東京ヴェルディは高橋真一郎監督に交代してからリーグ戦が4戦無敗。ただし高橋監督が「勝ちたいなぁ…」とうめくように、1勝3分で白星にはあまり恵まれていない。それでも直近の2試合は千葉、山形と昇格争いのライバルにアディショナルタイムで追いつく粘りを見せた。東京Vの暫定順位は現在6位だが、3位の大分と勝点2差、2位・湘南と4差。勝点3は取れずとも、ライバルから“勝点2を奪う”ことで、東京Vは昇格争いに食いついている。
梶川諒太は「内容的に満足するものではなかった」と反省しつつ、「これまでなら落としていた試合を、今は拾えている」とチームの前進を評価する。高橋監督も「アディショナルタイムに入って、あれだけコーナーの方でキープされたら、ファウルしたり、手を出して、相手に時間を使わせていた。そこを冷静にプレーしたからこそ、時間があって、得点につながった」と分析する。まずメンタル面から立ち直っているのが東京Vだ。
しかし前節・山形戦では今季17得点のエース・阿部拓馬が腰の痛みにより満足なプレーが出来ず、前半で退いた。今節も出場は微妙なところで、彼の不在が懸念材料となる。しかし前節は柴崎晃誠を入れて中盤を厚くした〔4-2-3-1〕が機能。中島翔哉、小池純輝と攻撃的な人材は豊富で、阿部が仮に不在でも、前線の機能不全はないだろう。相手はパス回しの上手い町田だが、高橋監督は「ウチが主導権を持ちたい」と、真っ向勝負を言明する。
FC町田ゼルビアにとっても、東京クラシックは絶対に勝点を落とせない一戦だ。町田は警告の累積でボランチ太田康介、左サイドの津田和樹がこの試合は不在となる。しかし守備に強みのあるMF下田光平が前節・大分戦から公式戦に復帰。また大分戦では加藤恒平を前半途中にCBから中盤に上げるなど、代役はテスト済みだ。3バック、4バックを使い分けるアルディレス監督にとって、これくらいの“アレンジ”はお手の物である。
町田がクラブの存在意義を世に認めさせるためにも、東京V戦の勝利は重要だ。少年サッカーの街・町田は読売クラブ、東京Vへ人材を送り出す立場に甘んじてきた。FC町田ジュニアユースのメンバーとして“ヨミウリ”に勝っている酒井良は「彼らがユースに上がって行くのを見ながら、僕らは別々の道に進まなければいけなかった」ことを今も悔いる。昨年まで選手とスクールコーチを兼任していた彼は「東京Vのジュニアに行きます、と言って辞めていく子が沢山いた」とも言う。しかし酒井が「強いトップチームを目指していけるなら、そっちに行くのは当たり前」と認めるとおり、上を目指すのはアスリートのあるべき姿だ。彼は「そういうのがあって、町田にJリーグクラブを作ろうという活動をずっとやってきた」とも言うが、だからこそ東京V戦は負けられない。クラブがJ2で生き残り、東京Vと対等以上のクラブとなれるという証しを作るためだ。
両クラブは地理的に近いだけでなく、クラブの成り立ち、志に近いものを持っている。企業のサッカー部を母体とせず、選手を自前で育てる“純サッカークラブ”として歴史を重ねてきた。サッカーに“美しさ”を求める姿勢も同様だ。東京Vと町田は人間的にも近い。町田のアルディレス監督は2003年から05年の途中まで東京Vの指揮を執っていた。また平本一樹、藤田泰成、イ ガンジン、戸田和幸らも東京Vでプレーした経験がある。特に東京V育ちの平本は「僕が育ったチームなのでものすごく楽しみ。前回は負けているので勝ちたい」と燃えている。
東京V側を見ると、そんな平本とユースの同期生だったのが飯尾一慶。「アイツとは色々あるんで…。久しぶりに彼と試合ができるのはホント嬉しいですね」と表情を和らげる。2010年には町田のエースとして活躍し、JFL2位という躍進に貢献した木島良輔も、「知り合いが一杯いますし、お世話になった人もいます」と町田への懐かしさをのぞかせる。また木島には「あの人が使ってくれたから、俺はここまでサッカー出来ている」とアルディレス監督の感謝もある。しかしクラブにとって、出番を増やしつつまだゴールのない彼にとって東京クラシックは結果を求められる試合だ。木島も「町田には悪いですけど、勝たしてもらわなきゃいけない」と牙を研ぐ。また高橋監督にとって、町田のDFリーダー田代真一は、横浜FMユース時代に「ビルドアップができるCBになったらいいなと思って」抜擢し、3年間も指導した愛弟子だ。
両クラブに憎しみはなく、“パートナー”とも言い得る関係だ。例えば東京クラシックを盛り上げる活動は、両クラブのサポーターが合同して行った。町田や多摩センターなどの駅前で告知のビラを配布し、9/29のビラ配りには、60名を超すサポーターが集まったという。東京VはJ1昇格、町田はJ2残留と当面の目標こそ違うが、東京都や多摩地区のサッカーシーンを活性化し、人々にこの競技の魅力を伝えるというミッションは同じ。絶対に負けないという熱さと、サポーターを魅了する質が両立した試合で、それぞれに歴史の礎を築きたい。
以上
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