開幕前、ほとんど全ての解説者が降格候補の最右翼にV・ファーレン長崎の名前を挙げていたが、蓋を開けてみればこの大躍進。4月の成績を見れば4勝1分の勝点13で堂々のJ2トップ。まさに長崎旋風だ。この活躍を何故かブラジル最大のテレビ局「グローボ」のスポーツサイトでも大きく取り上げている。しかし油断は禁物。新参チームがこのままずっと勝ち続けることはまずない。そして、そうなるのは今節のギラヴァンツ北九州戦からかもしれない。
事実、北九州は昨年9位と大躍進を果たしたが、今年は4月14日のアビスパ福岡との福岡ダービーで敗れると、次のヴィッセル神戸戦で柱谷幸一監督は先発5人を入れ替えるも奏功せず。現在は4連敗中だ。どのクラブもいつ何時、どのような形でチームの歯車が狂うかは誰もわからない。4月8日に島原で行われた両チームの練習試合ではサブ組主体ながらも北九州が早いパス回しで長崎を混乱させ、2-1で勝利している。負の連鎖を新参クラブを叩くことで断ち切ろうと考えているはずだ。
長崎の歯車が狂う要素は、バトル・オブ・九州、連戦によるコンディション低下、連勝による慢心…、と複数あげられる。。長崎の高木琢也監督も最近は「まだシーズンは始まったばかりで、順位のことは考えていない。あまり過剰に取り上げないでほしい」と浮ついた報道を嫌う。「ダービーだし何があるかわからない。連戦が続くと選手のコンディションの差が勝敗を分ける。4連敗しているチームが一番怖い」と危惧していた。
高木監督はこの試合の鍵を「ボランチ対ボランチになる」と考えており、「自分たちがボールを持ってプレーする時間を長くしたいという考えが両チームにある。どれだけできるかじゃないか。北九州はそこからサイドを上手く使ってくると良い形になる」と警戒した。
長崎も北九州もパスを繋いで攻撃を組み立てるアグレッシブなサッカーが身上だ。暑さやコンディション低下は双方のスタイルに大きく影響する。北九州はパスで攻撃にリズムを生み出す鈴木修人と相手の攻撃の芽を摘むインターセプトの猛者、八角剛史がボランチに構える。共に今季加入した選手ながらチームの核としてそのスタイルを担う。長崎のボランチは先を読みパスコースを限定させることが上手い井上裕大とその井上との連動を最も大事にしてプレーする岩間雄大。井上は連戦で最も疲れている選手の1人でコンサドーレ札幌戦ではコンディションを崩しスタメンから外れている。岩間もリスク管理ばかりを考えていれば攻守の切り替えが上手くいかず、DFラインに入り込み過ぎてしまい、攻撃はなかなか引き出せなくなるだろう。
井上は今回の対戦において、大分で小学校時代から一緒にプレーしてきた北九州の背番号「10」、小手川宏基を「ピッチで自由にプレーするので捕まえづらい」と分析。両クラブの中盤の攻防に注目したい。
長崎は前節、愛媛戦では2分と6分に得点を挙げたが、高木監督は「北九州は得点の多くを後半に挙げるチーム」と指摘し、「あとで失点しても困らないために、愛媛戦のように前半の頭に(長崎が)点を取れればいいかな」と期待する。互いに試合の最後まで走り勝つことも大事になってくるが、柱谷監督は「90分間の集中力」をチームの課題として挙げており、長崎の激しいプレスを前半開始からまともに受けてしまうと混乱し、試合に集中するまえに失点する可能性もあるだろう。入りの部分にも注目したい。
さて、両クラブの古いサポーターなら知っているかもしれないが、両クラブは2005年から九州リーグでしのぎを削ってきた仲。今節はJFLで2009年に戦って以来の対戦となる。その頃を知る選手は長崎なら有光亮太、北九州なら池元友樹だけになってしまったが、Jでの初対戦は両クラブのサポーターにとって大変感慨深いものだろう。
以上
2013.05.02 Reported by 植木修平
J’s GOALニュース
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