し、秋野を最終ラインに下げて起点を作ることで、その状況を打破しようと試みた。ただ、プロとの真っ向勝負は普段より体力の消耗が激しく、65分過ぎからはU-18の選手の中に足をつらせる者が出始める。

3−0と、勝敗の行方がほぼ決したというのもあっただろうが、主に後半の柏サポーターはU-18の方へ多くの声援を送り、試合終盤のセットプレーのチャンスの際は、ホーム側ゴール裏のサポーターから「ゴール、ゴール、柏ゴール!」と、アウェイチームのゴールを期待するコールさえ起こった。その声に後押しされたのか、90分のコーナーキックではこぼれ球から平久将土に絶好のチャンスが訪れる。しかし、この決定機もトップチームの守護神・菅野孝憲がファインセーブでストップ。プロのゴールを破ることがいかに困難なものか、U-18の選手たちは痛感したことだろう。

試合は3−0という順当な結果でトップチームが勝利を収めた。「真剣勝負の場でトップとユースが試合するというのは、ユース出身の僕からしてもうれしい。レイソルの育成がうまく進んでいるということだと思う」と大谷は、後輩たちの頑張りと努力が実現させたこの対戦を大いに喜び、試合終了後に全選手がスタンドのファン・サポーターへ挨拶に回る時には、トップチームのキャプテンはU-18の列の中に入り、後輩たちと会話を交わしていた。

結果的に見れば天皇杯2回戦を突破した、ひとつの勝利に過ぎない。だが、大谷の言葉にもある通り、天皇杯史上初の“兄弟対決”は柏の育成が順調に進んでいる証でもあり、この試合の前まで公式戦3連敗中と、トップチームは決して良い流れではなかったが、「下のカテゴリーに良い選手がいることは、レイソルの将来のプラスになる」(レアンドロ)と、柏というクラブにとっての明るい未来を大いに感じさせた歴史的な一戦だった。それを目の当たりにしたサポーターも、おそらくこの上ない幸福感を抱き、帰路に着いたのではないだろうか。

以上

2012.09.09 Reported by 鈴木潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1百年構想リーグ EAST 第1節
2026年2月7日(土)13:30 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2026/02/07(土) 00:00 ハイライト:横浜FMvs町田【明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド EASTグループ 第1節】