今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第6節 札幌 vs G大阪】プレビュー:ともに昨シーズンのJ1で屈辱を味わったチーム。どちらのポゼッションが勝利へとつながるか。注目の一戦だ。(13.03.31)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月の最終日に開催されるこの第6節。やっと春の訪れも見えてきた札幌市の札幌ドームでは、勝点6で現在13位の札幌が、同7で8位につけるG大阪と対戦する。ともに今シーズン、J2に降格してきたチーム同士の対戦とあって、注目を集めそうなカードである。

ホームの札幌は前節、敵地で福岡と対戦して1−0のスコアで勝利。立ち上がりに右サイドバックのチョ・ソンジンが負傷退場するアクシデントがあり、後半中頃にはセンターバックの奈良竜樹がこの試合2度目の警告を受けて退場となり数的不利となったが、73分に宮澤裕樹が挙げた虎の子の1点を守り切って勝利。連敗も3で止めた。

「前半は本当に消極的な試合の入り方だった」と財前恵一監督は手厳しく振り返る。
「相手のポゼッションに対してボールにプレッシャーがかからず、DFラインが下がってしまった」とも続けたように、3連敗で敵地に乗り込んだチームは、アウェイゲームの難しさも手伝ってか、なかなかアグレッシブに戦うことができないでいた。立ち上がりに負傷退場者を出してしまったことも、心理的な足かせとなったのかもしれない。

しかし、そのなかでも相手の攻撃を粘り強く跳ね返し、無失点のまま後半に折り返したことがチームに勇気を与えたようだ。後半については指揮官も「高い位置でボールを奪ったり、奪ったあとのポゼッションもできた」と手応えを口にする。数的不利になり苦しい状況に追い込まれたが、チーム一体となった攻守で勝点3を得たことは間違いなく勢いを生んでいるはず。今シーズン初の連勝に向けた契機となっているかもしれない。

一方、敵地に乗り込むG大阪の前節は、ホームで千葉と対戦して1−1のドロー。前半に守備陣のミスを突かれて先制を許したものの、その後に倉田秋の得点ですぐに同点とし、後半は膠着した堅い試合展開を粘り強く戦った。ホームゲームでの初勝利は逃してしまったものの、悪い流れから失点をする嫌な展開のゲームでしっかりと勝点を得たことは、ある意味で収穫とも言えるかもしれない。

この試合について長谷川健太監督は「前半のうちにビッグチャンスが何回かあって、そこを決めきれなかったことが引き分けに終わった原因」と見る。ただし遠藤保仁、今野泰幸という日本代表選手をW杯予選のため欠いて挑んだ試合。裏を返せば、その試合でも決定機はしっかりと複数回作れていたということでもある。「試合内容は良くなってきている」とも指揮官は続けており、チームとしてのパフォーマンスには一定の手応えを得ている様子である。

圧倒的な戦力を誇り、J1昇格の最有力候補と目されるチームが5戦を終えて1勝4分けという成績。果たしてこれをどう見るべきなのだろうか。

なかなか勝ちきれていないとも見れるだろうし、その一方で引き分けた相手は京都、横浜C、千葉といった難敵ばかりで、そうした相手からもしっかりと勝点1を得ていると見ることもできる。その意味では、今後の戦いぶりにこそ引き分けを重ねた価値が眠っているということなのだろう。引き分けという結果をいかにプラスにつなげていくか。G大阪の真価が問われることになる。

さて、そうして迎える試合の焦点としては「ポゼッション」を挙げておきたい。知っての通りG大阪は能力の高い選手が並び、しっかりとしたパスワークでポゼッションをしていくスタイル。同時に、今シーズンの札幌も財前監督がポゼッションを標榜しているのだが、そこには「力のある相手と対戦したときにこそ、マイボールを大事にすることが重要。簡単にボールを失ってしまっては、押し込まれ続けてしまう」という考えがある。つまり、強敵・G大阪と対峙するこの試合こそ、ポゼッションの重要性があるということだ。

互いに昨シーズンのJ1で降格という悔しさを味わったチーム。果たして、どちらのポゼッションが勝利へと結実するか。見どころ十分なゲームだ。

以上

2013.03.30 Reported by 斉藤宏則
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着