今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第5節 富山 vs 京都】レポート:ひるまず真っ向勝負で活路を開く。富山がまたしても京都を撃破(13.03.25)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
富山がまたも強敵の京都を下した。これで対戦成績は2勝3分。目標とするチームに勝って自信は深まり、今後の戦いに弾みがついた。
富山はGK飯田健巳が昨年5月以来の先発出場。京都から期限付き移籍の守田達弥が契約の規定で出場できないためだ。またDF御厨貴文がホーム初先発。一方の京都はMF中山博貴がスタメン復帰し、前節負傷したDFバヤリッツァに代わり酒井隆介がセンターバックに入った。

「京都の実力は圧倒的で、守ろうと思って守り切れるものではない。こちらからガンガン向かっていくしかない」というのが富山・安間貴義監督の考え。これまでの対戦と同様に自らのスタイルで正面から挑んだ。
狭いエリアに人数をかけてボールを奪い、ショートパスをつないで攻めるのが両チームの特色。素早い攻守の切り替えと、走り込む相手を離さないマンマークが徹底されている。開始から2人がかり、3人がかりでボールを奪いにいく激しい局地線が続き、攻守が目まぐるしく入れ替わった。
富山は密集戦からスペースに展開し、MF朝日大輔を中心にチャンスをつくった。27分にはCKから御厨が狙うがシュートはGKがセーブした。対する京都も少しの時間やスペースがあると精度の高いプレーで一気にゴールに迫る。37分、39分には富山陣でボールを奪ってペナルティーエリア内まで侵入。富山の対応からは「油断すればやられる」という緊迫感が伝わってきた。
厳しいプレスによって双方ともゴール前にたどり着くのに苦労し、前半のシュート数は富山2、京都4。しかし、「3連戦の最後とは思えないほど、うちも京都も最初からハイピッチでやりあって、一瞬の隙もつくれない状態」(安間監督)は見ごたえがあった。

後半は立ち上がりから京都が押し込む。富山は耐えながらカウンターの好機をうかがい、同12分には自陣右サイドでMFソ・ヨンドクがボールを奪って縦パス、FW西川優大を経由して朝日が抜け出してGKと1対1の決定機を迎えるが好セーブに阻まれた。
京都に圧力をかけられると、疲れとともにプレスが緩み、攻守の切り替えも遅くなる。過去の対戦では後半途中から京都が一方的に攻める展開になることが多かった。しかし、今回の富山は違った。同22分、MF木本敬介の投入に合わせてポジションチェンジを行い、コーチング能力に優れるMF大西容平をアンカーに据え、運動量のある朝日を下げて中盤の守りの立て直しを図った。これが的中してプレスが機能すると、再び中盤で密集戦が発生するようになり、京都も簡単にはゴール前に攻め込むことができなくなった。
富山の決勝点は後半41分、自陣バイタルエリア付近の混戦からボールを拾ったMF大山俊輔がスペースのある右サイドへ。駆け上がった木本がドリブルで仕掛けてDFを交わし好機を演出。ニアサイドに送ったスルーパスを走り込んできたソが思い切り右足を振り抜いてGKの頭上を抜いた。

京都は同39分とアディショナルタイムにDF裏へのボールが走り込んだ選手にぴたりと合うが、いずれもオフサイド。富山の息のあったラインコントロールによって、オフサイドは10を数えた。御厨は「京都のゴール前でのつなぎが餌なのはわかっていた。食いつけばツンと裏へのパスが出る。ボールよりも抜けてくるFWへの意識を強くもっていた」と話す。冷静さを失わずに対処して完封した。
昨秋は勝利後にもかかわらず「京都と対等に戦えるように努力したい」と語った安間監督。今回は「(今も京都の実力が上であり)対等ではないのは試合を見てわかっていただけただろう。ただ、京都相手に面白い試合を演じられるようにはなった」。チームは確かに前進している。相性の良さでは片付けられない。前回よりも必然性を高めた勝利がそこにあった。

以上

2013.03.25 Reported by 赤壁逸朗
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着