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【J2:第7節 富山 vs 栃木】プレビュー:富山の桜はこれからだ。昇格同期・栃木との攻め合い守り合いに注目(13.04.07)

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富山は3月を3勝1分2敗で終え6位につけた。4月は昨季J1の神戸、G大阪をはじめ難敵が続き、早くもチームの真価が問われる。その初戦に迎えるのが昨季11位の栃木だ。09年J2参入の同期生だが、昇格後は○●△●●●○△●の通算2勝2分5敗・ホーム4戦4敗と分が悪い。今回こそライバルの壁を乗り越え、昨季最終戦から続くホーム連勝記録を4に伸ばしたい。

富山は3、4の両日、地元の高校と練習試合を行った。地域貢献の一環でもあり、定期的に実施している。対戦相手とすればかなり格下だが、最初は必ず主力選手をぶつけるのが安間貴義監督の流儀。「高校生はモチベーション高く全力で挑んで来てくれる。プレッシャーの中でパスをつなぎ、攻撃の精度を上げるという今のうちにとって必要な練習ができる」と話す。主導権を握る時間が増えて得点力アップに精力を傾注している現在、タイムリーなトレーニングになったようだ。
ゴール前のコンビネーションは「点で合わせていく段階に入っている」とFW西川優大。「練習を重ねながら結果を出し、『これだ』という形をつかみたい」と話す。監督は試合映像で見せながら「今はわずかにパスがずれたりタイミングが合わなかったりしてミスになっているが、これが通ればビッグチャンスになる。積極的に狙っていけ」と選手に伝えているという。攻撃面でより高度なレベルを追求し始めたのは間違いなく、今週の試合や練習でもピンポイントで味方に合わせようとするクロスが今まで以上に多く見られた。これらの取り組みが成果に結び付くようになれば上位定着がみえてくる。

栃木は前節の北関東ダービー・群馬戦を3−0で快勝し、成績を2勝2分2敗の五分に戻した。オーストリア・ザルツブルグから移籍のMFクリスティアーノ、2得点したFW近藤祐介ら新戦力が活躍し、チームは軌道に乗りつつある。今節は上位浮上へ向けて勝利がほしいところ。士気は高まっていることだろう。
両チームはキャンプ中の2月5日に宮崎で練習試合(45分×3本)を行っている。栃木が1−0(0−0、0−0、1−0)で勝ったが、主力同士がぶつかった1、2本目は富山が長くボールを保持して優勢に進めた。富山の選手は当時の試合内容に好印象を持っている。だからこそ自戒を込め、DF吉井直人は「今回どうなるかはやってみなければ分からない。外国人選手のコンディションも上がっていると思う。当時のイメージは頭から消して試合に臨みたい」と話す。
再び富山が押し込む展開になったとしても堅固な栃木の守備ブロックを崩すのは容易ではない。過去2得点を挙げている富山キラーFW廣瀬浩二のカウンターアタックをケアしながら油断なく進めなければならない。今季の栃木は群馬戦でみせたように前線からもアグレッシブにボールを奪いに来る。定評のある堅守速攻との使い分けがゲーム展開を左右するかもしれない。

富山、栃木ともこれまでは堅守速攻のイメージで語られることが多かったが、今季はボールを保持して攻撃のバリエーションを増やそうと試みている。ともにリーグ2位タイの4失点と守りは固い。どちらが相手ゴールをこじ開けることができるのか、今季の課題である攻撃の力量を測る機会として興味深い。
栃木発のJ2日記「研究されても問題ない!」にあるようにセットプレーは富山にとって脅威だ。また、富山の高く設定した最終ラインの裏への飛び出しを虎視眈々と狙ってくるだろう。しかし、栃木が突こうとするウイークポイントは半面、富山が最も注意し工夫を凝らしている部分でもある。事実まだセットプレーからの失点はなく、相手から得たオフサイドの数も際立って多い。両者のチームづくりや試合運びに込めた思惑も想像しつつ熱戦を楽しみたい。

以上

2013.04.06 Reported by 赤壁逸朗
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