密度が濃く、狙い通りのプレーも確かに見えたゲームだった。次節につながる明るい材料は揃ったが、勝ちきれなかった悔しさも互いの胸にくっきりと刻まれた。
両チームとも連戦の中で、研ぎ澄まされた集中力を持って臨んだ立ち上がり。ボールを奪っては奪い返す展開から、徐々に京都のポゼッションの時間が長くなっていった。しかし前半16分のFW原一樹のミドルシュート、28分のDF福村貴幸のクロスからのMF三平和司のシュートは、岡山のGK中林洋次の好セーブに阻まれる。一方で岡山もFW関戸健二からのクロスに、FW荒田智之がトラップして狙ったシュートで決定機を作るが、ゴールは決まらない。
岡山が攻撃を組み立て始めると、京都はアンカーのDF田森大己が最終ラインに落ち、そこにMF駒井善成、三平が加わってブロックを形成。岡山は右ワイド・MF田中奏一が関戸と絡んで突破を図るが、ゴール前には進めない。しかし後半に入るとワイドを起点にした攻撃が見え始め、53分、関戸からのクロスを荒田がヘッドで突き刺して岡山が先制に成功する。
その後は、じっくりと攻撃の形を作り出す時間のないカウンターの応酬で、岡山はボランチの千明聖典と仙石廉のスピーディな判断から、MF石原崇兆や80分に投入されたFW久木田紳吾が決定的シーンを作るが、追加点にはあと一歩及ばない。
一方の京都は、怪我で原が前半のうちに、三平が77分に交代するなど、プラン通りには進めない点も多かった。しかし3枚目のカードとしてMF原川力を入れた段階で、「横谷繁を一番前に持っていって、落ち着かせて、その後ろから、(自分で持って行くことの出来る)中村祐哉、原川のミドルシュート、そこから宮吉拓実が抜けて出るとか、そういう展開を狙いました」と京都・大木武監督。それまでフィニッシュの精度不足と岡山のGK中林に得点機会を潰されていたが、ついに87分、福村からの速いグラウンダーのパスに、宮吉がすかさず反応して右足でゴール。同点に追いつく。
耐える時間が長かった岡山にとって、大切な何かが器から溢れ落ちたかのような失点だったが、笛が鳴るまでゴールを狙い続け、あわやというシーンを作り出した。「今までされていたことを逆にやり返したようなゲーム。人数をかけて取りに行って、奪えて、繋ぐところを繋げた点は、岡山の成長したところだと思います」と千明。京都は狭いスペースでボールを動かしながら、次に何をしてくるかわからないところは昨年から変わらないが、今年のやり方をまだ模索している印象だ。しかし過渡期にあっても強さと巧さを出してくる。
「小細工なしに食らいついて、2度追い3度追いしてボールを奪おうと(チャレンジを続け)、何とか対応が出来たことは、90分間の中で自分たちの守備のレベルをひとつ上げたと思っています」と岡山・影山雅永監督。勝点を分け合う結果からより良きものを引き出して、4日後のゲームに臨む。
以上
2013.04.18 Reported by 尾原千明
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