今日の試合速報

開幕招待
開幕招待

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第42節 山形 vs 岡山】プレビュー:山形は「連」を取り戻せるか? 8位・岡山を迎え「いま」を戦う覚悟が問われる90分。(12.11.10)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
千葉、大分との連戦に勝つことで8位からプレーオフ圏内への潜り込みを狙った山形だったが、連敗で逆に10位まで後退。1年でのJ1復帰の望みを残せない状態で、最終節のホームに戻ることになった。前節・大分戦は、相手ペースながら前半はなんとか無失点で切り抜けたものの、後半早々にコーナーキックから先制を許し、これでバランスを崩して追加点を奪われたのは千葉戦と同じ展開。昇格への目標が現実味を増す大分のホーム最終戦の勢いに抗いきれず、0-3で敗れている。

いまの山形にもっとも必要なものは、今シーズンのスローガンにも掲げてきた「連」の意識。たとえば、攻撃では山崎雅人や中島裕希の強烈な動き出しはあるが、それ単発で相手の守備を破りきれるものではない。彼らの動き出しによって生じるスペースやギャップを突く二の矢、三の矢が欲しいところだが、個々がボールと自分との関係のみでプレーを判断するため、動きがかぶったり、セカンドを拾えないなどバランスの点でも問題を抱えている。「いまは無駄な動きが全然少ない」と話すのは、チームキャプテンの山崎。「いいときは無駄な動きがあって、そのスペースをみんなが使っていた。前は動いてナンボ。止まっていてもいい仕事はできない」。コンパクトを保ち、視野を広く持ち、味方の動きと呼応することで「連」は生まれる。これは、「連」を取り戻す戦いだ。

岡山は山形よりも1節早くプレーオフ進出の可能性が消えているが、前節は栃木を相手に2-1と勝利し、8位まで順位を上げている。すでに昨シーズンの13位を上回るクラブとしてのキャリアハイは確定しているが、来シーズンの昇格をより現実的なものにするためにも、さらに3ポイントの上積みと順位アップを狙う。

前節・栃木戦は田所諒の出場停止もあり、今季限りで現役引退を表明した“鉄人”服部公太のカンスタでのラストマッチとなった。25分、千明聖典のフィードに走り込んだ川又堅碁がディフェンダーと競りながら豪快にゴールネットを揺らすと、39分の2点目は服部のクロスから。川又、関戸健二の連続シュートは防がれたが、体勢を立て直して打ち込んだ川又の3発目がゴールネットを突き刺した。川又は今季17得点。得点ランク2位の阿部拓馬と1点差に迫っている。

岡山のここまでの失点数は千葉の33に次ぐ2位の34。最近9試合でも複数失点がなく、守備は安定しているが、「ほとんど共通しているのは、後半立ち上がりに失点していること」と最近の傾向を指摘するのは影山雅永監督。栃木戦でも「後半相手が出てくるのはわかっていますから、守備で奪うところを続けようというところが、ボールを奪うではなく動かすところで受ける人がいなくなってしまう。チームが乗っている時は、もっと受けて、起点になって得点に絡もうという気持ちが働きますが、そういうものがなくなると一気にボールは動かなくなるんですね」。動きの量を確保できないままボールを持てば、パスを狙われやすくなる。リードした状況だからこそ生じた「受け身」かもしれないが、前節もGK中林洋次の好セーブがなければあやうく勝点3を失いかねないシーンもあった。

山形にとって岡山は順位で上位のチーム。しかも前回対戦では1-2で敗れ、今季初白星を与えている。リベンジの一戦を前に飛び込んできたのは、宮沢克行の現役引退表明だった。クラブ史上初のJ1昇格や2度のJ1残留、そして昨シーズンの降格と、チームキャプテンとしてチームメイトやサポーターと苦楽をともにしてきた。今シーズンは副キャプテンとしてもキャプテン・山崎を支えたが、まじめさ、献身性など山形のカラーは、宮沢の存在によるところが大きい。奥野僚右監督は「チームが勝利を収めるのがすべて」としながらも、「そのうえでチームの功労者である彼にいい形で何かしらできれば最高ですね」と答えている。

「ミヤさんのために」と奮い立つ山形にとっては特別な意味が加わる1試合になった。しかし、それだけで終わらせてはならない試合でもある。この1年、このチームで培ったものは何か。さらに遡って、サッカーボールを蹴り始めてからこれまでに培ったものは何か。いまできることをすべてやり尽くし、90分間に凝縮させなければならない。11月9日に行われた引退の会見で、宮沢自身が大事なメッセージをいくつも残しているが、そのなかには「いつだって、この時間が大事であって、過去や未来が大事ではない」というものもある。「今年の目標は達成することはできなかったですけど、サッカー人生のなかでの大事な1試合だと思う。自分の成長につながるために、もっと上をめざしてやっていきたい」と決意を語ったのは秋葉勝。全力の90分を積み上げて初めて、それは未来へ継承される。

以上

2012.11.10 Reported by 佐藤円
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着