5つのゴールの興奮はなかなか醒めるものではないが、互いの良さも悪さも、成熟も未成熟も見えたゲームだった。それぞれのゴールに酔いながら同時に、失点が追加点を呼び込んだ「自作自演」な展開をどこかつっこみたくもなる。かといってすんなりと決まるゲームでは得られないカタルシスに、結局のところサッカーの面白さと怖さを深く味わうことになった。
春の嵐の中、前半を風上に陣取ったのはホーム・岡山。ピッチ上は舞うような風もあったが、追い風を味方につけて岡山が先制した。自らのゴールについてあまり多くを語らないFW荒田智之が、「キーパーもちょっと出ていたし、あそこから浮き球でちょっと落ちるようなボールを打てば入るかなと思った」と話した職人技の美しいゴールだった。
両チームが認めるとおり、前半は岡山が支配した。ボールを奪う意識が高く、奪ってからは味方との適切な距離をが維持しながら前に運べた点では、今季ベストのパフォーマンス。またワイドを上手く使い、後ろの選手のオーバーラップと中の桑田慎一朗、関戸健二が機能した。
一方、前半の札幌は、攻撃を組み立てても、ギアを上げられなかった。しかしショートパスをつないだ岡山の攻撃もペナルティーエリア内ではかわし、追加点を許すことはなかった。CB奈良竜樹と、今季初出場となったSBの小山内貴哉と前貴之が19歳、CBのパウロンが23歳と非常に若い最終ラインは、ボランチの河合竜二との連係で踏ん張った。
後半開始と同時に札幌は、ボランチに砂川誠、左SBに上原慎也を投入し、ポゼッションの時間を増やしていく。「後半20〜25分までは相手にボールを持たれていても、ペースを渡している感じではなかった。そんな中で不用意な、ちょっと気が抜けた(対応があり)、相手が勢いにのってきたことでペースを渡してしまった」と岡山・影山雅永監督。
岡山は後半29分、最後方でボールを奪った札幌に、ゆっくりと攻撃を組み立てることを許してしまう。フィニッシュは、砂川の右からのクロスにMF内村圭宏がヒールで軽く合わせてゴールイン。内村はこのゴールの5分後、上里一将からのロングボールに抜け出し、2点目を挙げる。1点目は、砂川がボールを持ったら動き出すというオートマティズムにプラスして、「テレと目が合って、狙いどおり入れた」という練習の効果の現れたゴール。2点目は、「はっきり決めてやろう」という意思のあるゴールだった。
逆転された岡山だが、早い切り替えから右サイドを抜け出して荒田がシュート。こぼれ球に詰めていた田中奏一が、「荒田さんから、『打て』と言われて」、頭で流し込み、J初ゴールを決めた。失点から1分後にスコアを引き戻す同点弾だった。そして後半39分には、セットプレーからDF竹田忠嗣が右足で決勝点を決める。「セットプレーからの得点は増えていて、(今日は)僕の決める順番だったかなと思います」と竹田。
後半29分から39分の10分間に4ゴールが生まれた緊迫のゲーム。岡山はFW上條宏晃と今季初出場のFW久木田紳吾を、札幌は前田俊介を入れ、最後までゴールを追い求めた。試合後、チームの若さについて聞かれた札幌の砂川は、「若い、という言葉で片付けることは出来ないし、プロなんだからそういう言葉は使いたくないですね。岡山だって若い選手が多いですし」と答えた。岡山も良さと悪さ、成熟と未成熟を発露しながらも開幕から7戦負けなし。ホームでは昨年8月5日の熊本戦から11戦無敗記録を更新中だ。
以上
2013.04.08 Reported by 尾原千明
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