風は吹いたり止んだり、雨も降ったり止んだり。まるでピッチ上の選手たちを翻弄するかのような天候。選手たちにはやりにくい環境であったことは否めない。しかし、試合後に両チームの指揮官が語ったようにお互いの持ち味を存分に見せた好ゲームであった。足元の悪い中、ケーズデンキスタジアム水戸まで訪れた2513人の皆さんもそれは感じたことだろう。
示し合わせたわけでもないだろうが、この日はお互いにフォーメーションと選手構成を微修正して臨んだ。まずホームの水戸は試合後に柱谷哲二監督が語るように、中盤をボランチ2枚のボックス型ではなく、橋本晃司をトップ下・右サイドに西岡謙太・左に小澤司・ボランチに新里亮を配置するダイヤモンド型で構成していた。とはいえ必ずしもこの限りではなく、状況に応じて橋本がサイドに流れたり、前線の鈴木隆行が下がってボールを収めたりとそれぞれが自由に動き回り、松本守備陣をかく乱する。またボール保持能力の高さで一瞬のほころびを突こうと隙を狙う。一方、アウェイの松本は「選手の良さを出す」(反町康治監督)ための、ボランチを3枚配置した3-5-2だ。ユン・ソンヨルが下がり目のアンカー、負傷明けの岩沼俊介とパク・カンイルが高目に位置している。
試合開始50秒で松本にゴールチャンスが訪れる。玉林睦実からのアーリークロスに反応して、1対1を作ったのは長沢駿。これはオフサイドの旗が上がるも、アウェイチームとしては悪くはない出足である。すると、13分に先制点が生まれる。ボールを受けた岩沼がサイドに流れて、ゴール前へ上げたクロスに反応したのは船山貴之。4試合連続で10番に相応しい仕事ぶりを見せる。しかし、水戸の10番も負けてはいない。25分に危険な位置で得たフリーキックのチャンス、蹴るのはもちろん橋本晃司。その右足から振りぬかれたキックは美しい弾道を描きながら、そのままゴールネットへと突き刺さった。歓声半分溜息半分でスタジアムがどよめくほどのゴールでホームチームがすぐさま追いつく。
まだ落ち着き覚めやらぬなか、アウェイの松本に、この試合3ゴール目が飛び出す。水戸のパスミスを拾った船山からユン・ソンヨル、そして長沢へとボールが渡る。その瞬間、右サイドに船山、左サイドは岩沼が機を見て駆け上がると、相手ディフェンダーを引き付けた長沢は岩沼へとパス。「良いボールが来たので、あとは打つだけだった」との言葉通り、冷静に流し込んだ。カウンターから効率良く得たゴールは、結果的にこの試合の決勝点となった。
後半はボール保持能力に勝る水戸がペースを握り、松本ゴールへと襲い掛かる。しかしフィニッシュの精度に欠けた部分もあったが、反町監督が「我々も陣形を整える力はありますから、動かしてくれたことによってしっかりとポジションをとることが出来て、その後のボールにも対処出来た」と振り返るように、割り切ってゴール前を固める松本の壁を最後まで崩すことが叶わなかった。最前線からのチェイシング、ゴール前のブロック、そしてボール奪取後のカウンター……。この日はアウェイチームの方が試合巧者ぶりでは一枚上手であった。
得点は全て前半にあげられたもの。結果論から言えば、試合は45分いや33分で決した。しかし試合後に柱谷監督が「今までで一番面白かったゲーム」と話したのも理解出来る。それは強がりなどでは断じてない、手応えがあったからこその心の叫びであった。だから、試合後に中へシンプルに勝負しない両サイドバックへ厳しい叱咤も飛んだのだろう。
以上
2013.04.08 Reported by 多岐太宿
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