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【J1:第28節 柏 vs 川崎F】プレビュー:“風間イズム”の浸透著しい川崎Fを迎える一戦。レアンドロ ドミンゲスの不在を契機に、柏は本来のスタイルを取り戻せるか(12.10.05)

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川崎Fの印象は、第11節の前回対戦時と比べて、柏の選手たちには若干違って見えるようだ。おそらく、川崎Fのサッカー自体にコンセプトの変化はないはず。ただ、あれから数カ月の時を経て、風間八宏監督の求めるスタイルがチームに浸透し、さらにその哲学やメカニズムを熟知した選手が加わったことによるチームの成熟が、柏にとっては“変化”として映ったと思われる。

川崎Fのアタッカー、楠神順平、山瀬功治、大島僚太は、それぞれタイプは異なるが、彼らは共通して技術レベルが高い。それは前線でボールが収まるだけではなく、例えば前節の札幌戦では、相手に引かれてスペースがない中でも小気味よくパスを回し、しかも山瀬を筆頭に楠神も大島もボールを運べるので、相手の食い付きを利用して裏のスペースも狙いやすい。そこに両サイドバック、右の田中裕介、左の山越享太郎が高い位置を取り、横幅を使って攻撃に絡むと中央の窮屈感と手詰まり感は解消される。横に回すだけならば怖さが半減するところだが、瞬間的に発生した綻びへ向けて中村憲剛がストンと効果的な縦パスを放ち、攻撃のベクトルを変えられるため、単にパスを回すだけのサッカーに固執することもない。

また、札幌戦の前半と後半でそれぞれ決定的なシーンを作ったように、川崎Fはカウンターにも切れがある。柏のカウンターが、相手を引き寄せて引き寄せて、広大なスペースへ一気に解放するのに対し、川崎Fは低い位置から、まるで直線を引くかのようにスーッとロングパスを通し、手数をかけずにゴール前へ運ぶ。遅攻でジワジワとパスをつながれるよりも、シンプルな1本のロングパス、あるいはカウンターを受けた時に近頃は脆い柏のディフェンスにとっては、そちらの方がむしろ厄介である。

柏も川崎Fも、現在は勝点39で並ぶ。しかし、徐々に風間イズムが浸透し、連勝してこの一戦を迎える川崎Fに対し、柏は前節の浦和戦で今シーズン3度目の連敗を喫した。しかも昨シーズンに見せていた状況に応じてポゼッションとカウンターを使い分ける老獪さを失った挙句、頼みの綱であるレアンドロ ドミンゲスが怪我で戦線離脱となれば、ホーム日立台で戦えるメリットを差し引いても、まず苦戦は免れない。

柏の前節の戦い方とレアンドロの不在、そして川崎Fの特徴を踏まえると、柏は自陣に守備ブロックを形成して、カウンターを狙う策が効果的になるとは思うが、その戦術は「相手のミス待ちのリアクションサッカー」に過ぎず、こちらから仕掛けない分、相手の守備陣の脅威にはならない。センターバックの近藤直也、那須大亮から前へ蹴り込む裏一辺倒の戦い方では、結局は相手にセカンドボールを拾われ、2次攻撃、3次攻撃を浴びるだけだ。

工藤壮人、田中順也らFWは、ネルシーニョ監督から「裏への飛び出し」を求められているのだろうが、与えられた戦術だけに従順するのでなく、バイタルのスペースが空いているならば、そこへ降りてディフェンスラインから縦パスを引き出し、攻撃にアクセントを加えられる臨機応変さが欲しい。右サイドバックの藤田優人も監督から守備面についての指示が多いのは分かる。しかし思い切りのよい攻め上がりがなければ、攻撃に変化は出ない。戦術的な約束事を守るのは当然だし、チームにとって必要不可欠なことだが、時には自身のアイデアを生かし、リスクを冒す動きも必要なのではないか。それは今、名前を挙げた選手に限らず、柏の全選手に該当することである。

昨シーズンはレアンドロが不在でも、仙台に競り勝ち、名古屋を圧倒し、神戸を一蹴、山形を術中にはめ、広島には逆転勝ちを収めた。それは自陣に引き、裏狙い一辺倒のカウンターサッカーに終始したからではない。レアンドロの戦線離脱は確かに痛いが、不振に喘ぐ中では逆に荒療治という形で、エースの不在が本来のスタイルと勝ちパターンを呼び起こすきっかけになればよいのだが。

以上

2012.10.05 Reported by 鈴木潤
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