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【J2:第9節 鳥取 vs 札幌】レポート:シュート3本で2得点。前半にリードを奪った札幌が鳥取の反撃を封じ、今季初の連勝を飾る。(13.04.18)

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わずか数分間の攻防が勝敗を分けた。札幌のJ2降格に伴って2年ぶりの対戦となった鳥取―札幌戦は、前半のチャンスを確実に決めた札幌が、その後の反撃をしのぎ、完封で今季初の連勝を飾った。

序盤にリズムをつかんだのは鳥取。3節までに2得点を挙げた後の負傷で離脱していた久保裕一が1トップで復帰し、前線のターゲットとなって攻撃を牽引した。11分には武田英二郎と森英次郎のコンビネーションで左サイドを崩し、森のセンタリングを久保がゴール前で合わせる。これは札幌守備陣にブロックされたものの、すぐさまボールを奪い返してゴール前でファウルを得ると、三浦修が直接シュート。これもゴール上に外れたが、15分にも武田がFKを直接狙ってシュートを放つなど、ゴールへの意欲を見せた。

だが20分、逆にFKから先制点を奪ったのは札幌だった。カウンターで攻め込んでペナルティエリアのすぐ外、ゴール左寄りでFKを獲得すると、砂川誠が直接シュート。「(前節、CKからヘッドで得点した)パウロンと(上原)慎也がいるので、多少つられるかな、というのは頭の中にあった。あとはキーパーのポジショニングとか、体重がどっちにかかっているかな、とかを見たときに、狙えるかなと思った」と振り返る右足でのシュートは、3人の人壁を越え、左ポストぎりぎりに決まった。

これで勢いに乗った札幌は、24分にすぐさま追加点を奪う。右からのセンタリングをペナルティエリア内で受けた宮澤裕樹が、DFを背負いながら反転して左足でシュート。ボールはゴールに向かって飛んでいなかったが、鳥取の奥山泰裕に当たってこぼれ、素早く反応した岡本賢明が蹴り込んでネットを揺らした。

2点目には不運な面もあった鳥取だが、2失点とも、そこに至るまでのきっかけは自分たちのミスだった。1点目は田中雄大が中盤で不用意にボールを奪われてのカウンターから攻め込まれ、2点目は横竹翔のクリアが短くなったところを拾われ、2次攻撃を受けている。また、前節の東京V戦は21分に失点した後、30分に2点目を奪われて主導権を奪われており、今回も同様に立て続けに2点を奪われた。今季初黒星を喫した6節の長崎戦でも、前半に0―2とされて勝機が遠のいており、三たび同じ失敗を繰り返す結果となってしまった。

ただ、鳥取もその後にチャンスを作り、37分にはCKから柳楽智和が強烈なヘッド。これは札幌GK杉山哲に防がれたものの、再びゴールに迫るシーンが増えた。さらに後半開始から小村徳男監督が動き、左サイドMFの森に代わってFW永里源気、センターバックの林東賢に代えてMF吉野智行と、2人を同時に投入。吉野がアンカーに入って横竹がセンターバックに下がり、「私もセンターバックでのプレーを見るのは初めて」と小村監督が語る、完全なぶっつけ本番の布陣で反撃を狙った。

この変更が奏功し、鳥取は後半開始から攻撃に勢いが出たものの、ゴール前の精度を欠いて決めることができない。48分に実信憲明のセンタリングを久保がヘッドで合わせたが、わずかにセンタリングがずれてジャストミートできず。50分には右サイドを崩し、中央でセンタリングを受けた永里が右足で狙ったが、クロスバーの上に外れた。

その後は落ち着きを取り戻した札幌が、正確にパスをつなぎ、鳥取のチェイシングをかわす時間帯もあったが、そこからゴールに迫ろうかというところでミスが出て、勝負を決める3点目を奪えない。しかし鳥取も同様にミスが多く、最後まで攻めの姿勢は貫いたものの、最後までゴールは生まれず、そのまま2―0で札幌が勝利を収めた。

札幌は、シュート3本の前半に2得点を奪った効率の良い攻めが勝利につながった一方で、財前恵一監督が「ディフェンスラインの押し上げが遅かったのと、取られ方、ボールの失い方が悪かったのでピンチになった」と語る後半の戦いは安定感を欠いた。前半途中から「同じことを繰り返していると、やられるぞ!」と、スタンドに響くほどの大きな声でチームを叱咤していた砂川も、「2点入ってからの試合の進め方、3点目、4点目を取り切れない。課題の方が多々あったゲームかなと思います。もし鳥取に1点入っていたら、どっちに転ぶか分からないゲームになってしまったと思う」と振り返るなど、試合運びという点では課題をのぞかせている。とはいえ、今季ここまで1勝した後は必ず敗れていただけに、連勝を飾ったことは、今後の巻き返しにつながるだろう。

鳥取は前節に続く今季初の連敗で、6試合未勝利となった。久保や永里など、負傷離脱していた攻撃陣が一定のパフォーマンスを見せたとはいえ、3試合連続無得点とゴールが遠く、逆に小さなミスから失点して苦戦する悪循環に陥っている。この日、センターバックでまずまずのプレーを見せた横竹を、今後も同じ位置で起用するのか、それに伴って中盤の顔ぶれが変わるのか。いずれにしても、早期の立て直しが必要な状況を再認識させられる敗戦となった。

以上

2013.04.18 Reported by 石倉利英
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