今日の試合速報

チケット購入はこちら

J’s GOALニュース

一覧へ

【ヤマザキナビスコカップ 新潟 vs 鹿島】レポート:試合巧者ぶりを発揮した鹿島がダヴィの2得点で快勝。新潟はミスに泣く(13.04.11)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
鹿島が2-1で新潟を下して公式戦3連勝。前半29分、FWダヴィがフリーキックからの折り返しをヘディングで決めて先制した。ダヴィは41分にも、相手GKのキックをブロックして押し込み、2得点を挙げた。
新潟はマンマークで鹿島を苦しめながらも、一瞬の隙を突かれて2失点。こちらは公式戦3連勝を逃した。

ダヴィの得点感覚が冴え渡った。前半29分、小笠原満男のフリーキックを、ペナルティーエリア右で遠藤康がキープ。そこからのクロスを頭で合わせた。
圧巻だったのは、その12分後だった。バックパスを受けた新潟のGK竹重安希彦が、ボールをコントロールしようとした隙を狙って全速力でチャージ。相手のキックに合わせて足を出すと、はじき返されたボールはマウスに吸い込まれた。
「ああいう隙は狙っている。今日もいけると思っていた」。リーグ戦前節のC大阪戦でも、同様の形で相手ボールを奪い、遠藤の決勝点を導き出した。今度は自らがゴール。結果的にこれが決勝点になった。

昨季はJ2甲府で32得点を挙げて得点王に。2007年の札幌を皮切りに、Jリーグでのプレーは6シーズン目。トニーニョ セレーゾ監督が「貪欲さ、がむしゃらさをチームに伝えている。チームのために何をするべきかを理解している」と言うように、移籍1年目でもスムーズにチームの力になっている。「J1は守備も強く、攻撃のレベルも高い」と足元を見つめながらチームに貢献しようとする姿勢は、リーグ戦でここまで3得点という好調さにもつながっている。

エースの力を引き出したのは落ち着いた試合運びだった。マンマークで張り付いてくる新潟の守備を簡単に崩すことはできなかった。ただ、少ないチャンスは確実にものにした。小笠原のフリーキックからの先制点は、中央を警戒していた相手守備の裏をかくようにペナルティーエリアに入った遠藤へ。遠藤がクロスを入れたとき、新潟の守備はマークを離してボー ルに向いていた。2得点目も、相手の緩慢なプレーを見逃さない集中力から。
「鹿島とうちの違いがはっきりした。ああいう隙を突いてくるチームは強い」。新潟の柳下正明監督が言うように、途切れない集中からくるしたたかさが、勝点3を生み出した。

その新潟は自滅に近い形で2失点。最初の失点は今季たびたび奪われているセットプレーから。2点目は凡ミス。ゲームキャプテンの三門雄大は「どちらも自分たちが原因。もったいない失点」と悔やんだ。ヤマザキナビスコカップ予選3節のC大阪戦、リーグ戦前節の仙台戦と重ねた白星はここでストップ。勢いをつかむことはできなかった。

スタイルは貫いた。立ち上がりからマークに張り付き、奪って速く展開する。ただ、サイドで起点が作れず、中央でもタテにつながらずに細かいミスが重なった。そのため、次第に攻撃の落ち着きを失っていった。

一方で収穫もあった。ベテラン内田潤の存在だ。後半開始から右サイドバックに入ると、サイドでの起点作りに奔走。41分の川又堅碁のヘディングを引き出したのは、内田のクロス。「相手の(中田)浩二がじゃまだったので、ストレートで入れた」。相手に囲まれた状態でも冷静に間を見つけて、精度の高い1本を入れた。「川又のゴールは90パーセント以上が内田のクロス」と、柳下監督も絶賛した。
昨年5月に右膝靭帯損傷などで全治8カ月の重傷を負った。地道なリハビリを続け、ようやくピッチに戻ったチーム最年長35歳のベテラン。この試合は今季公式戦3試合目の出場。出場45分は今季の最長時間だ。「これから、伸ばしていきたい」。敗戦の中、貴重な戦力が復帰した。

中2日の強行日程の中、調整と修正の繰り返しが続く。この試合の課題と収穫を週末のリーグ戦に生かせるかが、今後のチーム力アップにも影響してくる。両チームにとって、そのための刺激になった。

以上

2013.04.11 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2025/12/21(日) 10:00 知られざる副審の日常とジャッジの裏側——Jリーグ プロフェッショナルレフェリー・西橋勲に密着