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【J2:第36節 水戸 vs 北九州】プレビュー:厳しい現実にさらされた両チーム。だが、立ち止まっている場合ではない。何のために戦うのか。その原点を胸に、熱く激しくぶつかり合う。(12.09.30)

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J1昇格プレーオフ圏内の6位との勝点差は水戸が9、北九州が6。両チームとも十分可能性を残しており、この試合の結果いかんでは「6位以内」に大きく近づくことができるだけに、最高のテンションで試合に挑めるはずであった。
しかし、試合を前にあまりにも残酷な現実が両チームにつきつけられた。28日、Jリーグがライセンスの交付について発表したのだが、水戸も北九州も「J1ライセンス」を取得できず、来季のJ1昇格の夢が閉ざされてしまったのだ。「J1昇格」を唯一無二の目標として戦ってきた選手たちのショックの大きさは計り知れない。最高のテンションどころか、いつもの力を出せるかどうか。「メンタル、ハート」。今節に向けてのポイントを柱谷哲二監督はそう語るように、戦術や技術以上に今節に関しては選手のメンタル面が絶対的に勝負を左右する試合となるだろう。

気持ちを切り替えて臨むことは簡単なことではない。両チームとも“本気で”J1昇格を目指してきたからこそなおさらだ。「J1ライセンス」を取得できなかったことを伝えられたキャプテンの本間幸司は、困惑の表情を浮かべながら「積み上げるのは時間がかかる。でも、壊すことはすぐにできる。今まで積み上げてきたものを壊すわけにはいかない。なんとかさらに上積みをしたいのだけど……」と危機感を募らせていた。そのまま落ちてしまうかもしれない。チーム崩壊の危機にあった。
しかし、選手たち同士で話し合いを行い、「もう一度前を向いて戦おう」(市川大祐)ということを確認し合った。「J1に上がれようと上がれまいと僕らのやることは変わらない。前を向いてやることが重要。積み上げてきたものをさらに大きなものにして、前進していかなければならない」と力を込める市川をはじめ、選手たちは闘志をむき出しにし練習に励んだ。それぞれ思うことがあるだろう。しかし、プロとして、選手たちは目の前の試合にすべてをかけるスタンスを取り戻そうと奮闘している。おそらく北九州も同じ状況にあることだろう。
選手たちは見つめ直したはずだ。今、自分たちにできることは何なのかを。それは支援してくれる人や応援してくれる人を笑顔にすること。そして、今年取得できなかった「J1ライセンス」を取得できるようにするためにも、持っている力を出し切って、勝利をつかみ取り、1人でも多くの人に「このチームをJ1に行かせたい」と思わせることだ。来年のJ1昇格の可能性は途絶えた。しかし、そこで戦いが終わるのではない。これから続くクラブの歴史の中で「J1」への道を切り開く大事業の最中にいる。それを成し遂げるためにも歩みを止めてはいけないのだ。今節、両チームにとって重要な一戦であることは言うまでもない。

そして、水戸には忘れてはいけないことがある。今回、スタジアムの改築の計画を立てられなかったことが「J1ライセンス」を取得できなかった原因である。東日本大震災から1年半以上が経ったが、いまだに水戸市は復興・復旧しておらず、スタジアムの改修に手が回らない現状は仕方ないとしか言いようがない(詳しくは9月26日のJ2日記を見てもらいたい)。だが、昨年のことを思い出さないといけない。震災後、すぐに水戸市はスタジアムの復旧工事を行ってくれた。その結果、昨年10月に元通りの姿のスタジアムで試合を行うことができるようになった。今回、「J1ライセンス」を取得することができなかったものの、今、こうしてケーズデンキスタジアム水戸で試合できていること自体幸せなことなのだ。その感謝の気持ちを忘れずにプレーしてもらいたい。
そして、原点に戻って、思う存分サッカーを楽しむことも忘れないでほしい。それは選手だけでない。サポーターも同じだ。「1万人チャレンジ」と銘打って行われる今節。いつも以上に多くの観客がスタジアムに駆けつけることが予想される。「J1昇格」ができない悲しみではなく、水戸の町にJリーグチームがある喜び、そしてあれだけの大地震があってもこうしてサッカーを楽しむことができる幸せをかみしめてもらいたい。

自分たちの立ち位置を知り、そして新たに「J1」に向かって突き進んで行く。水戸にとっても北九州にとっても、今節はその第一歩。Ksスタを笑顔で満たしたその先に希望が待っているはずだ。

以上

2012.09.29 Reported by 佐藤拓也
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