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【J1:第33節 札幌 vs 横浜FM】レポート:横浜FMが完全にゲームを支配し2−0で勝利。ACL出場権獲得の可能性を最終節まで残した。札幌はホーム最終戦を勝利で飾ることができず。(12.11.25)

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90分を通してほとんどの時間、横浜FMがボールを支配していた。シュート数は札幌が3本に対して横浜FMが18本。スコアこそ0−2だったが、横浜FMのほぼ一方的な試合だったと言っていい。力の差を見せつけていた。

横浜FMの中心は中村俊輔だ。マイボールになった際はどの選手もすぐに中村の姿を探し、パスで預ける。ほとんどの攻撃がこの選手を経由して展開されており、スピードに乗った攻撃時にもこの選手を探すために敢えてスピードダウンさせる局面などもあり、横浜FMのスタイルはブラジルなど南米のチームを彷彿とさせるものだった。そうしてボールをジワジワと運びながら終始札幌を押し込んでいく。繰り返しになるが、個の力にしても総合力にしても、力の差がハッキリと見て取れた。

ただし同時に、ほぼ一方的にボールを支配している割には効果的なチャンスが生まれていない印象も強かった。「ペナルティエリア近くまで下がっている相手を崩すために、もう少しワンタッチのスルーパスであるとか、きわどいクロスであるとか、そういうものがあればもっとチャンスが作れたと思います」と樋口靖洋監督が振り返ったように、横浜FMは相手を押し込みながらも、それを崩すためのアイデアを欠いていた。

その要因はポゼッションの中身にあると見るべきだろう。横浜FMはセンターバックがボールを持ってビルドアップを開始しても、パスの行先はだいたいが中村か左右サイドバックという単調な選択ばかり。一発で前線のマルキーニョスにクサビを当てるようなプレーを見せれば、札幌の守備陣は内側へ絞るためサイドにスペースを作ることができる。だが、そうしたプレーがないため札幌は押し込まれながらもバランスよくケアすることができていた。結果、横浜FMはボールを運び続けても札幌にとってはさほど怖さはなく、決定機はなかなか生まれなかった。中村というハイレベルかつ絶対的な存在がいることが、逆に選択肢を限定してしまっていたような印象もある。

だが、それでも力技で得点を奪えてしまうのが横浜FMだ。セットプレーから状況を打開した。
33分、中村の直接FKが右サイドに流れ、それを拾った栗原勇蔵が中央に低い弾道のパスを蹴り込むと、齋藤学がトリッキーに押し込んで先制点を挙げた。

これで流れをつかんだ横浜FMは後半立ち上がりにも兵藤慎剛とのパス交換から再び齋藤がミドルシュートを決めて2−0。状況を考えれば、この得点で試合の大勢はほぼ決してしまった。

札幌のほうは、前述したようにボールこそ相手に保持されながらもバランスよく守れていたため「攻め込まれながらもうまく抑えていた」(石崎信弘監督)。だが、中盤に人数を割いた3−6−1のシステムの利点を生かし、中盤でうまくボールを奪う場面を作りながらも、そこからのプレー精度を欠いてすぐに奪い返されることがあまりにも多すぎた。もしそこでしっかりパスを動かすことができていれば試合の展開も違っていただろうから、ミスの多さがあまりにも痛かった。

結局、0−2になってからは双方が選手交代を行って変化をつけていったものの、ゲームバランスが大きく変わることはなく、横浜FMがその後もボールをコントロールしながら時計の針が進みタイムアップに至った。

試合を総括的に振り返っていくと、札幌としては今シーズン最後のホームゲームだっただけに意地を見せたかったはずだが、結果的にはほぼ何もできずに終えてしまった感が強い。前述したように、放ったシュートは僅かに3本。ビハインドを追った後半は積極的に攻めなければいけなかったはずだが、後半のシュートはたったの1本で、これではどうにもならない。相手に攻め続けられながらも2失点に食い止めたということは、それなりに粘り強い守備はできていたということ。それだけに、攻撃に移った際の勢いがあまりにも乏しかった。

一方、勝った横浜FMはACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)出場権獲得に可能性を残しただけに、大きな勝利だったと言える。だが敢えて厳しいことを言えば、ほぼ一方的にボールをコントロールしていたのだから、早い時間に得点を重ねて試合を完全に決めなければいけなかった。特に前半などはほとんど危険な場面がなく、攻撃にもう一手加わっていれば崩せるようなシーンがいくつもあったわけだから、2枚の守備的MFのどちらかを一列前に上げてバイタルエリア付近に人数を増やすという策があってもよかったはず。最終節に逆転での3位入りを狙うならば、どこかで思い切ったリスクを冒す勇気を持つ必要があるだろう。

いずれにせよ、シーズンは残り1試合。どちらも明確に課題が見えているため、これからの1週間でどこまで修正できるのか。そして最終戦でどれだけの意地を見せることができるのか、注目したい。

以上

2012.11.25 Reported by 斉藤宏則
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