柏も神戸も、14時30分キックオフのライバルチームの結果を受けて、この試合を迎えることになった。柏は敗れればAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得の可能性がなくなる。逆に神戸は勝てば残留が決まる。それがどちらに影響したかと言われれば、それは間違いなく神戸の方だった。
「勝てば残留が決まるということもあって、心理状況も分かっていたんですけど、ちょっと選手の気持ちが入りすぎていた」(安達亮監督)。前節のF東京戦同様、神戸の球際の競り合いには激しさがあった。もちろんそれは、残留への執念の表れであるが、今回ばかりは「気持ちが入りすぎた」ことが裏目に出てしまい、早い時間帯からイエローカードを貰い受けてしまう。すると37分、柏のカウンターをファウルで止めた田中英雄が2度目の警告を受け、前半のうちに数的不利を強いられたのである。これによって神戸はシステムを4−4−1に変え、守備的に試合を進めざるを得なかった。
後半、柏がどう出るのかが見ものだった。例えば高さとパワーのあるネット バイアーノを投入して、こじ開けにいくのか。もしくはボランチを1枚削り、かき回し役の澤昌克を入れて攻撃に厚みをもたらすのか。ネルシーニョ監督の選んだ策はどちらでもない、ピッチ上にいる選手の位置に手を加えることだった。「相手がシステムを変えて、野沢をボランチに入れるというところを想定しながら、我々はうちのボランチが野沢を潰しにいけるように(田中)順也を前に出し、2トップで、全体的に守備のラインを上げた」(ネルシーニョ監督)。後ろの枚数を減らすわけではないため、攻撃的に試合を進めながらも、大谷秀和と茨田陽生のダブルボランチがしっかりと神戸のカウンターに対するリスク管理を遂行する。
ただ、数的不利とはいえ、北本久仁衛が「うまく守れていた」と振り返るように、二層のラインで自陣の深い位置にブロックを作ったため、神戸の守備が崩される場面はほとんどなかった。こうした引いた守備に対し、ミドルシュートが効果的というのは常套手段である。柏の選手で遠目から射抜けるシューターは田中順也とジョルジ ワグネル。この2人がボールを持った時には神戸からすれば寄せたいところだったが、その警戒していた形でやられてしまう。
71分、クサビのパスを受けた田中順也が大谷に捌き、ジョルジにパスが通る。奥井諒の寄せが若干甘かったのは確かだが、それでもジョルジの左足の精度を褒めるべきか。「GKを外してきっちり蹴り込むことができた」(ジョルジ)と話す一閃が、GK徳重健太の指先をかすめるようにしてサイドネットに突き刺さった。
前半のうちに10人になったということもあるが、神戸には前へ出ていくアグレッシブさに欠けていたような気がする。唯一の攻め手と言えば、田代有三へのロングボールのみ。それも近藤直也のタイトなマーキングに弾き返され、前線でボールが収まらない。したがってカウンターにも出られない。「前へ出ていく勇気がもう少し必要だった」(北本)という言葉からも、チャンスの少なさは選手たちも十分感じていたのだろう。田代に代わったキープ力のある森岡亮太が高い位置で収め、ようやく終盤に攻撃へ転じたものの、試合を通じて決定的なチャンスはアディショナルタイムに森岡との連携から、松村亮が放ったシュートのみだった。
G大阪が引き分けたことで、「勝てば残留」という状況は最終節も変わらない。今節、目標を達成できなかった原因のひとつは、残留へのプレッシャーやメンタル面の影響もあったと思われる。プレッシャーを感じるなという方が無理かもしれないが、「平常心というか、選手には次に勝てばいいと話しました」と安達監督が言う通り、ライバルチームの動向にかかわらず、自力で決められるアドバンテージが神戸にはある。最終節の相手は優勝を決めたばかりの広島であるが、今節の反省と教訓を生かし、平常心を持って試合に臨むことができるか。それが残留への鍵になるだろう。
一方、1−0で勝利した柏は4位に浮上した。こちらは神戸とは異なり、最終節に勝ったとしても、ACL出場権は鳥栖の結果次第になってしまうが、前節の横浜FM戦から近藤の復帰した守備には安定感が出てきた。この日のパフォーマンス、そしてホーム最終戦のセレモニーで「まだ鹿島戦がある。天皇杯も元日まで行きましょう」と話したネルシーニョ監督の言葉を信じて、調子を取り戻したチームに大きな期待を寄せたい。
以上
2012.11.25 Reported by 鈴木潤
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