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【J2:第5節 松本 vs 長崎】プレビュー:両チームともに目指すのは、“今季初の連勝”。強力アタッカー陣のそびえる長崎に対し、松本は先輩の意地を見せたい。(13.03.24)

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両チームともに“今季初の連勝”を目指す一戦となる。ホームの松本は17日のホーム開幕戦では熊本相手に松本のサッカーが出来ないまま1-2で完敗。戦前に松本有利を勝手に予想し、うららかな春の陽気にも誘われて試合前プレビューでちょっとはしゃいでしまった筆者にとって現実の厳しさを思い知らされ、更に熊本担当にはアンサーコラムを書かれる形となり、思わず泡を吹いてその場に昏倒しそうになった。悪いのは全て筆者であって自業自得というやつである。笑っていただきたい。

しかし前節に札幌に2-1で快勝したことで空気は明らかに変わった。主導権を握られていた前半を見て、反町康治監督はフォーメーションを中盤に3ボランチを配置する3-5-2へとシフト。札幌のサイド攻撃をケアすることで流れを掴むと、先制された後も下を向くことなく船山貴之が同点弾をあげれば、楠瀬章仁のJリーグ初ゴールが飛び出し、僅か2分間での電光石火の逆転劇。“粘り強く、最後まで諦めずに走り続ける”という松本スタイルでの勝利は、熊本戦後は表情も曇りがちだった選手たちに自信を取り戻させたことだろう。
一方、今季から戦いの舞台をJリーグに移したニューフェイスの長崎も、前節は好調の富山相手にJリーグ初勝利を果たすなど上げ潮ムード。ちなみにV・ファーレンのVはブイではなくヴィと読み(豆知識)、胸スポンサーは金利手数料全額負担でお馴染みのジャパネットたかた、背中スポンサーは長崎ちゃんぽんのリンガーハット。チーム名のファーレン(オランダ語で『航海』)にもあるように、いわばオール長崎の体制で臨むJリーグ初年度の“出航”は、予想以上の良い船出を切れた様子だ。

松本にとってはホームゲームだけに、金利手数料だけでなく長崎の勝点もゼロにしたいところだが、そうは問屋が卸さない。初年度のチームを託された長崎の高木琢也監督は、反町監督も「勉強家」と認める知将。3-4-2-1というフォーメーションのもと、相手のストロングポイントを上手く消すスタイルはやっかい極まりない。JFL時代に幾度も煮え湯を飲まされてきたことから松本サポーターにとっては顔も見たくない存在であろう有光亮太こそ負傷により戦線を離れているが、水永翔馬と佐藤洸一といった高さと強さのあるアタッカー陣がそびえる前線は富山戦でも機能。この高さはセットプレーまたロングボールの対応で大きな武器となっており、反町監督も「相手のストロングな部分を抑えて、強力な前線の選手を上手く使っている。特に水永はいい」と厳しい展開となることを示唆。今季初頭より「自分たちは21番目のチーム」と常々口にしていた指揮官だが、「別に長崎が22番目のチームとは言っていない」とその実力を既に認めている。

とはいえ松本はJリーグの一年先輩。長崎サポーターからは「JFLではこっちの方が一年先輩」「JFL時代の2年間は1勝3引き分けで負けていない」という真っ当な御意見も聞かれるかもしれないが、そういった不都合な真実にはあえて耳を塞ぎつつ、先輩としての意地を見せ付けなければいけない試合だ。特に気を配らないといけないのは、前述のとおり高さのある攻撃陣だ。終盤のパワープレーは間違いなく脅威。「J2の得点は30%がセットプレーから生まれる」と指揮官も口を酸っぱくして語るように、どれだけ主導権を握っていても、たった一瞬の気の緩みで試合が振り出しに戻るのがJ2。不用意な位置でのファウルなどは命取りになりかねず、求められるのは冷静な試合運び。どれだけ平常心で試合に入れるかが今節の勝敗を左右しそうだ。

以上

2013.03.23 Reported by 多岐太宿
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