3月31日にお目見えしたオレンジ色のカラーボールが、早くも再登場となった。朝からの本格的な雪。今週、ようやく開花したばかりの桜の花や枝にも、ようやく緑色を増してきた芝の上にも、ぼた雪は降り積もった。ピッチ内の除雪作業は午前9時に開始。降雪が続いたことで午前11時にもまだ一面白いままだったが、運営スタッフや山形ユースの選手を動員し、さらにはサポーターの協力も 得て、予定どおり13時のキックオフに漕ぎ着けた。それぞれの会場にはそれぞれの基準があり、状況に応じて判断が下されるものだが、当たり前のように試合を開催してみせるこの雪への対応力は見事と言うほかない。
笛はジェームズ アドコックさん。ロメロ フランクが累積で出場停止の山形は、堀之内聖の今季初先発に合わせ、4-4-2の中盤を今季初めてダイヤモンドにしてスタートした。しかし守備がはまらず、アンカー・堀之内の両脇を起点に使われだしたことから、15分ほど経ったところでワイドに開いていた宮阪政樹がディフェンスラインの手前を埋め、トップ下でプレーしていた比嘉厚平も拠点をサイドに移すことになった。ただし、「試合前から、もしこれでイマイチだったらフォーメーションは変えてもいいと言われていた」(堀之内)こともあり、特に混乱を来す様子もなく対応した。
これで守備の安定感をやや取り戻し、ボールの保持率も高めた山形は、20分過ぎにはサイドチェンジから右サイドで秋葉勝や小林亮がクロスを上げるシーンもつくれるようになった。熊本が自陣に引いて構築したブロックは崩しきれなかったが、そこで慌てることなくつくり直し、崩しきる精度は足りなかったが、セカンドボールも拾いながらじっくりと好機を探った。
38分から3度続いたコーナーキックの2度目で、ゴール前に詰めていた作田裕次が足元に落ちたボールを押し込んだ絶好機はGK南雄太の好セーブに阻まれ、このまま前半を終えるかと思われた43分にスコアは動く。中村太亮がアーリー気味に放ったクロスの跳ね返りを、ボックスの外に控えていた堀之内が胸でコントロール。「左足は100%入らないと思った。左足でかわして、相手が引っかかったからもう打とうと思いました」と左足シュートを予測してがっつりと食いついてきた仲間隼斗をかわすと、右足で放ったシュートは対角に飛んでゴールネットを揺らした。ともに3試合ノーゴールで迎えた今節、まず山形が、ようやく先発のチャンスをつかんだ堀之内のゴールでその状況を打破した。
ともに交代なしで迎えた後半だったが、山形が前半からの流れでボックスの4-4-2でスタートしたのに対し、今度はビハインドの熊本が中盤をダイヤモンドに変更。2トップの下に齊藤和樹をスライドさせ、ロングボールとクロス主体で反撃を試みた。しかし、左から何度か入れたクロスは山形に落ち着いて対応され、63分、ペナルティーエリア左から仕掛け、対応する作田をかわしたファビオも、シュートの足を振り抜く前に飛び出してきたGK常澤聡に止められた。
小林から山田拓巳に右サイドバックを代えた67分以降、山形はそれまでの熊本の勢いを止め、間に入るフォワードに細かくくさびを当てながら前を向いて押し込むと、74分には右へのサイドチェンジから山田、山崎雅人とつないで比嘉が右スペースを突き、その4分後にもやはりサイドチェンジから高い位置を取った山田がミドルシュートを狙うなど熊本のゴールに迫った。
しかし、3連戦の疲労が山形の足を重くしていた。奪ってからの押し上げの出足がなく、前線で孤立した2トップはくさびを受けてもロストにつながる確率が高くなっていった。それでも、自陣ゴール前では粘り強さを発揮。85分、ファビオのクロスから養父雄仁が放ったシュートが浮くなど相手の決定力不足にも助けられた側面もあるが、後半の被シュートはわずか2本に抑え、最終盤には中島裕希が決定機を含む2度のシュートを放つなど、熊本を寄せつけずに試合を終わらせた。
「厳しい試合になるのはわかってたんですけど、そこで自分たちがやることを100%できないと勝てないと思ったので、100%できなかったのが敗因かなと思います」。現状を見つめ、受け入れたからこその言葉を、仲間は残している。熊本はいずれも0-1で3連敗となったが、吉田靖監督は「惜しいというところで、そこから先のところの決定的な形をいくつつくれたかというとまだまだのところがある」と、この試合に関してはゴールの感触が遠ざかった感がある。アウェイが続くなか、チャレンジは続く。
そして山形も、ようやく1点を挙げ、連敗を脱したとはいえ、この試合では攻撃の質を云々できる内容ではなかった。雪や連戦などさまざまな阻害要因はあるが、厳しさは払拭しきれていないのが現状だ。ただし、悪い状況なりにつかんだ勝点3の価値は小さくない。奥野僚右監督は「数少ないチャンスから、堀之内君のゴールで、その1点をしっかりと終了までリードのまま終わらせたと。こういう戦い方もできることで、これからもいろいろな戦い方ができてくるんじゃないかなと思います」と話し、また貴重な経験を得たことを強調した。
以上
2013.04.22 Reported by 佐藤円
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