快進撃は止まりそうで、止まらなかった。横浜F・マリノスがリーグ戦・開幕4連勝を飾り、首位をキープした。
試合自体は「両チームにとって良い試合だったはず。見ている人は楽しかったと思う」とFC東京・長谷川アーリアジャスール。その通り! 内容、結果ともに見応え満点だった。その中で、3回ほど「運」が味方した横浜FMの方へ白星が転がり込んだと言えなくもない。
1回目は、61分の中村俊輔の直接FK。壁に当たり舞い上がったボールは、相手GK権田修一が伸ばす手には触れず、ゴールへ吸い込まれた。2回目は72分にルーカスのシュートが右ポストを叩いたシーン。3回目は藤田祥史の決勝弾。ルーカスとは逆に左ポストに当たるも、内側へ弾かれネットを揺らした。
ここで引用したくなるのが、ランコポポヴィッチ監督の記者会見でのコメント。
「スペインに『ポストに当たって入らなければ監督が悪いからだ。ポストに当たってゴールになれば、チームが、そして監督が素晴らしいからだ』ということわざがあります。まさに今日はそういう状況でした(笑)」
監督の良し悪しは別にして、要はF東京も素晴らしかったということだ。ワンタッチを中心に軽快にボールを回し、多士済々のアタッカー陣とボランチ、さらに「サイドバックまで上手い選手がいる」(横浜FM中町公祐)ため、相手にプレスさせる暇さえ与えなかった。
その中で27分に李忠成の先制点が生まれる。左サイドのルーカスが起点となり、長谷川が絡み、太田宏介がスピードに乗ったオーバーラップから左クロス。最後は李忠成が教科書どおりの左足ボレーで叩き込む。82分の2点目も流れるような展開から。長谷川が推進力を生かしてボールを運び、東慶悟へボールを預け、ゴール前へのフリーランでDFを引きつけ、その間に東のパスを受けた渡邉千真がゴール。どちらもF東京らしい流れる展開からの得点だった。
勝った横浜FMだが、内容面で一方的にやられたわけではない。希代の司令塔、中村俊輔の存在は別格だったように思う。両チームこれだけ優れた選手が集まった中でも、技術が際立ち、ボールキープからスルーパスを連発。兵藤慎剛らがその先へ走り込んだが、相手センターバック、ボランチのカバーリング能力が高いこともあり、決定機まで結実しなかった。ただ、中村が与えた脅威と、先制後に守備意識が少し高まった影響により、F東京はやや受けに回ってしまう。
その隙を見逃さないのが、横浜FMが首位に立つ一因だろう。中村のFK弾の7分後、藤田がボールに食らいつくダイビングヘッドでゴール。90分の決勝弾も含め、マルキーニョス不在を感じさせない見事な働きぶりである。まだまだ長丁場の戦いは続く。今後も中村、中澤佑二らが抜ける状況も出てくるかもしれない。その時々で藤田のようなハイパフォーマーが現れれば、「名門復活」がより現実味を帯びる。
以上
2013.03.31 Reported by 小林智明(インサイド)
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