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【J1:第7節 F東京 vs 名古屋】レポート:かつての指揮官が語ったゴールデンエリア。F東京が名古屋を相手にサイドから金脈を掘り出す(13.04.21)

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F東京は結果的に2つのPKを呼び込み、3−1で名古屋に勝利した。森重真人が40分、右サイドを深くえぐる。折り返したボールがこぼれると、渡邉千真が拾ってシュートを放った。ボールは枠内に飛んだが、田中マルクス闘莉王がそれをかき出した。勝利を欲する闘莉王のワンプレーよりも、この試合のハイライトとなるべきは、その前のワンプレーだった。

F東京はバスを置かれたとしても、崩すためのプレーをできるようになり始めた。「相手が背後に強くないということもある」と権田修一は語り、米本拓司は「今週、クロスからのシュートを練習していたから、意識もあった」と言う。中央を固めた名古屋に対し、F東京は序盤からサイド深くに攻め入って攻略した。ポポヴィッチ監督も「それがポイントだった」と言って「引いてブロックをつくられたときに、前線の4人が足を止めてしまっては相手の思うつぼ。カウンターをどうぞ打ってくださいというのと同じだ。引いてきたり、引っ張ったりして流動的な動きでスペースをつくって生かすことでサイドも空く。モリゲ(森重)もクオリティの高いオーバーラップを見せてくれた」と語った。

5分のワンプレーからF東京が試合の流れをつくった。徳永悠平が右サイドを抜け出すルーカスへとパスをつなげる。ルーカスはゴールライン近くまで進み、マイナス方向にパスを出す。視野を確保しきれないDFたちが振り返ると、フリーでボールを受けた東慶悟がゴールを狙った。ボールは枠を逸れたが、中央を固く閉ざす名古屋の守備から攻略の糸口を掴んだ瞬間だった。

結果的に、前半アディショナルタイムに徳永が同じように、サイド深くに攻め入ろうとしてPKを獲得。後半立ち上がりの50分には森重が左サイドを抜け出して決勝点となるPKを再び得た。いずれもルーカスが確実にゴールネットを揺らしてリードを奪った。2006年に監督を務めたアレッシャンドレ・ガーロが当時、このチームに提唱していた言葉がある。「ゴールという金脈が埋まるゴールデンエリアを有効に使わなければいけない」。それが敵陣の両サイドのペナルティエリア脇。当時は有効に使えなかったが、F東京はこの試合で見事にそこを使い、得点を生み出した。
サイドを深く破ることで相手最終ラインを下げ、セカンドボールを高い位置で奪った。ボール奪取の達人である米本がいたことも大きいが、そうした攻撃が守備にもつながっていた。前向きな守備で次々とボールを奪うと、相手陣内で多くの時間を過ごした。

ただし、名古屋らしさも出た試合だった。前半からF東京が押していた。しかし、その時間をしのぐと、28分に闘莉王からケネディへとつなぎ、頭で落としたボールを走り込んだ小川佳純がシュートを放った。これは権田が阻止したが、続く30分にはダニルソンからのクロスに再びケネディが頭で合わせてゴールを奪った。ストイコビッチ監督が「フレッシュエアを送ってしまった」と言い、ミスが増えた後半は一方的な展開となったが、勝負どころは見逃さないしたたかさを見せた。

主導権を握って次々と前線に人数をかけたF東京だったが、背後のリスク管理もほぼ完璧だった。前に飛び出していった選手の穴をドイスボランチの米本と高橋秀人がしっかりと埋め、両サイドバックも中央へと絞ってスペースを埋めていた。

名古屋の連勝は止まったが、ケネディが復帰してゴールを奪ったことは明るい材料だ。小川と玉田圭司の流動的な動きに高さが加わったことで今後、さらに攻撃の幅も広がっていくだろう。
F東京は、連敗のトンネルを抜け出した。ポポヴィッチ監督は「そう願うよ」と言い、「この試合を基準にしなければいけない。これを続けることでクラブのアイデンティティになるところまで高めていくことが大切なんだ」と自らの仕事を語る。頭であれこれ考えたことが試合で実践できた。やり方がわかったからこそ、これからも続く。始まりはここからだ。

以上

2013.04.21 Reported by 馬場康平
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