今季いまだ勝ち星のない大分。開幕から5試合勝利なしの記録は、2003年にJ1に昇格して以降の7年間でも初めて。過去のデータを見ても苦戦していることが伺える。しかも、今節対戦する鹿島は公式戦3連勝と本来の勝負強さが戻り、好調であることは間違いない。2007年の30節に対戦して以来、大分の5連敗と相性は良くない。鹿島の断然有利は変わりないが、大分としては未勝利のトンネルを抜け出すためにも、熱気溢れるホームでアドバンテージを生かして戦いたい。
ヤマザキナビスコカップ4節名古屋戦の前日、田坂和昭監督は「結果は出ていないがナーバスになる必要はない。下を向くな。俺は何も諦めていないし、すべての試合で勝ちにいきタイトルを獲る」とミーティングで話した。ここまで少しずつであるが確実に進歩していることを説き、これまでの1カ月を無駄にしないためにも「全力で結果を出すこと」を確認した。選手は指揮官の熱い思いに心揺さぶられた。「チームのために、サポーターのために、そして監督のために」と一丸となって臨んだ名古屋戦は引き分けに終わったが、これまでにない集中力と球際の強さをみせ、戦う姿勢が存分にでた。
この試合で今季初ゴールを挙げた森島康仁は語る。「これまでは、まだ大丈夫だという慢心があったのかもしれない。ただ、いまは個人としてもそうだが、もう下はない。あとは這い上がるだけ。勝ちたいという気持ちがこれまで以上に強くなった」と心境の変化を語る。勝利に飢えたチームは勝利を渇望している。
士気上がる大分と対照的に、試合を重ねる毎に上昇する鹿島は淡々と勝点を積み上げている。今節はアウェイの連戦によるコンディションを考慮し、水曜日の新潟の翌日に鹿島に帰らず大分入りした。水曜日の試合で2得点のダヴィは「アウェイ2連戦を連勝することが目標」と、お得意様相手に取りこぼしは考えていない。抜群のシュートセンスを持つゴールハンターの加入で、ワンランク上のチームとなった常勝チームは盤石だ。
特に直近の3試合での失点は1、守備の安定が目を引く。ボランチとCBの4人が連動し、バイタルエリアで相手に自由を与えない。裏への飛出しに対しても、ラインを下げて対応する。攻撃も相手のミスを見逃さず、先制点を奪えば、リードを活かして試合を優位に勧める老練さも見せる。1−0で勝利する術を知っている鹿島に隙は見当たらない。
真っ向勝負を挑めば、実力通りの結果になることは目に見えている。大分としては奇策なり、これまでと異なるアプローチで目先を変えていくしかない。それが選手起用であったり、システム変更であったりと手段はある。変化と我慢について田坂監督は、「バランスとタイミングが必要。少しずつ改革はしないといけない」と鹿島戦に向け綿密なプランを立てて臨む。
鹿島にとって大分は「勝って当たり前」の障害にさえならないチームであるが、大分にとって鹿島は勝てば大金星であり、ジャンプアップするための大きな踏み台となる。結末はいかに!?
以上
2013.04.12 Reported by 柚野真也
J’s GOALニュース
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