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【J2:第2節 熊本 vs 千葉】プレビュー:開幕戦を落とした熊本と千葉。焦点となる切り替えの局面を制し、今季初勝利を挙げるのはどちらか。(13.03.10)

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22チームで明暗の分かれた第1節。ここでどう舵を切るかがシーズン序盤の趨勢に関わってくるが、必要なのは、プレシーズンに取り組んできたことを自信を持って継続しつつ、開幕戦で見えた課題をきっちり修正すること。ともに初戦を落とした熊本と千葉にとっては、この1週間でのリカバーの度合いが問われる試合でもある。

藤本主税のスーパーなゴール、そして1万を超えた観客から伝わる熱気、さらには“勝たなくてはいけない”というプレッシャーなど、様々な要素がからみ、リードを奪いながらも消極的な姿勢となってしまった前節。熊本はラインのギャップを衝かれる形からカウンターで2失点し、鳥取に逆転負けを喫した。これを受け、今週のトレーニングでは守備の対応、とくに攻撃から守備への切り替えにおけるポジションのリセットを再確認した。
「点を取りに行くなかでも、最低限のリスクマネジメントはやらないといけない。試合でしか学べないこともあるので、自信を持って、ぶれずにやっていく。ミスがあってもカバーし合うとか、引きずらないとか、ゲームを戦うメンタルを持つことが大事」と吉井孝輔。カウンターへの対応はプレシーズンからの課題でもあったが、実際に失点につながったことで、その重要性はチームにもあらためて浸透している。
「『お前には楽しくないかもしれないけど、中で我慢してもらえると安心だから』って(南)雄太さんに言ってもらえたし、前に出ていきたい気持ちはありますけど、チームのためにしっかり守りたい」。そう黒木晃平が話す通り、センターバックとボランチの間でスペースを作らないようにバランスを取り、またここで自由を与えずに千葉の攻撃をしっかりと潰していくことが、熊本にとって大きなポイントだ。

一方の千葉も、まずは開幕戦で見えた自チームの課題と向きあわなくてはならない一戦だ。札幌をホーム・フクダ電子アリーナに迎えた前節は、ボール保持率でも上回り終盤には決定機を重ねた。しかしながら終了間際にカウンターから内村圭宏の一発を浴びて黒星スタート。奇しくも昨年の昇格プレーオフ決勝、大分戦と同じような形と時間帯で、昇格が義務づけられる勝負のシーズンにあって、今後チームとして繰り返すわけにはいかない種類の失点だった。加えて、ケンペスは前線でうまくボールを納めて起点となる働きができず途中交代、左サイドからスピードにのった突破を見せてシュート4本を放ったジャイールも、決定機に絡みながらゴールを割るにはいたっていないなど、新加入選手のフィット具合も含め、まだ攻撃でも本来の力が発揮されていない。J2屈指を誇る個々の能力の高さをユニットとしてうまく機能させることが、千葉にとっては焦点となる。

個の力で千葉が上回るのであれば、熊本は組織での対応が必須。千葉が1トップの形を取っているため最終ラインでは余る形になるものの、2列目から飛び出してくる谷澤達也らに前向きの状態でボールを受けさせない対応も求められる。そのためにも、出どころとなる兵働昭弘、佐藤勇人の両ボランチとの間合いをしっかり詰めつつ、ボールを奪って攻撃に転じた際には、高い位置を取る千葉両サイドバックの裏を効果的に狙えるかに注目したい。

前節はともにカウンターで失点しているため、背後のスペースのケアに対しては慎重になる可能性もあるが、攻守の切り替えでどちらが優位に立つかが、このゲームの見どころ、つまり勝敗を左右する要素になるだろう。熊本としては前節の札幌の戦い方を1つの指針として、前線からも細かくパスコースを切って「気分よく回させない」(北嶋秀朗)ことで精神的にも圧をかけ続ければ、自分たちの時間を作り出せるはずだ。
「支配する時間は少なくなるかもしれないし、タフなゲームになるのは間違いない。ただ、ここを乗り越えないと昇格には届かない。個でも組織でも粘り強くやり続ければ、チャンスは必ず出てくる」と吉田靖監督。

積み重ねてきた手応えを推進力に変え、1週間保留にされている歓喜を味わうために、目指すは今季初勝利だ。

以上

2013.03.09 Reported by 井芹貴志
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