クラブ創立8年目にしてJリーグという夢に辿り着いた長崎。3日の開幕戦では岡山相手にチャレンジャーらしく溌剌とプレーたプレーを見せ、ピッチを所狭しと駆け回った。岡山の影山雅永監督も「(岡山は)球際やセカンドボールを拾う場面で後手を踏んでいた」と長崎を評価している。10日はいよいよ初めてホームでJリーグ開幕を迎える。対戦相手はタレント軍団、G大阪。長崎の高木琢也新監督も「相手はある意味、チャンピオンだ。レアンドロ、家長、二川、遠藤、明神、パウリーニョなどケアするポイントが多すぎる」と高い戦力を認めている。
晴れの舞台は今月1日に完成したばかりの真新しいスタジアム「長崎県立総合運動公園陸上競技場」。快適な全席独立シートに加えて全ての席を屋根が覆う。2層式の観客席はピッチまでの距離が近く感じられるように設計されており、全ての面においてJ2トップクラスの競技場だ。競技者に対しても観戦者に対しても多くの気遣いが込められている。歴史的な日となる10日の観戦チケットはほぼ完売で、当日は約2万人の観客が詰めかける。クラブの歴史上、最も観客を集める試合となるだろう。長崎にとって、これほど素晴らしいホーム開幕戦は他にはない。アウェイ開幕戦で得た自信もあり、チャレンジャーの長崎はただただ希望に燃えている。
一方のG大阪も今季初めてJ2を戦う。ただし、その背景は長崎とは全く異なる。昨年とほとんど変わらぬ高い戦力を持ち1年でのJ1昇格はクラブの最低目標だ。更なる繁栄を目指すため、チーム力を高めながらシーズンを戦うという高い目標を掲げている。
ただし、いつだってJ2に潜む魔物は、慢心するようなクラブに対しては猛然と牙を剥く。それは何よりこれまでのJ2の歴史が物語っている。そのため、長谷川健太新監督は個の力だけに頼らない組織的な攻守の構築に努め、攻守の切り替えの高さやサイド攻撃なども今季のスタイルの一つに掲げているという。遠藤も3−3で引き分けた京都戦後に次節の対戦相手である長崎のプレスの速さについて警戒するようなコメントをしている。
事実、長崎はまさに遠藤の予想通りハードワークによって高い位置からプレスをかけるつもりだ。チャレンジャーはハードワークで王者の高い個人技を封じ込めようとしている。決して引いて守備一辺倒の試合をするつもりはない。勝点を取りに行く戦いを挑む。高木監督がこの1週間、守備の練習を一切行わなかったことからその姿勢ははっきりとうかがえる。守備から攻撃への素早い切り替えや攻撃陣のコンビネーションとタイミング。シーズン前から何度も何度も繰り返し練習し、長い話し合いを持った。選手は積み重ね、刷り込んだ呼吸で、90分間に何回かだけ訪れるであろうチャンスを確実なものにしようとしている。
G大阪はそんな長崎の想いを簡単に跳ね飛ばすだけの強さを持つクラブ。彼らはJ2にいるべきクラブではない。10日の試合は王者とチャレンジャーのそれぞれが持つ想いとプライドを掛けた戦いになるだろう。
以上
2013.03.09 Reported by 植木修平
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第2節 長崎 vs G大阪】プレビュー:初めてJ2を戦う2つのクラブ。それぞれの想いとプライドと。(13.03.10)
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