優勝を勝ち取った2010年の名古屋は、連敗をしない、アウェイで圧倒的に強い、そして下位からの取りこぼしがない、という特徴があった。それは2位で終わった昨季にもほぼ共通していえることで、すなわちそれが“優勝候補”名古屋のストロングポイントと言えた。しかし、今季はその強みがことごとく失われている。前々節の広島戦、前節の新潟戦で今季4度目の連敗を喫し、降格圏にある3チームには全て勝点3を与え、アウェイでも五分の成績しか残せていない。すでに10敗しているチームにはAFCチャンピオンズリーグ出場圏内を目指すのが現実的な目標となっており、ましてや新潟戦の大敗を受けてはもはや「優勝」の二文字を口にすることはできなくなった。過去2シーズン、強豪の名を欲しいままにしたチームの姿は、残念ながら今は面影もない。
しかしリーグは待ってはくれない。厳しい状況で迎えたホームゲームの相手は、前節同様に残留争いの最中にある大宮である。かつて名古屋を率いたベルデニック監督が就任したチームは、ノヴァコヴィッチ、ズラタンという元スロベニア代表選手の活躍もありここ4戦で2勝2分と上昇気流に乗っている。特にノヴァコヴィッチは札幌戦でのハットトリックを含め7試合4得点と気を吐いており、ポストプレーも巧み。名古屋にとっても厄介な存在となることは間違いない。さらにはロンドンオリンピック代表の東慶悟、ボランチのカルリーニョスなど機動力のある選手も多く、名古屋はディフェンスの対応には頭を悩ませそうだ。
名古屋は新潟戦の後、広島戦の時のように練習のルーティーンを変えてこの一戦に備えてきた。主に取り組んだのはディフェンスの意識づけで、FW、MF、DFの3ポジションを明確に分けて練習を行ったため、傍目には3−5−2の練習に見えたほど。しかし実態は「ゾーンの意識づけのトレーニング」(小川佳純)とのことで、今節も4−3−3の基本布陣は変えずに臨むことが予想される。しかしながら新潟戦の前半で腰痛を再発させたケネディは今週の練習に参加しておらず、欠場は濃厚な情勢。そこで2トップの可能性も浮上するわけで、ストイコビッチ監督の判断に注目が集まるところだ。あえて予想するならば、4−2−3−1の1トップを永井謙佑とし、トップ下に玉田圭司を据え、縦の2トップを形成するのも一手だろう。サイドに金崎夢生と藤本淳吾、あるいは小川を置き、ボランチは田口泰士とダニルソンで組む。田口とダニルソンがヘッドコーチから口酸っぱくボールの受け方のレクチャーをセットで受けていたことも、この布陣の可能性を感じさせるものである。
次は試合展開の予想だが、現在の大宮の大きな特徴は切り替えの速さだ。際立つのは守備から攻撃、いわゆるポジティブ・トランジションの速さで、ボールを奪うや否やノヴァコヴィッチか東にボールを預け、サイドハーフとボランチ、サイドバックが一気に彼らを追い越すように前線へ飛び出していく。今節はズラタンが出場停止で不在だが、渡邉大剛やチョ ヨンチョルなどスピードとテクニックのある選手が控えているため大きな差は出ない。チョ ヨンチョルなどは名古屋戦で常に脅威となっていたため、彼が出場してくる方がむしろ名古屋は嫌かもしれない。素早い展開に対し、練習で見直してきたゾーンディフェンスが緊密さと連動性を保てるか。名古屋は守備面において、練習の成果が試されることになる。
逆に名古屋は攻撃面でも課題を克服することが求められる。相手がしっかりと引いて守ってくることが目に見えている展開で、高さで壁に風穴を開けられるケネディが不在。当然、永井の走るスペースも消される。自然、玉田や金崎、藤本らの細かいパスワークによる突破がメインの武器になってくるわけだが、その形は練習で徹底したわけではなかった。これまでもケネディ不在の攻撃は課題だったわけだが、即興による崩しがどこまで成果を挙げてくれるかは未知数。「今週はけっこうコンディションがいい」と語った玉田の創造性が頼みの綱だ。その玉田は「今の自分たちの実力はこんなもんだって、開き直ってやるしかない」とも言った。あれこれ悩まず、思い切った攻撃こそが打開策となる。
すっかり下位チームがお得意様から苦手に変わってしまった名古屋は、ACL圏内を目指した再出発を白星でスタートできるのか。「ここからはプライドをかけて戦い続ける」と話した背番号10・小川の言葉を、今はサポーターともども信じるしかない。
以上
2012.10.05 Reported by 今井雄一朗
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