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【J2:第12節 東京V vs 横浜FC】プレビュー:東京Vの堅守の牙城を、横浜FCは打ち崩せるか?もちろん、『ヤス・カズ』対決にも大注目!(13.05.02)

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今季初の連勝をし、勢いに乗りつつ迎えた第10節・松本戦が、残念ながら積雪により中止となってしまった東京V。試合間隔が1週間空いてしまったこと、さらにアウェイという難しい状況で前節の富山戦に挑んだが、勝点1を持ち帰った。先制しながらも、終了間際に追いつかれてのドロー劇だったが、三浦泰年監督は「せっかくの良い流れが止められてしまった中で勝点1を取って来られたのはポジティブ」だと捉えている。そして、だからこそ、今節が非常に重要だとも力説する。「もう一度良い流れを呼び戻すためにも、良いリズムでサッカーを進めるためにも、良い内容のサッカーをしてサポーターの信頼も導き出せたらなと思っている」。約2週間ぶりのホームゲーム。東京Vは必勝を誓う。

現在、東京Vが最もストロングポイントとしているのが、守備力の高さではないだろうか。10試合で5失点はリーグ最少を誇る。前節は5試合ぶりに失点を許したが、それも最少失点「1」のみ。ところが、失点0の試合が増えれば増えるほど、選手たちの口からは、そのわずか“1失点”への悔しさと反省の弁が強まっているのである。特に、前節失点に絡んだ小池純輝は「個人としてもっと細かいところを突き詰めていかないとチームのみんなに迷惑がかかる」と、猛省しきり。こうした、失点への罪悪感が生まれつつある状況は、今後チーム力を高めていくためにも、非常に価値あるものではないだろうか。また、三浦監督も、この失点数の少なさに関して次のように語っている。「ウチは守備の安定と攻撃のアイデアやコンビネーションの多彩さを追求しているチーム。たとえ今、どんなに失点が少なかろうが、大事なのは42試合終わった時にどうかということ。ここまでの10試合が失点5であれば、次の10試合は3で抑えるための準備をしなければいけない。『続ける』ではなく、常に『それ以上』にしていきたい。なぜなら、“現状維持”は“退化”になる」。指揮官のことばに、このチームがいかに上を目指しているかが表れている。今節も、さらに強固なチームディフェンスの確立を目指す。

堅守を続けている守備陣に対して、「申し訳ない」と、特に強い責任感を口にするのがFW常盤聡である。この5試合で3ゴールは立派な成績だが、「毎試合、もっと点を取れるチャンスがいくつもあるのに…」。チーム全体として、崩しの段階までは非常に向上が見られるだけに、「あと、そこから先がFWとして大事なところ。いまのディフェンス力があれば、前の自分がいかに決められるかで勝点3がもっと取れる。踏ん張ってくれるDFのためにも、冷静に確実に決めきれるようにならなければいけない」。3試合連続弾なるか。注目したい。
また、同時にチームとしてエース高原直泰の3試合ぶりのゴールもぜひ期待したいところだ。前々節は0本、前節は1本と、ここ2試合はシュートをほとんど放っていない。もちろん、シュートやゴールだけがFWの仕事ではなく、前節も常盤のゴールの影に高原の相手DFを複数枚引き付ける動きがあったように、他の選手を生かすための働きも非常に重要な役割であることは間違いない。だが、やはりエースのゴールはチームを勢いづける何よりの栄養剤。三浦監督のいう「良い流れを取り戻す」という意味でも、高原のシュート、そして『タカ・ゴール』が見たい。

対する横浜FCは、ここまで11試合2勝4分5敗と、苦しい戦いが続いている。前節・水戸戦も連敗を止めることはできたものの、2点を先に奪いながらも追いつかれる形でのドローは痛かったと言わざるを得ない。ただ、順位こそ19位と低迷するが、勝点そのものを比べてみると、10位の東京Vが1試合少ないとはいえその差は「5」と大差ではない。東京Vの監督も選手たちも、その現実に対する意識は高く、「たまたま序盤に取りこぼして今の順位にいるだけで、最終的には必ず昇格を争うチーム」(石神直哉)、「総体的にみて、(プレーオフ進出した)去年よりも組織力や選手個々の力がダウンしたとは全く思わない。良い実績や名前のある、個の力をしっかり持った選手が多いチーム」(三浦監督)と、敬意を口にする。
「実績や名前のある」という意味では、大久保哲也、高地系治、寺田紳一、黒津勝、田原豊、そして三浦知良と、攻撃的選手に多いと言えよう。その中で、DF石神(東京V)が特に警戒べき選手として挙げるのが、大久保である。4月8日に行われた同カードでの練習試合にどちらも出場しており、その際に大久保が1点を決めている。また、前節で1トップの富山を相手に手こずった反省からも、同じくここまで1トップで戦ってきている横浜FC、そしてその最前線に君臨する大久保対策は東京Vにとって守備面での最大のポイントとなりそうだ。
ただ、横浜FCは前々日練習を完全に非公開にしており、場合によってはシステム変更、もしくはメンバー変更も十分考えられそうだ。そのあたり、山口素弘監督がどのように挑むのか楽しみである。

そして、この試合の最大の注目は、やはり三浦泰年監督(東京V)と知良選手(横浜FC)の『兄弟対決』だろう。この試合に関しては「監督と選手という立場だから、そんなに意識することはない」と、兄はクールに語る。だが、一方では「たった1つしか歳が違わないのにカズはまだ現役でやっている。それがどれだけすごいことか。ピッチに立ち続けるために彼がどれだけ節制して、体をいたわっているか。恐らく24時間の中で23時間ぐらいを費やしているだろう。もっともっと彼には輝いてほしい」と、兄として、また同じサッカー人として誰よりも尊敬の念を抱いている。だからこそ「僕も監督として集中した指揮を執って、みなさんの期待に応えられるようにしたい」。監督と選手という違いはあれど、“サッカー”をそれぞれの立場で高次元で追求し続けている2人が同じ場に立ち、勝敗をかけて争う“兄弟対決”の実現を期待せずにはいられない。
東京V関係者によると、この試合の来場者は現時点で1万5000人超が見込まれているという。多くのファン・サポーターが注目していることは間違いない。サポーターならずとも、必見だ!

以上

2013.05.02 Reported by 上岡真里江
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