アビスパ福岡(以下、福岡)が2回戦で戦う相手は大学サッカー界の強豪・福岡大学(以下、福大)。カテゴリーは違っても、それぞれ福岡を代表するチーム同士の戦いは、地元サッカーファンにとっては見逃せない対戦。併せて、福岡に福大OBが5人在籍していることや、前田浩二監督が学生時代に九州選抜に選ばれた時の監督が乾監督であったこと、福大は過去2度もJリーグを破るジャイアントキリングを達成していることなど、様々な要素が加わった対戦は、いつもとは違った独特な雰囲気を伴ってキックオフの笛を聞いた。
結論から先に言えば、福岡がプロとアマチュアの差を見せた試合だった。何の前触れもなく、しかもミスがきっかけになってあっさりと2失点したシーンは、リーグ戦のリプレイのようなシーン。また、「自分自身でプレッシャーを抱えてしまい、何人かのメンバーが変わっていたこともあり、自分たちがやるべきことというのは長い時間続けることが出来なかった」と前田監督が振り返ったように、福岡に課題は多く見られた。しかし、ここぞというところの決定力や、細かなポジショニング、切り替えの速さなど、ディテールの部分で福大を上回った福岡は、結果としては4得点。「急所、急所の守備で危ない場面をしっかり押さえるというところや、練習試合と今日の試合では集中力が違ったし、ここ一番というところで城後が仕事をしているところとか、プロとアマの差があった」と乾監督は話す。
まず、最初のポイントになったのは先制点だった。それは7分、互いに主導権争いを演じ、どちらの時間帯とも言えない場面で生まれた。福岡は、こぼれ球に木原正和が鋭く反応すると、その瞬間にギアチェンジ。木原から岡田隆、そしてオズマールへと速いテンポでボールを回し、持ち味のスピードで福大DFを振り切ったオズマールがゴール前へと送る。そこへ飛び込んてきたのは城後寿。一瞬の動きで福大DFの前のスペースを陥れて右足で合わせた。「速さとか、レフェリングの基準に馴染む前に取られてしまった」。ジャイアントキリングのためには先制点を欲しかった福大にとっては誤算とも言える失点だった。
そして、勝負を決定づけたのが福岡の2点目だった。
先制点を失った福大だったが、その後は、高い位置からプレスをかけて積極的なサッカーを展開。パスミスを繰り返し、オズマールと城後にボールを送る以外に攻め手を見つけられない福岡から主導権を奪っていた。そして、徹底的に狙っていた右サイドを起点とする攻撃で41分に同点に。その直後には、清武功輝のシュートがゴールポストを叩くなど、この時間帯は完全に試合を支配していた。だが、ここでも一瞬のプレーが勝負を分けた。時間は44分。勢いづく福大の隙を突いて、福岡は右サイドへ展開。「オズマールが相手をつって城後がフリーになったのが見えた」という和田のクロスを、城後が右足ダイレクトで合わせた。「前半も残り少ない時間帯。その時間の使い方、そこのところの詰めの甘さがもったいなかった。あの2失点目が勝負の分かれ目」(乾監督)。まだ残り時間は45分。しかし、福岡は、この2点目で大きく勝利を手繰り寄せた。
福岡を落ち着かせてしまっては、さすがに福大に勝ち目はない。後半立ち上がりから積極的にゴールを目指すものの、決定機を作ることが叶わない。そして福岡は、59分にセットプレーからオズマールが頭で合わせて3点目をゲット。さらに71分には、途中出場のサミルが来日初ゴールを決めて福大を突き放した。最後まで諦めない福大は76分に1点を返したが、前半からのハードワークの影響もあって反撃もここまでだった。それでも、「積極的なサッカーが出来た。前線で清武が収めて起点になって互角以上に戦えたところもあったので、十分に収穫はあった」と話したのは乾監督。福大が自らのポテンシャルの高さを示した試合でもあった。
さて、勝利した福岡は、次のラウンドに駒を進めるという目的は果たしたものの、2つの失点シーンをはじめ、課題は随所に見られた。福大との間にはプロとアマチュアの差を見せたが、決して、チーム状況が好転したわけではない。「失点は無駄な失点だった。少し相手に合わせてしまって失ったが、あれを無くしていかないと、リーグ戦ではもっと失点を喰らう」(城後)。今シーズンも残す試合はリーグ戦の10試合と天皇杯。何かの収穫を手にするためには、まだまだ積み上げなければならないものは多い。
以上
2012.09.10 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
一覧へ【第92回天皇杯 2回戦 福岡 vs 福岡大】レポート:これがプロとアマの違い。内容に課題を残すも、福岡が順当に福岡大学を下す(12.09.10)
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