２週間ぶりのJ1リーグ戦。ガンバ大阪はホーム・万博記念競技場にアルビレックス新潟を迎える。

G大阪が得失点差で１つ上の順位にはいるものの、勝点では同じ24でん並ぶ両者。J1リーグも今節を含めて残り10試合となった今、この直接対決が今後の『残留争い』の明暗を分けることは間違いない。その気迫が真っ向からぶつかり合うことになるだろう。

ガンバ大阪は直近の天皇杯2回戦・関西大学戦をややメンバーを変更して挑み3-0と完勝。センターバックでDF今野泰幸とDF岩下敬輔のコンビを試したり、層の薄い左右サイドバックで若手を起用したりと、様々な試みをしながら手にした白星は今後のJ1リーグ戦にとってもプラス効果が期待できるものだった。加えてリーグ戦での先発出場が続いていたFW佐藤晃大やMF二川孝広、MF倉田秋といった主力を温存したことで、コンディション的に万全な状態で新潟戦を迎えられることもプラス要素の１つ。ケガで離脱していたFWレアンドロの戦列復帰の可能性が高まっていることも含めて、満を持しての新潟戦になりそうだ。
「気候も涼しくなってきただけに、コンディション的にも万全です。この試合の重要性はしっかり理解しているし、絶対に勝ちたい。前節の鳥栖戦のように先手をとられると守備を固められてより戦いが難しくなる。そうならないように、まずは失点しないことを意識しながら、ここ最近、リズムの良くなって来ていた攻撃力をしっかり発揮できるようにしたい（MF二川孝広）」
「天皇杯を１つ休めたことでコンディションはとてもいい。前節、悔しい思いをした分、この試合で挽回したい。ここから先の10試合は、どの試合も勝たなければいけない試合だし、一戦一戦をトーナメント戦のような気持ちで戦わなければいけない。その上で勝利を手にするために、自分のすべてを出し切ってチームに貢献したい（FW佐藤晃大）」
この一戦ではFWレアンドロの先発復帰だけではなく、右サイドバックDF加地亮のメンバー入りも濃厚。今週のトレーニングから完全合流を果たしているDF加地について松波正信監督は「当然彼の復帰は戦力アップのためのプラス材料ですから。今週のトレーニングによるリバウンドがなければ、試合に絡む可能性もある」と示唆しており、ベンチ入りは間違いなさそう。試合展開にもよるが、仮に彼を右サイドバックに据えた場合、天皇杯・関西大戦で試したように、センターバックにDF岩下を動かすことも考えられそうだ。

対する新潟も天皇杯・２回戦、サウルコス福井戦を2-1で辛勝。こちらも直近のJ1リーグ・セレッソ大阪戦とはややメンバーを入れ替え、GK小澤英明、DF川口尚紀が今季初先発。また、ここ最近のリーグ戦ではサブに回ることの多かったDF大井健太郎もスタメンを飾るなど、フレッシュな顔ぶれを起用する中で、勝利を手にした。
この結果を受け「一番大事なリーグ戦にポジティブな気持ちで臨める」と手応えを語ったのは柳下正明監督。その上でのG大阪戦は、前節のC大阪戦に続く『残留・直接対決』になるだけに、アウェイの地とはいえ、明確に勝点３を目指すことになるだろう。ちなみに、この万博でのG大阪戦では09年以来白星を挙げられていない新潟だが、今季のホームゲームでの引き分けを含めて、通算対戦成績は5勝5分7敗。その数字を見ての通り、さほど大きく引き離されている訳でもない。イコール、苦手意識はないはずだし、何よりこの一戦の重要性を考えればこそ、過去のデータに捕われることなく、目の前の試合に力の全てをぶつけてくることだろう。

余談だが、この一戦、G大阪は『1DAY MATCH“万博蹴結”』と題し、様々なイベントの開催が予定されている。G大阪史上初めて、なでしこリーグ『スペランツァ大阪高槻VSINAC神戸レオネッサ』戦の前座試合が行われたり、選手たちもこの日限定で金色のユニフォームを着用して試合を行うことが決定している。このメモリアルな一戦に、メモリアルな勝利を挙げられのか。もちろん、誰もがキャプテンMF明神智和と同じ思いで、万博のピッチに立つ。
「引き分けでは満足できない試合。ホームで絶対に勝点３を獲る（明神智和）」

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2012.09.14 Reported by 高村美砂