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【J2:第42節 栃木 vs 北九州】プレビュー:クラブ史上最上位を懸けた栃木と北九州の決戦。重圧を蹴散らし、栃木は初の一桁順位を狙う。(12.11.10)

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細い糸は、岡山でプツリと切れた。例え可能性が薄くとも、昇格の僅かな望みを信じて駆け付けた栃木サポーター。しかし、突きつけられた現実は、あまりにも酷だった。同期の岡山に1‐2で敗戦。昇格消滅の喪失感は大きく、受け入れ難かった。それは選手も同じである。悔しさを抱えながら、大和田真史が、西澤代志也が、深々とサポーターに頭を下げた。

栃木のJ1へのチャレンジは幕を閉じた。大きな目標は失ったが、全てが終わったわけではない。いつ、いかなる状況でも、常に目標は設定できる。11位に後退した今、新たな目標を立てるならば、クラブ史上初の一桁順位でのフィニッシュになる。2季続けて10位に終わっている栃木にとっては、小さくない目標である。副キャプテンの大和田は一桁順位の重みを、こう感じている。
「1つ順位が上がれば、それだけでチームの価値が全く変わってくる。そこをモチベーションにしないといけないし、順位を1つでも上げることは必ず次へ繋がる。そのことを一人ひとりが重く受け止める必要がある」
幸いにも今節の相手は、勝点差1で追う9位・北九州。8位・岡山から11位・栃木まで勝点差2の中でひしめき合い、岡山と10位・山形も直接対決のため、栃木は勝てば必然的に一桁順位が確定する図式。自動昇格も、プレーオフ進出も、北関東制覇も成し遂げられなかったが、まだサポーターの応援に少しでも報いるチャンスは残されている。「サポーターに喜びと誇りを与えたい」とは“闘将”パウリーニョ。グリスタで新たな歴史を作るために、夢破れた傷を癒すために、どんな形でも構わない。必ず勝とう。いや、この一戦、勝つしかない。

躍動感に溢れたイケイケのサッカーを展開する北九州を打ち破るには、メリハリが求められる。つまり、心には闘志の炎を灯しつつ、頭は恐ろしいほどにクールでなければならない。前回の対戦時の失点は、安易にボールを取りに行った所を外されたことが原因だった。パスワークを駆使する相手に対し、勢いだけで喰い付けば同じ轍を踏む。「プレスに行くのか、行かないのか。そのメリハリが機能すれば、どんな相手でも戦える」とエースの廣瀬浩二が自信を見せるように、ボールを奪いに行くのか、それともブロックを作るのか。その判断を誤らないように気を付けたい。的確な判断さえできれば、大きな怪我を負うことはないはずだ。

「ゴールのためにボールを回していることを忘れてはいけない。そこのメリハリはしっかりしたい」(大和田)
前線から北九州は猛烈な圧力をかけてくるが、ひとつでもプレスをかわせれば、4−4−2で中盤がダイヤモンドの1ボランチだけに、その両脇は使い放題になる。加えて、前掛かりになる分だけDFラインの背後にはスペースもできる。2トップがボランチの脇を選択するのか、それとも背後のスペースを取るのか。DFラインは相手の圧力を受けながら、「前の動き出しのタイミングを見逃さないことが大事になる」(大和田)。クサビを打ち込むのか、それともダイナミックに展開するのか。ゴールを意識したボールの動かし方を心掛け、今週のトレーニングで松田浩監督が盛んに訴えた「シャープ」な攻撃でゴールネットを揺らせれば文句なし。相手の攻撃的な姿勢を逆手に取り、先手を取りたい。

前節、ホーム最終戦を白星で飾った北九州も、狙うのは昨季の8位を上回るクラブ最上位での幕引き。富山を圧倒したアップテンポのパスワークで、栃木を自分達の土俵に引きずり込めれば勝機は拡がる。トライしてきたパスを駆使したサッカーを表現して最後も勝ち切ったら、きっと前節同様に三浦泰年監督の渾身のガッツポーズが飛び出すに違いない。リズムを生み出すためには、パウリーニョも警戒を払う木村祐志のパフォーマンスが鍵になるだろう。両チームの7番同士の主導権争いに注視したい。それと同時に、宮本亨、レオナルド等、元栃木の選手が北九州には多数在籍し、各ポジションでの意地の張り合いも面白い。特に決戦の盛り上げ方を熟知している宮本からは目が離せない。大暴れされても困るが、大人しすぎるのも寂しい。でも、魂のDFは程々に。複雑な心情が入り混じる。それが栃木サポーターの総意ではないだろうか。

「そこに(一桁順位に)挑戦してもがきながらも成果を出すことが、栃木SCとしての来年に繋がる。選手・スタッフにとっては意味のある経験になる」(松田監督)
一桁順位はモチベーションになる反面、プレッシャーにもなる。今季は節目、節目で、勝負所で大事な試合を尽く落としてきた。だからこそ、指揮官は北九州戦を、「自分にチャレンジする試合」と位置付けた。昇格やプレーオフ進出を懸けた試合に比べれば、高いハードルとは言えない。でも、栃木の未来のためには、超えるべきハードル。二桁順位からの脱却は、繰り返しになるが小さな目標ではない。

一桁順位でのフィニッシュを「県民の歌」で祝う。結末は見えている。あとは、それに向かって最初から最後までハードワークするのみ。覚悟と勇気を持って挑みたい。

以上

2012.11.10 Reported by 大塚秀毅
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