過去の全公式戦を通しても、今回が初顔合わせとなる『ガンバ大阪VS松本山雅FC戦』。前節、モンテディオ山形との上位決戦を制し、2位に躍り出たG大阪のホームゲームとなる。

前節の山形戦では序盤からペースを掴んだG大阪が優位に試合を展開。立ち上がりから積極的にゴールを狙う姿勢を示したが、東京V戦と同様になかなかゴールが奪えない。だが、その東京V戦と違ったのは、21分にセットプレーからDF岩下敬輔が頭で決め、前半のうちに均衡を破ったこと。後半は、MF家長昭博やFWレアンドロが好機を見出すシーンもあったものの、風下の状況も影響して押し込まれるシーンも。それでも、最後まで前半に奪った１点を守り切り、勝利を引き寄せた。

この試合を受け、「殆ど危ないシーンを作られなかっただけに、もう１〜２点とれれば完璧な試合だった」と話したのは長谷川健太監督だが、ここ数試合、圧倒的な試合内容が増えているからこそ、ここ２試合で１得点、しかもセットプレーからの得点というのは物足りない部分。今節の松本戦も、ホーム戦だということを踏まえてもおそらくある程度、ボールを支配しながら試合を運ぶことが予想されるが、その中でいかに確実にゴールを積み上げられるかが明暗を分けるポイントになるだろう。

そのフィニッシュの部分で期待したいのがFWレアンドロだ。ここ数試合、確実に前線でプレーする時間が増え、積極的にシュートを打つ姿勢もみられるが、結果的にここ２試合はゴールから遠ざかっている。もちろん傍目にみているほど、ゴールをこじ開けるのは簡単ではないし、そうしたシーンに顔を出せる嗅覚は評価すべきだが、彼にとっても『ゴール』という明確な結果を残すことが自身を勢いに乗せる何よりの薬だと考えても、やはり欲しいのはゴール。「僕の現役時代と違ってチャンスでは必ず決めてきたからこそ（笑）、今の決められない自分を腹立たしく思っているかもしれないが、２試合獲れていないだけ。いつも通りやればきっと決めることができる」と長谷川健太監督も期待を寄せるように、ここ最近、熟成をみせつつある攻撃サッカーをより加速させるためにもエースの爆発を期待したい。
「チームとしては得点機会を多く作れるようになっている。あとはフィニッシュのところでより集中してそれをものにすることを考えたい。それについては自分自身も悔しく思っている。サッカーとは不思議なもので、ゴールに背を向けているのにお尻にあたってゴールが決まる事だってあるし、他の試合と同じ姿勢で試合に臨んでいてもここ２試合のように決めきれないこともある。だけど、今の状況が覆されて獲れる試合も必ずくる。この間の試合後は正直、眠れず『なぜ獲れなかったのか』と自分に何度も問いかけたが、失ったチャンスは最初でもなければ最後でもない。チャンスはまた必ず来ると信じている」（FWレアンドロ）

反町康治監督率いる松本は、前節の岐阜戦に敗れ、今季初の連勝はならず。しかも、この試合まで一度も勝てていないどころか、１つもゴールを奪えていなかった岐阜にまさかの２ゴールを浴びての敗戦――。これには反町監督も「準備して来たことをそのままパフォーマンスに出せばいいのに、気取って、汗をかかないでいたらこういうことになるということ」とコメント。色々な意味でパフォーマンスは良くなかったと素直に負けを認めた。だが、ここまで連敗をしていないことにも表れているように、敗戦を引きずらず、しっかりと切り替えて目の前の試合に臨めるのが松本の強みという見方もできる。そこには、このチームを率いて２年目となる理論派の反町イズムが大いに影響しているが、それを選手たちが会得し、結果に繋げられるようになってきたことも見逃せないポイント。また、松本は今季のホーム戦には一度も勝っていないのに対して、アウェイ戦では３勝１分と負けていないことからも、自信を持ってアウェイ戦に乗り込んでくるはず。未だホーム戦での勝利がないＧ大阪にとっては難しい試合になるだろう。

余談だが、この試合では『平日夜割りチケット』が発売される。試合当日、前半戦終了後に当日券売り場でチケットをお求めの方は、割引価格でチケットを購入できるという仕組みだ。平日、仕事帰りで「前半には間に合わなかった！」という方はぜひこのサービスを利用し、試合を決める後半戦を楽しんでほしい。

以上

2013.04.16 Reported by 高村美砂