富山が首位・神戸と互角以上に渡り合った。相手を上回る決定機をつくり、リーグ最多得点の攻撃陣を今季初の無得点に封じた。スコアレスドローに終わって金星こそ逃したが、堂々と戦って手にした勝点1だ。地力強化の手ごたえは確信に変わりつつある。
強い風が吹く中でのゲーム。前半風上に立った神戸はシンプルに前線へとボールを出し、FW田代有三のポストプレーや、ポポに代わってFWに起用された小川慶治朗のDF裏への抜け出しを軸に攻めた。6分、相手パスミスを中央で拾った小川が胸トラップから体を反転させてミドルシュートを放つが、富山GK守田達弥が好セーブしてチームを救った。
その後も神戸はDF相馬崇人のドリブル突破やボランチ2人の効果的な攻撃参加で好機をつくった。35分には中盤でこぼれ球を拾ったマジーニョからのスルーパスで小川が決定機を迎えたがシュートに力がなくGKにキャッチされた。
富山は12分、左サイドをパスワークで崩してクロスをMF國吉貴博がヘディングで狙う。ペースをつかんだ20分過ぎからは逆風をものともせずに攻め返すようになった。MF朝日大輔を中心にパスがつながり、前線からのチェイシングは相手のミスを誘った。追い風となった後半はさらに勢いづき、縦へ縦へとスピーディーに攻めて得意とする走り合いの激戦へと持ち込んだ。交互に攻め合いながらも主導権は握り続け、決定機を何度もつくった。
同6分、MF大西容平のアーリークロスにFW苔口卓也が合わせ、19分にはカウンターから再び苔口が狙うが、いずれも神戸GK山本海人が立ちはだかる。31分にはFW西川優大のシュートが際どくゴールを襲い、36分のMFソ・ヨンドクの無回転FKも得点の可能性を感じさせた。44分にも西川のポストプレーからソが狙ったがシュートはゴール左に外れた。
「自分が決めていたら勝てた。勝点2を失ったと捉えている」と苔口が悔しがる。“首位を相手に健闘”という表現は富山の選手に失礼なぐらいに、間違いなく神戸を追い詰めていた。安間貴義監督は「(一発狙いの)弱者の戦い方はしていない。失点の少ない神戸からあれだけ多くの決定機をつくれた」と自負した。
神戸の安達亮監督は会見で「結果も内容も少し残念」と切り出した。攻撃が単調になりゲームを支配できなかった要因として「十分にフリーなのに自分から早いタイミングでボールを離して割と長いボールを入れてしまった。本来ならDFライン、ボランチ、GKも含めて後ろでボールを動かす力はあるはずなのに」と話した。監督が指摘した「勝ち続けているから負けたくないとの思いが強過ぎてミスをしないように」という気持ち、相手のプレッシャーに対する感じ方、加えて今回は風上の利を生かそうという心理が強く働いたのも原因のひとつかもしれない。選手からはアウェイでの難しい試合で勝点を加算したことを前向きに捉える発言も聞かれた。大事なのは負けなかった事実や得た教訓を糧にして次の試合に勝つこと。これは富山にもあてはまる。
中2日で行われる次節(4/17)、神戸はホームでの北九州戦、富山はアウェイでの「TOP OF北アルプス」岐阜戦が待つ。
以上
2013.04.15 Reported by 赤壁逸朗
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