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【J2:第41節 東京V vs 横浜FC】レポート:明暗くっきり。勝った横浜FCは2位の自動昇格の可能性も十分感じさせる6位以内決定。敗れた東京Vは『J1昇格』の夢潰える。(12.11.05)

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これがいま現在の真の実力。
残念ながら、そう受け止めるしかないだろう。東京Vは、自力ではなかったが、残り2連勝すれば上位チームの結果如何ではプレーオフ進出の権利を獲得できる可能性はまだ残されていた。だが、その『今季一番』ともいえる一戦必勝の大舞台においても、“意地”を見せられず敗れた。
一方で、今節行われた他会場の結果にも目を移してみると、この試合の横浜FCに加え甲府、京都、湘南、大分、千葉と、東京Vより上位につける6チームはすべて勝利しているのである。こうした、勝負どころのゲームを勝てるか落とすか。そこに、本当の意味での“力差”が表れているのではないだろうか。もっと言えば、それこそが、そのチームにJ1に昇格する権利があるかないかの大きな差ということだろう。実際、この試合を落とした7位東京Vはプレーオフ進出権を失い、勝った(もうすでにJ1昇格を決めた甲府以外の)この5チームにJ1昇格争いが委ねられるという結果に如実にあらわれた。

試合は、2連勝しないとJ1昇格の可能性がほぼ消える東京Vと、引き分け以上でまずプレーオフ進出権を得る横浜FCという状況下の両チームによる対戦らしく、終始緊迫感に満ちたものだった。だからといって失点を恐れて慎重に引きすぎるわけでもなく、かといって逆に、無理に攻めようとするわけでもない。どっちが主導権を握るかを巡るボールの行き来が目立つ展開で、最初の45分間は過ぎていった。

「勝たなければいけない」東京V・高橋真一郎監督と、「勝ちたい」横浜FC・山口素弘監督。まず、先手を打ったのが山口監督だった。
ハーフタイム明け、後半の頭から、ケガによる長期離脱から前節32試合ぶりに復帰を遂げた永井雄一郎を投入する。復帰に際し、「永井が戻ってきてくれたのが大きい」と、その存在感とチームへの影響力の大きさを横浜FC指揮官は口にしていたが、それを証明するかのように試合は少しずつ激しさを帯びていった。特に立ち上がり約20分は、横浜FCにペースを握られた。一方、東京Vも飯尾一慶を入れ活性化を図ると、徐々にゴール前のシーンが増えてくるようになる。それでも、「ほとんど決定的な場面がなかった」(西紀寛)。この状況を、ハーフタイムでベンチに退いた大久保哲哉は横浜FCサイドから語った。「後半は、絶対に勝たなきゃいけないから点を取りにきたというのもあったと思うけど、向こうが前がかって自分たちでバランスを崩してたなぁという印象です。ベンチから見ていても、ウチに点が入りそうな匂いはしていました」。
東京Vにとっては悔しいが、結果として流れからの点ではなかったが、大久保の感じたという“匂い”は、現実のものとなってしまった。

後半33分。「驚異を感じた」(深津康太)という、横浜FCの直接FKからだった。「ゴールの匂いのするところに走れば、そのコースに蹴れる技術が(高地)系治さんにはあるので、信じて走るだけでした。狙い通りですね」。交代で入ってわずか3分で決勝点を決めた田原豊。競った深津の頭にも当たり、内側のバーに当たってGK土肥洋一にも当たって入ったゴールに、場内からははじめ「オウンゴール」とのアナウンスがあった。だが、「ちゃんと触ってたよ!」と、本人には自らが決めたという100%の確信があった。試合後、公式記録の得点欄には、『田原豊』の名が記されていた。「思いは通じるんですね。僕自身、ケガで先々週に合流したばかり。その間、チームが勝点を積み上げてくれたからこのポジションにいられている。出たい意欲、結果を出したい、昇格したい意欲の中できちんと仕事ができたことが本当に嬉しい」8試合ぶりにピッチに戻った大型ストライカーは穏やかに笑った。

また、これで3連勝となった横浜FCの好調ぶりを支えているのは、「守備力」だと大久保は語る。実際、この3試合とも失点は0。「後ろが頑張ってくれているので、なるべく負担をかけないように、前も体を張って頑張ろうと思って毎回プレーしています。これからも、得点を意識しつつも、危な場面では守備でも貢献したい」こうしたチーム全体の守備意識の高さもまた、見事に6位以内を決める強さにつながった要因の1つと言えるのかもしれない。
ただ、横浜FCが目指しているのは、あくまで2位だ。ここで決して満足などしないだろう。かつて自らのゴールで在籍していた京都、湘南を昇格に導いてきたモッてる男・田原は誓った。「奇跡を起こしたい」。

一方、東京Vは『J1昇格』の悲願を、今年もまた果たすことができずに力尽きた。この試合も一見、「どっちが勝ってもおかしくない試合」だと位置づけることもできるが、「内容は良かった」「惜しかった」という、これまでであれば救いとして許されてきた言葉は、特にこの試合に関してはまったく意味をなさないだろう。試合前、土屋征夫は強い口調でこう話していた。「“良いサッカー”って何だろう?プロである以上は、結果をもってくるのが一番大切なんじゃないかな」。この大一番に際しては、まさに最重要視されるべきものは『結果』だったに違いない。土屋の言葉の重みを痛感せずにはいられない。その意味では、状況に応じて必要な“良いサッカー”、もっと言えば“正しいサッカー”を、東京Vはできなかったということだろう。
また、この試合の結果は今季の東京Vを象徴していたのではないだろうか。内容では一進一退でも、なかなか点を取れず、敗れてしまう。そこに、今季の反省と今後の課題の大部分が凝縮されていると言えよう。

試合後、選手たちの口からは「申し訳ない」の言葉で溢れていた。サポーターの「俺たちは今年のチームに懸けている。このチームでJ1へ行こう」の横断幕へ込められたサポーターの思いを、誰もが胸に抱えて闘ってきた証だろう。「でも、これでヴェルディ、サッカーが終わったわけじゃないし、来年もあるから、しっかり前を向いてやっていこうと思います」森は主将としてチームを代表し、締めくくった。

「もうこの思いはイヤなので、二度と繰り返さないように頑張ります」西の言葉は、東京Vに関わるすべての人の思いだろう。
「最後の試合はサポーターのみなさんへの感謝の気持ちだけで戦いたい」(高橋祥平)すでに来季は始まったと捉え、今後につながるラスト1を期待したい。

以上

2012.11.05 Reported by 上岡真里江
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