J1にて現在、3勝1分1敗、勝点10で4位につけるＣ大阪と、3勝2分、勝点11で3位と躍進する大宮。Ｃ大阪のホームである大阪長居スタジアムで、スタートダッシュに成功した両者の対決が実現する。かたや、Ｃ大阪は、今季J1リーグ戦、ヤマザキナビスコカップを含む公式戦ホームゲームでは3勝1分と、しっかりと地の利を活かしている。かたや、大宮は昨シーズンからJ1リーグ戦で16試合負けなし。あと1試合で、2009年に鹿島が達成した17試合無敗というリーグ記録に並ぶ。『負けない』チーム同士の激突は、今節最も注目すべき試合と言っても、過言ではない。

15日間で5試合というハードスケジュールの、今回が最後の5試合目。Ｃ大阪と大宮は対照的な戦いを積んできた。Ｃ大阪のほうは、「どの大会も我々にとってその重要性は同じ。さらに、チームとして、同じメンバーで試合を重ねることで、チームの完成度を上げていきたい」というレヴィークルピ監督の意向のもと、先発の変更は1、2名程度と、ほぼ同じ陣容で戦ってきた。逆に、大宮はJ1リーグ戦とヤマザキナビスコカップで若干の選手の入れ替わりがあり、特に先のヤマザキナビスコカップ予選リーグ第4節甲府戦では、4日前のJ1第5節Ｆ東京戦から、スターティングメンバーを6人入れ替えている。

そのなかで、この4試合の成績を見ると、Ｃ大阪は1勝1分2敗、大宮は3勝1敗となっているが、Ｃ大阪はホームで負けなし、大宮はアウェイ2試合をいずれも1−0で勝利しているというデータも興味に値する。ただし、4月10日に行われたヤマザキナビスコカップではともにホームで戦いながら、Ｃ大阪がＦ東京を2-1と下したのに対して、大宮は甲府に1-3と敗れた。この影響がどう出るかは、ひとつのポイントにもなるだろう。今回はＣ大阪がホーム、大宮がアウェイという構図のなかでの試合。勝敗がどちらに転ぶのか、今から興味は尽きない。

両者の共通点は、守備の固さ。リーグ戦での失点数は、Ｃ大阪が最少の3、大宮は浦和とともに4と、1試合につき1失点未満の数字を残している。そのJ1で、すでに2試合ずつ無失点での1-0での勝利を達成していることも、粘り強さを表している。

逆に攻撃面では、J1において、Ｃ大阪が柿谷曜一朗の3点、山口螢の2点と、ゴールを決める選手が限られているのに対して、大宮は富山貴光が2点を取っている以外、菊地光将、青木拓矢、ズラタン、ノヴァコヴィッチが1点ずつと、ばらつきがあるのは特長的だ。だがしかし、Ｃ大阪のほうでは、ヤマザキナビスコカップＦ東京戦でシンプリシオが得点を決め、さらに、その試合で途中出場した枝村匠馬、楠神順平といったアタッカーも活躍。公式戦全試合出場中の18歳FW南野拓実も含めて、攻撃陣に光が見えつつある。

Ｃ大阪と大宮の対戦といえば、攻撃的なＣ大阪に対し、大宮が堅守速攻で応戦するという構図が、これまで続いていた。そして、2010年以降のJ1では、Ｃ大阪の2勝、大宮の3勝、1つの引き分けという6試合だった。そして、勝者はいずれも先手を奪っている。ともに守備が今季機能していることを考えても、鍵は先取点。そのことからみても、今節唯一のナイトマッチは、キックオフから目が離せそうにない。

「僕らの試合で（Jリーグ無敗の）タイ記録になるということなので、それだけは絶対にさせたくないですし、ホームで今年は負けていないので、ホームでやる以上、引き分けではなく、勝ちにこだわっていきたい」というのは、Ｃ大阪の山口。果たして、その言葉通り、Ｃ大阪が記録を止めるのか。それとも、大宮が歴史を作るのか。その目撃者になるべく、ぜひ両サポーターには長居に集ってもらいたい。

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2013.04.12 Reported by 前田敏勝