今季最後のホームゲームで、時間の経過と共に愛媛のサッカーに躍動感が戻ってきた。開幕当初とはフォーメーションもメンバーも違うが、あの時と同じようなゴールに向かう推進力や勝ちたい気持ち、ワクワク感がピッチに充満。プロ18年間のサッカー人生に幕を下ろす大木勉の最後を、勝利で締めくくることもできた。
その舞台で主役となったのは、愛媛のキャプテン前野貴徳だった。1得点2アシストの活躍でチームの勝利に貢献。先制点はチームが苦しい時間をやり過ごしたあと、前半40分のプレーだった。ボランチの村上巧や赤井秀一が絡みながら右サイドで組み立てながら、素早く逆サイドへ展開。フリーの前野の足元にボールが入ったが、思い切りよく放った左足のシュートがゴールネットを揺らした。
後半開始直後、愛媛は草津のロングスローから熊林親吾に同点ゴールを奪われたが、すぐさま突き放す。ゴール正面から、前野のフリーキックを有田光希が頭で合わせて2−1。嫌な流れを打ち消すと、草津にとどめを刺したのは後半30分。カウンターが一度、草津の中盤でひっかかると落ち着いてボールを繋ぎ直し、有田が大きく左サイドへ展開。前野のドリブルで再びゴールへのスイッチが入ると、その前野は逆サイドを駆け上がってきた石井謙伍にピタリと合わせ、3点目を導いた。
こうなると、サポーターが期待したのは大木の登場。後半41分、ついに大木がピッチに立つとスタジアムは大きな歓声に包まれた。ボールに触れる回数こそ少なかったが、ひとつひとつのプレーがまさに大木らしいアクションだった。何気なく、味方がボールを出しやすい場所にすっとポジションを取り、ファーストタッチで相手をかわす。そして再びフリーの味方にラストパス。守備に転じれば、相手の最終ラインに向かって全速力でプレッシャーをかけた。少しでも長くピッチに立って、願わくは最後のゴールを決めて欲しかったが、あっという間の7分間。大木のラストプレー、チームの躍動感、タイムアップが惜しいような、そんな余韻を残して愛媛にとって2012シーズンのホームラストゲームが幕を閉じた。
ただ、試合の序盤はこういうラストを想像することが難しいような立ち上がりだった。逆に草津のサイドからすれば、前半30分過ぎまでは完璧に近かった。草津はサイドバックも含めて両サイドが高い位置を取って愛媛を5バックの状態にすると、愛媛の前線3人に入るボールも厳しくチェック。奪い返してはポゼッションを繰り返すという、一方的な展開だった。圧倒的にゲームを支配しながら、足りなかったのは最後の工夫。押し込むまではよかったが、愛媛のゴール前にできた5人の壁を崩すアクションが足りなかった。
しかし、そうした状況を打開した愛媛のベンチワークと選手たちの修正力も見事だった。草津のサイドに対する圧力を強めて主導権を奪い返すと、終わってみれば3ゴールを奪っての快勝。粘り強く失点を最小限に抑え、狙い通りの形でゴールを重ね、今季の集大成ともいえるゲームを最後に展開してみせた。これで、7戦無敗。だからこそ、敢えていえば、それまでの13戦未勝利の期間が悔やまれる。その間も、どちらかといえばサッカーの内容自体は悪くなかった。今でもどこかで早く断ち切れれば、という思いが拭いきれないところもある。この試合で愛媛は草津を抜いて16位に浮上したが、その順位では決して満足できないチームだ。ただ、この結果に目を背けることはできない。このクラブに何が足りなかったのか、そしてこれから何が必要なのか、しっかりと整理をして、来シーズンにつなげたい。
以上
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