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【J1:第30節 鹿島 vs 清水】プレビュー:ヤマザキナビスコカップ ファイナルを控えた前週に同一カードによる対戦の妙。鹿島と清水は前哨戦をどう戦う?(12.10.26)

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2週連続で同じチームと対戦することは、そうそうあることではない。おかげで試合の注目度は俄然増した。
タイトルマッチを前に、互いに手の内を明かしたくない部分もあれば、順位を少しでも上げるためには勝点も欲しい部分もあるだろう。鹿島は降格圏からの脱出を目指して、清水はACL出場権を賭けて、喉から手が出るほど勝点3が欲しい状況なのだ。そうした要素がこの試合の興味を余計に増すのである。

ただし、図らずも怪我人という要素が、この試合への準備を複雑なものにしそうだ。清水はセンターバックのカルフィン ヨン ア ピンが腰痛により出場が微妙な状態に。出場停止の高木俊幸を加えて二人のレギュラーを欠くことになりそうだ。そして、鹿島は非公開練習が明けた試合前日練習をレナトが回避、ランニングだけの調整で終えた。今季、2度対戦している両チームだが、ただでさえ「システムも、選手も違うし、まったく材料にならない」(岩政大樹)という状態だが、さらに選手の顔ぶれが変わるとなればピッチの局面ごとに初顔合わせの対戦となる。スカウティングで相手の情報は知っていたとしても、それが生きた知識になるのは実際に肌を合わせたときだ。次週のヤマザキナビスコカップに向けて情報を集めたい気持ちもあるだろうが、この試合で集めた情報もメンバーが変わってしまえば生きてこなくなる。

鹿島としては、[4-2-3-1]に布陣を変更してから清水と対戦するのは始めてとなる。1トップの大迫勇也の下でプレーするレナトは、このポジションに移ってから精彩を放つようになってきたが、そのレナトを欠くとなれば、新布陣の機能性も未知数だ。レナトの位置に本山雅志を起用する他にも、興梠慎三を右MFに入れて遠藤康かドゥトラをトップ下に移す方法、もしくは興梠をFW起用して[4-4-2]に戻すなど、さまざまなやり方が考えられる。もちろん、古巣との対戦となる本田拓也をボランチで起用して、柴崎岳を一列前にあげる方法もあるだろう。選手にも、レナト不在の場合どう戦うのかを示されていないため、土曜の朝にレナトの様子を見て、戦い方を決めることにだろう。

対戦成績は拮抗している両チームだが、ホームチームが圧倒的な勝率を残しているのが特長とする。02年セカンドステージ以来、カシマスタジアムでは鹿島が7勝2分と負け知らず。この試合を勝ってファイナルに向かいたいというのは正直な気持ちだろう。
若くて運動量のある清水の勢いが勝るか、1トップが機能し始めた鹿島がデータどおりの強さを見せるか。いずれにせよ、その結果がヤマザキナビスコカップ決勝の戦いに少なからず影響を与えるはずだ。
この前哨戦、目が離せない。

以上

2012.10.26 Reported by 田中滋
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