キックオフと時を合わせるように強烈に降り始めた雨。そして、強まる風。試合は4分あまりで中断に追い込まれた。突然やってきた春の嵐は41分間の中断で収束し、嘘のように雨も風もやんだもののスリッピーなピッチコンディションを残した。水たまりができるほどではないが、ボールが滑り、足がとられる難しいピッチコンディション。そこでまずは群馬が愛媛のパスミスを突き、平繁龍一が拾って仕掛けると青木孝太、夛田凌輔が立て続けにゴールを狙い厚みのある攻撃で最後にはFKを獲得した。そのシュートは枠をとらえられなかったが、まずは群馬が波状攻撃で愛媛のゴールを脅かした。
戦前は愛媛も群馬も3−4−3の布陣かと思われたが、4−3−3のような形を取るの群馬に愛媛は右サイドでイニシアチブを握られた。何度か群馬の左サイドに突破を許してゴール前まで迫られたが、それでも前半31分、愛媛は素早いリスタートから反撃を開始。東浩史からトミッチを経由して右サイドの石井謙伍に渡ると、クロスのこぼれ球を拾った三原向平が狙い済ましてループシュートを放つ。これはバーに阻まれてしまったが、今度は愛媛は前半最大のチャンスを作り出した。
そして、先制点は後半開始直後に生まれる。後半2分、愛媛は小原章吾が右サイドにボールを送ったところ、クリアボールが赤井秀一の足元にこぼれる。すると赤井はゴールに向かってボールを運びながら、冷静に状況を判断。ゴール前に走りこんできた河原和寿に合わせ、愛媛の先制点をお膳立てした。さらに、続く後半16分にも今度は逆サイドで同じようなことが起こってしまう。群馬のクリアが愛媛の村上巧に当たり、そのこぼれ球が再び赤井の足元へ。赤井はゴールに向かって走る石井へピンポイントでクロスを送り、追加点をアシストした。
群馬としてはアンラッキーな要素も含まれた失点。今節も悪い流れを断ち切れず、4連敗を喫してしまった。試合後に監督も選手たちも「今のスタイルを続けること」と語っていたが、その中でまずは失点を減らすことができるか。これで4連敗中はいずれも複数失点で計11失点。多くは立ち上がりや終盤など危険な時間帯に失点をしており、それがゲームプランにも少なからず影響を与えている。次節の福岡戦(4/17@正田スタ)まで与えられた時間は少ないが、リフレッシュをすることで高い集中力を持って試合に臨み、最小失点でゲームを進めて4試合ぶりのゴールと5試合ぶりの勝利へとつなげたい。
逆に、愛媛は苦しい前半を乗り越えて後半に流れを手繰り寄せた。そして後半に2得点を奪っての快勝。チャンスを作りながら2試合ゴールを奪えず、連敗という結果に繋がっていただけに、特に愛媛での初ゴールを決めた河原ら攻撃陣にとっては自信を深める結果を得た。新チームのスタイルを追及しながら勝点3を手にした点でも、注目の若手監督対決としては石丸清隆監督が後半に建て直して第1ラウンドを制する結果となった。さらに成果としては、開幕戦以来の複数得点に加えて、3試合ぶりの完封も達成。幸先よく連戦のスタートを切ることができた。
ただ、愛媛にとって重要なのは連戦の残り2試合。アウェイ連戦となるが、まずは次節の熊本戦(4/17@うまスタ)で今季初の連勝を成し遂げられるかどうか。今後は試合毎の好不調の波を小さくしていかなければならないし、3連戦の最後はなんといっても四国ダービー(4/21@鳴門大塚)。ライバルとの大一番が待っている。逆に、ここを乗り切ることができればチームはより大きな自信を手にすることになる。それだけに、この勢いを持ってまずは次節の熊本戦で今季初の連勝を目指したい。
以上
2013.04.15 Reported by 近藤義博
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