単なる全34節の中の1試合ではない。それ以上の価値を持つ一戦が迫った。
「本当に難しいゲームになるだろう。ウチは(公式戦)5連勝しているけど、それが本当の実力なのか試される一戦だ」と横浜F・マリノスGK榎本哲也が言えば、FC東京の渡邉千真は、23日のヤマザキナビスコカップ・鹿島アントラーズ戦後すぐに「とにかく、次(の横浜FM戦)が大事でしょう」と目線を先へ向けた。
お互い力むのは、好調チーム同士の対戦だからこそ。横浜FMは開幕から全勝で首位に立つ。F東京は2連勝後、3節セレッソ大阪戦は0−1で黒星を喫した。しかし「(F東京は)めっちゃ強かったです。こっちは耐えて耐えて、90分やっていたので。何度か危ないシーンもあった」と、勝ったC大阪・茂庭照幸が言うほど、内容では圧倒。横浜FMの選手に聞いても、口を揃えて「F東京は調子がいい」とリスペクトしていた。今後のリーグ戦のキャスティングボートを握る上で、重要なゲームなのだ。
因縁渦巻く試合であることも、見どころの一つ。F東京には、一時は横浜FMで主力を張り、ファン・サポーターからも愛されるキャラだった、渡邉と長谷川アーリアジャスールがいるからだ。今季2人は開幕戦と2節で、アベック弾を決めている。昨年は控えに甘んじる機会の多かった渡邉は今季リーグ戦3戦3発と、本来の得点嗅覚を取り戻している様子。彼ら2人の活躍に元同僚は、「F・マリノスのみんなは、2人に負けたくない気持ちが一段と強い」(兵藤慎剛)と触発されていた。
渡邉と長谷川は昨年6月、古巣との初対決で乗り込んだアウェイ戦では、0−1と沈黙。「今日に関しては何もできなかったです」(長谷川)、「あまりボールに触ることができなかった」(渡邉)と、2人とも肩を落とした。
逆に横浜FMは、昨年9月の敵地での戦いで、1−3と完敗を喫している。失点の中でショッキングだったのは1点目。味方GKからパスを受けた中澤佑二がゴール前のルーカスにパスしてしまい、最後は田邉草民に押し込まれたものだ。試合後、中澤が「僕のミスから失点した」と硬い表情のまま話した。百戦錬磨の背番号22は、そんな過去のワンプレーを気にも留めていないかもしれないが、同じ過ちだけは繰り返せない。
横浜FMの懸念材料は、リーグ戦で3戦5発を叩き出した、マルキーニョスを出場停止で欠くことに尽きる。23日のヤマザキナビスコカップ甲府戦(2−0)では、彼の不在による決定力不足のストレスを感じることはなかったが、果たして今回は…。代役の藤田祥史は、プレッシャーはないかの問いに「ないです」とキッパリ。26日午後のシュート練習では誰よりも最後まで居残り、自らの“刀”である利き足の左足シュートを丹念に研いでいた。否応なしに移籍後得点への期待が高まる。
F東京は、4−2で勝ったヤマザキナビスコカップ2節・鹿島戦で李忠成、東慶悟が移籍後初得点をマーク。さらに前回の対戦で2ゴールを挙げたルーカスもいる。タレントを揃える青赤軍団の攻撃と、好調Wボランチ、中町公祐と富澤清太郎を含めた分厚い横浜FM守備との駆け引きも見もの。興味の尽きない“すべらない試合”が見られそうだ。
以上
2013.03.29 Reported by 小林智明(インサイド)
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