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【J2:第9節 横浜FC vs 長崎】プレビュー:一体感を持って勝利を重ねる好調の4位長崎を迎え、横浜FCは前節得た確信を連勝に結びつけられるか(13.04.16)

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今シーズンのJ2も早くも第9節と、最初の5分の1はすでに戦い終えたことになる。順位表を見ると、上位に本命と呼ばれたチームの名前が並ぶようになってきた。その中で、J2参入1年目の長崎は勝点14の4位、勝点だけで言えばG大阪に並んでいるのは、良い驚きをもってみられるかもしれないし、昨年4位に入った横浜FCが18位と下位に沈んでいるのは不本意な状態だろう。一方で、順位表の並びを見ると、自動昇格圏の2位と、18位横浜FCとの勝点差は5と、それほど広がっているわけではない。つまり、例年通り「混戦J2」であることにも変わらない。ただ、この時期に勝点を伸ばしチームに確信と勢いを付けることは、シーズンを通した流れに大きな影響を及ぼす。3連勝を達成している長崎と、前節京都に勝利して上昇のきっかけを掴んだ横浜FCにとって、ともに連勝を伸ばしたい試合となる。

横浜FCは、ここまで非常に苦しんでいた。昨年の躍進を支えた「前進する保持」はピッチで表現し、相手を上回るシュート数を記録しながらも勝点3に結びつけられない試合が続くと、第4節(群馬戦)から第6節(山形戦)に3連敗を喫する。特に山形戦の1-5という大敗は、外からの見た目には昇格への黄信号から赤信号に見えたかもしれない。しかし、松下裕樹や森下俊が「山形戦で大敗したことで、チームが変わった」、「自分たちを見直せてプラスにできた」と語るように、サッカーの「戦う」部分についてこの2試合で大きな改善が図られた。監督、スタッフ、そして選手は、やるべきサッカー自体を変えずとも、1つの1つのプレーに対する激しさ、集中を高めることで、システムを機能させられることを示してきたと言って良い。

前節・京都戦の後に、山口素弘監督は「(守備について)今日だけではなくて、ここのところずっとバランスが良くて」と語ったが、ここのところ、1ボランチとセンターハーフの2人の3人で連携して守備をする形が有効に機能するようになっている。プラスして、攻撃においても、同じ3人の連携が機能する場面が増えてきている。前節の京都戦でも、3人のうちの誰かが、代わる代わる前に飛び出すプレーも見えてきている。
さらに、前節は強烈なポゼッション力を持つ京都相手に、時にはゴール前に鍵を掛ける粘り強い守備で無失点を達成。昨年の横浜FCが持っていた「タフさ」も戻ってきた。昨年の躍進できた状態に戻ってきた部分、そして機能してきた新しいシステムが見せるプラスONEの部分、この試合で連勝を果たせれば、前節の京都戦でチームが得た確信を、チーム全体の上昇気流に変えていけるだろう。「すぐ連戦で、そこ(長崎戦)で勝たないと意味がない」と森下が語るように、山形戦の大敗、京都戦の勝ちを活かすためには、この試合を勝利で終わるしかない。

ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込んでくる長崎は、J2ルーキーで横浜FCにとっては初顔合わせの相手であるが、そのいやらしさはすでにわかっているかもしれない。その理由は、もちろん指揮官の高木琢也監督。横浜FCを率いた2006年の監督就任初年度にJ2優勝を果たし、横浜FCのサポーターにとっては、その指導力は熟知しているところだ。3連勝中で現在4位という事実だけでも、流れに乗っている様子はわかるが、この3連勝が、アディショナルタイムや終了間際の得点によってもたらされているということは、チームに一体感や勝利への確信が満ちているという証拠。そのベースになるのは、高木監督がもたらしている組織力、連動性という部分だろう。2006年に横浜FCが体験しているように、高木監督が一度作り上げた組織力はなかなか崩れないし、勝つツボを心得たいやらしいチームになっていく。この横浜FC戦においても、このベースを変えずに戦えば、4連勝も見えてくる。

試合は、山口監督、高木監督という知将同士の頭脳戦の側面も出てくる。ともに、組織的な攻守を見せるチームを作り上げているだけに、相手の良い面を消しながらという試合の流れになっていく可能性がある。そこで、焦れないこと、90分の中で自分達の良さを出せる時間を見つけることが重要になる。連戦の2戦目だけに、終盤の体力的にきつい部分で隙を見せた方が負け、相手の隙を見つけた方が勝ちに近づく。選手交代などの采配を含め、時間を意識した駆け引きに注目したい。

先週から始まった連戦は、1回だけ1週間のインターバルがあるが、ゴールデンウィーク終了まで過密日程が続く。このような日程では、負けると修正が利かないが、勝つと勢いを増すことができる。連勝を賭けて戦う両チームの熱い戦いとなるのは必死。平日のゲームになるが、是非ニッパツ三ツ沢球技場に足を運んで欲しい。

以上

2013.04.16 Reported by 松尾真一郎
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