行き詰った時に、気分転換を図りたいのは万民の一致するところ。それが、温泉でもグルメでもドライブでもコーヒーでも構わない。閉塞感から脱却できて現状に復帰できるのであればその手段は当事者に任せればいい。
鳥栖は、第27節広島戦(9月29日広島ビッグアーチ)から続いた3連敗後に選手たちが自ら決起集会を開いて気分を一新した。その詳細については一切漏れ聞こえることはないが、クラブ関係者は「選手が自分たちで企画し、自分たちの力で新潟戦(10月27日ビッグスワン)の勝利もぎ取った」と表現する。3連敗を止めた新潟戦で2ゴールをあげたFW豊田陽平が「みんなのゴール」と語ったのは、このような背景があったからかもしれない。
対する磐田も第27節(9月29日味の素スタジアム)からの3連敗で一気に順位を下げた。その流れを食い止めるべく、第30節仙台戦(10月27日ヤマハスタジアム)では、前節から大幅にメンバーを入れ替えて「攻守でより相手のゴールに向かおう」(森下仁志監督/磐田)という気持ちで臨んだ。その結果、首位争いを繰り広げている仙台の連勝を止め、引き分けることができた。「選手たちは90分通してその姿勢を貫いてくれた」(同)と確かな手ごたえはつかんでいる。
鳥栖のシステムは4−2−3−1とこれまでと変わらない。磐田も4−4−2と前節と変えてくることはないだろう。ただ、鳥栖は出場停止で2人の選手入れ替えを余儀なくされる。ボランチのMF藤田直之と左MF金民友の代わりに入る選手に期待がかかる。とはいえ、尹晶煥監督は「後ろに控えている選手たちも全く遜色はないと思うし、選手たちのことを信じて送り出し、そして十分にやれると見ている」とサポーターの心配を吹き消す。ならば、この試合は両チームのボランチに注目しておきたい。
鳥栖は、前節に続いてMF高橋義希と3試合ぶりとなるMF岡本知剛の組み合わせとなるだろう。高橋は、「上位にいけるかどうかの大事な試合。磐田は、個の能力が高いので中盤のバランスを大事にしていきたい」と攻守の鍵を握りそうだ。岡本も、「攻め込まれることも多いと思うが、質の高いカウンターで攻めていきたい」と得点に絡む意気込みを見せてくれた。そしてもう一人、磐田戦に燃えるボランチがいる。今季はけがの影響もありここまで1試合の出場にとどまっているMF船谷圭祐である。彼のゴール前でのラストパスの精度は、磐田のサポーターがよく知っているはず。「とにかく勝ちたい。自分たちの戦いをやるだけ。気持ちで負けたくない」と意気込みは高い。この試合で最も怖い存在になるかも知れない。
磐田のボランチは、前節と同じ組み合わせロドリゴ ソウトと藤田義明の組み合わせが予想される。状況によっては、MF小林祐希を入れて藤田をCBに下げる攻撃的なシフトも考えられる。どちらにも強力なFWが入るだけに、両ボランチがどれだけボールに絡めるかで勝敗の行方が決まるだろう。
そして、この試合で勝点3を上積みした方が、来期もJ1で戦うことが約束される大事な試合である。特に鳥栖にとっては、J1初年度だっただけに特別な意味の試合となる。鳥栖にとっての歴史に大きな足跡を残すためにも、サポーターの後押しは欠かせない。J1残留確定を賭けた一戦は、佐賀県総合運動場陸上競技場で19時にキックオフである。
あと一勝、あと一得点、あと…、目の前にある大きなものを掴むための最後の決め手はなんだろう。
テクニックなのか、フィジカルなのか、メンタルなのか…。
いずれも欠かすことができないものだが、運や神頼み、サポーター頼みも入れておかないといけない。
諦めた段階で挑戦は終わり、結果はそこで止まる。
大きなものを手に入れるためには、どんな理由でも“信じておく”ことが肝要なのだ。
サッカーとて同じこと。可能性を確定に代えるまでボールを追い続けないといけない。
サッカーは、終了のホイッスルが鳴るまで結果は確定しないスポーツなのだから。
以上
2012.11.06 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
一覧へ【J1:第31節 鳥栖 vs 磐田】プレビュー:勝って、『J1残留確定』としたい両者の対決。攻撃的にシフトした磐田を、堅守の鳥栖が迎え撃つ。鳥栖は勝利で史実に記念すべき足跡を(12.11.06)















